表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スタンディング・アース  作者: 睾善 太郎丸
9/11

第8話〜取り引きその2〜

ヘリコプターでとある場所まで移動した慈郎達とその他刑期短縮囚人たちは、看守らの指示の元とある建物に入っていった

もうとっくに日の出は過ぎ、少し肌寒い空の下を燦々と照らしていた


慈郎「あの〜、どこに連れていかれるんでしょうか?」


他のものも同じ疑問を抱えていただろう


猪頭「警視長、と言えば大体わかるだろう

その方に会いに行く」


その場がザワつく


シティザム「警視長殿ですって!?!先程のことで汗をかいたばっかりなんですよ!!?せめてシャワーでも!!!」


猪頭「騒ぐな、大丈夫だ

その心意気があるだけで十分だ」


その後数分歩き、厳つい顔をしたスーツ姿の男2人が並ぶ大きな扉の前に着いた

猪頭が頭を下げると、その男らは察したように扉を開いた


猪頭率いる囚人たち、17名は部屋に入った


部屋の奥、横長の机を隔て長髪の綺麗な男が満面の笑みを浮かべ座っていた


ショーク「おかえり、意外と早かったね猪頭くん」


猪頭「はっ!ただいま戻りました!

こちらが合格者達です」


ショークは品定めするように囚人たちをそれぞれマジマジと見た


ショーク「ふぅん…………結構いいメンツじゃん」


猪頭「何をしてるんだ!!キチンと挨拶せんか!!!」


囚人たちは一瞬ビクッとなり、すぐさま頭を下げ大きな声で挨拶した

他の囚人たちはシンプルな挨拶の中……


慈郎「こんにちわんこそば!!!」


パルム「こんにちワーナーブラザーズ!!!」


トラバサミ兄貴「コンバンチ!!!!!」


タウンザム「どもっス!!!!!」


シティザム「はじめまして!!!おはようございます!!!シティザムと申します!!!ケヴェレル星出身でございます!!!趣味は教会で祈ること!!ゴルフ!!旅行!!!グラビア鑑賞!!タイプの女性はグラマラ……」


慈郎「へ?お前キリスト教なんか?」


シティザム「そうだぞ!他の宗教もいいけどな!」


猪頭「うるせぇ!!!!!!!!黙りやがれボケ共が!!!

挨拶も出来んのか!!!!!!シティザム!お前に関しては長ぇんだよ!!!!」


怒号が(ほとばし)った


ショーク「ハッハッハッハッハッ!!!!面白い!!!いいよ君たち!!!!!!!それくらいでいいのさ!!!!!」


どうやら受けたようだ


ショーク「いいねぇ君たち!!!自己紹介はまた後でしてもらおうとしていたんだが早速してくれる人がいるとは!!

僕も紹介しよう!!!僕はフランス出身のショーク・パァンだ!!!よろしくね!!!!僕もシティザム君みたいに巨乳が好きだなぁ!!!!まぁ、僕のお嫁さんは虚乳だけどね!!!ほら!虚ってあれね!無いってほうね!!!!」


自分の自己紹介でも大ウケである


パルム「食パン?」


慈郎「超熟かな?」


タウンザム「パスコだっケ?」


一同「ハッハッハッハッハッ!!!」


軽いボケの後にその場のみんなが笑いあった

しかし、猪頭は青ざめていた

その理由はショークを見れば誰しもがわかる事であった

ショークが一切笑っていない

むしろ真顔になり先程の笑みを浮かべていた男とは思えなかった


ショーク「…………………なんつった」


パルム「ハッハッハッハッハッ………へ?」


ショーク「いまなんつったよクソガキがぁぁぁぁぁぁあっっっっーーー!!!」


慈郎「!!??!!!!????」


ショーク「俺は1番食パンって言われんのが大っっっっっっっっ嫌いなんだよぉぉぉ!!!!!!」


ショーク「てめぇら全員刑期重たくしてやろうかぁぁぁぁぁ!!!!!」


お怒りである

自分のことを僕から俺になり、怒号を上げ白目を向き、顔中には血管を浮かべ真っ赤になりながらその辺にあった私物をあちらこちらにぶん投げている


シティザム「なっ!!!!パルム!謝るんだ!!!」


パルム「すっ、すみません!!!!」


ショーク「いいよ!分かってくれたらいいんだ!

流石は物分りがいいなぁ〜〜」


皆ズッコケかけた

どうやら情緒不安定のようだ


慈郎「ヤバいのコイツ………」ボソッ


パルム「マトモじゃないなぁ……」ボソッ


ショーク「さてさて、本題に入るよ!

君たちは僕の考えた試験に見事合格した!!おめでとう!

でもね、実はね、続きがあるんだ」


一同は急すぎると思いつつも、ビシッとした姿勢になりショークの言葉に耳を傾けた


ショーク「仕事をして欲しいんだ」


慈郎「………仕事…?」


ショーク「あはぁ!そうさ!君たちに囚人を捕まえて欲しいんだ!所謂脱走犯なり、指名手配犯なりだね」


トラバサミ兄貴「ソンナコトオレラニマカセテイイノカ?オレラモショセンシュウジンダゾ?」


ショーク「そう言うと思ったよ

それについても説明しよう」


ショーク「人手が足りなさすぎるんだ

そういう事は警察が担当すべきなんだが、最近表でも裏でも物騒でしょ?実際君たちも表でやらかして今ここにいるんだからね」


囚人たちはドキッとしつつ、暗い表情を浮かべた


ショーク「民間人にそんなこと頼むわけには行かないだろう?今じゃヒーローなんて職業を自営業でしてる人もいるけど、所詮は民間人さ」


タウンザム「そんなに人手足りないんスカ?」


ショーク「うん、みんな大体辞めるか死ぬかだからね」


ショーク「どう?やってみる?元囚人が償いを込めて悪い奴らを捕まえる………いい響じゃない?まぁ、このご時世ヤバい宇宙人もゴロゴロいるから下手すりゃ死ぬけど」


それを聞き一同は少しざわめき始めた

その中、慈郎は口を開いた


慈郎「それってお金もらえるんすよね?」


シティザム「慈郎!!!」


ショーク「捕まえたらね

それまでに他の仕事も紹介するよ

お給料も保証する

それに家がない人はこちらで手配させて貰うよ」


一同は悩んだ

これであのきつい変なやつらばかりいる刑務所とおさらば出来る

しかし、内容を聞く限り刑務所のほうが安全なのでは無いかとも思えてくる


ショーク「断るって人は、悲しいけども違う刑務所に移動して貰うよ

あの刑務所よかマシだとは思うけどね

それにそっちの方が安全だしね」


また静寂がその部屋を包んだ


パルム「やりますわ」


シティザム「ほう、面白いなパルム

ならば、私も参加させてもらおう

悪党をのさばらせる訳にはいかないからな」


トラバサミ兄貴「クイニゲハンガヨクイウゼ

ジャアオレモ」


タウンザム「兄貴が言うなら俺もやるゼ」


慈郎「パルムがするんなら俺もするわ」


ショーク「決まりだね

他のみんなは?」


囚人たち「お……おれも!!!」


囚人たち「俺もだ俺も!!!!」


囚人たち「やってやらぁ!!!かっこいいじゃなぇかぁ!」


囚人たち「俺は……辞めておく…!刑務所で刑期を終わらせるよ…」


ショーク「OK…じゃあ猪頭君、刑務所に戻る人たちを頼むね」


結局17名中、12人がショークの任務に参加

残りは刑務所で暮らすことになった


トラバサミ兄貴「ドウセケイキヲオワラセテモイクアテナンザネェカラナ

ソウイウコトガワカッテテコンナコトテイアンシテルトコモアルダロ」


ショーク「わかってるじゃないかオメコマシンガン君」


トラバサミ兄貴「ホンミョウハヤメテクレ………

オレラノアイダデハトラバサミアニキデトオッテル」


部屋の中に12名の囚人たちが残った

全員が自分の降した判断が正しかったのかどうか分からないが、これから何がおこるのか、様々な思考をめぐらせていた


ショーク「じゃあ、君たちにこれからの任務を教えよう……

これからよろしくね!!!!死なないでね!!!!」











──────────

黒フード1「これで全員か……いやぁ〜、キツイわこれ」


黒フード2「警視長様の命令だからな、しょうがない……はぁ…公務員も楽じゃないな…やたら重たい宇宙人もいるしな」


黒フード1「他の奴らも終わったのかな?」


黒フード2「終わったんなら無線が入るだろ

手伝いに行ってやるか」


1人の黒フードが違う班の応援に行こうとしたその時である


ガバッッッ!!!


囚人a「痛ってなぁおい…………」


囚人b「俺らを騙した挙句にゴミみてぇな扱いしやがってよ……」


囚人c「覚悟しろやお前らァァァァっ!!!」


黒フード1「!!!?しまった!!効き目が弱かったのか!」


黒フード2「いや違う!種族によって効果が違うんだ!!

もう一度ボタンを…………」


黒フード達はその場の状況をすぐに理解した

囚人たちはボタンを粉々に砕いていた

これでもうあの電撃は喰らわないと言わんばかりにジリジリとこちらに近づいてくる


黒フード1「やめろお前ら!!!どうなるかわかってるのか!!」


囚人たち「知るかボケがァァァァ!!バラバラにして腸すすってやらぁぁぁ!!!」


黒フード2「うわぁぁぁぁっっっ!!!」


ザシュッ!!!ザンっっ!!!ガシュバッッッ!!


切り裂かれる音と共に黒フード達は倒れた………のではなく、倒れたのは囚人たちであった


「大丈夫っすか?黒フードさん」


黒フード2「お前は………コード・116…ガラコ…」


ガラコ「危ない奴らっすね

身の程がわかってない」


黒フード1「すまん…助かった…ありがとう」


黒フード2「お前がいてくれて助かったよ

もし良かったら手伝ってくれないか?」


ガラコ「良いんすか?じゃあ遠慮なく手伝わせて貰いますよ!





あんたらを」


黒フードたち「え?」


それを聞いたのが最期


黒フード1の視界は180℃回転しながらそのまま真っ暗になった

ガラコが鋭い爪から発する真空斬で首が横一文字になったのだ


黒フード2「な……………!!!お前……!!!!!うわぁぁぁぁっっっ!!!」


ガラコ「黒フードっつうから強いんだろうなと思ってたら…

所詮は国の犬程度、位が高いだけで実力なんてありゃしない

あっちの黒フードも弱かった」


腕についた返り血を舐めながら黒フードに近づく


黒フード2「まっっ!まさか!無線が無かったのはお前が殺したからか!!!!!」


ガラコ「ご名答、おやすみ」


ザンっっ!!!



ガラコ「………おい、お前ら起きろ

いつまで寝てるフリしてんだ」


そこらに倒れている囚人数名がめんどくさがりながらも徐に立ち上がった


ガラコ「さてと…………俺らも動き出すかな…

あいつらは上から何を頼まれたかは知らんがあいつらの事だ

どうせ口車に載せられてるに決まってる」


ガラコ「長かったなお前ら、行くぜ

この世を俺らの手にしねぇとなぁ………」


ガラコのむしろでニヤニヤしている囚人たちの笑みは、邪悪そのもので不気味である


ガラコ「慈郎…ルノー兄弟………それにパルムっつったか…

あいつらともいつか殺し合うだろうなぁ……楽しみだ」


ニヤニヤしながらガラコ一行は刑務所を後にした


数百名の囚人たちと黒フードの遺体を後にして…………………

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ