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スタンディング・アース  作者: 睾善 太郎丸
3/11

第2話〜続・遭遇〜

「…………………………」


(汚ぇ格好しやがって!向こう行け!!!)


(まーた異星人か、気持ちわりぃ)


(よそ者はどっか行くか死んで、どうぞ)


「………食べ物と仕事欲しかっただけやのになぁ」


チッと舌打ちの音がその少年の口から零れた


「あ〜あ…つまんねぇ…………」


慈郎「ちょっと隣失礼するぞ」

よいしょっと腰を降ろしたのは慈郎であった


慈郎「君最近入ってきたんか?ほなここのシステムよぅわからんやろ?腹減ってるやろうし、これ食べてぇや

ワイの奢りや」


少年「……………誰お前?」


慈郎「おっと、自己紹介を忘れるとは俺としたことが…

俺の名前は鈴木 慈郎

ここに入って1年と少しや、君は?」


少年「………あっそ…」

と少年はトボトボと歩き始めた


慈郎「ちょっ、おい!どこ行くんや?腹減ってないんか?」


慈郎の問いかけに少年は答えずに無視してどこかに行ってしまった


慈郎「………………2人分買うてもうたな…食えるかな」

両手に持つ袋を眺めてポツリと呟く慈郎であった











〜次の日〜


アナウンス「作業終了!!!各自………」


慈郎「にしても相変わらずやかましいアナウンスやの

音めっちゃ割れとるやんけ」


毎度毎度、昼休憩前に聞かされる(かしま)しいアナウンスにはウンザリしていた

慈郎だけではなく周りの者もそうであろうが


今日は雨である

外はザーザー降りではないが、小雨とも呼べないくらいの雨が降っていた

その中でも外に出るものはいる

水棲異星人や水を好む異星人、はたまた変態などがそうである

慈郎は昨日の少年の事を気にしていた

対応はとりつく島のないものではあったが、何故か不思議と悪い感じはしなかったのである

目は虚ろで生気を感じなかったが、今までの人生に嫌気がさしているのだろう、そう慈郎は憶測していた


慈郎「今日はさすがにおらんか」

昨日の場所に少年の姿は無かった






〜次の日〜


作業中の事である


作業の内容としては、何かしらの金属などを加工したり組み立てたりするものもあれば、ティッシュを箱に詰めたり内職のようなものまである

慈郎の担当場所は金属加工であった


「おいどうしたよ、浮かねぇ顔してよ?恋か?恋なのか?」


慈郎「ん?なんやケディか

そんなんとちゃうよ

ていうか持ち場戻れよ」


慈郎に話しかけてきたのはアメリカ合衆国生まれの黒人、ケディであった

ドレッドヘアーにサングラス(なんで刑務所でかけていられるのか)ペラペラとおべっかを垂らすしゃべくり上手な性格をしている


ちなみに捕まった理由は覚せい剤の密輸、詐欺罪、アメリカ政府のマザーコンピューター及び異星人コンタクト用のコンピューター全般のクラッキングである

よく死刑にされなかったものである

ちなみにクラッキングに関しては未遂に終わった

自信満々にFacebookに「今からクラッキングしちゃうよぉぉぉ〜〜ん!!!みんなも盛り上がっていこうぜー!!」などと書き込んだあとにアクセスしようとしたからである


ケディ「んじゃ何よ?んな顔してよぉ!あ!!!いつもしけた顔してるか!悪い!!!」


慈郎「俺を煽るんなら向こうにおるグレイ型煽れや

忙しいんやワイはお前と違って

ていうかお前口草すぎるぞ

納豆と草やとたくあんを足して割ったような匂いがする」


ケディ「あんな奴煽ったら殴り殺されるだろうがよぉ!あいつガチムチ系のグレイじゃん!?お前は信用出来るからしてんの!てか!歯に関しては3か月前に磨いたっての!!!」


慈郎「俺は信用してへんけどの

二度と俺に近づくなや………と、言いたい所やけども聞きたいことがあるんや」


ケディ「ん?何だ?俺のアソコのでかさはトップシークレットだぜ?」


慈郎「あの髪の毛がエメラルドの綺麗な顔立ちした奴、知ってるか?おそらく新入りやと思うんやが」


ケディ「ん?あぁ、あいつか

確かにこの前入ってきたなかなり汚い奴だった

服も何もかもボロボロだったしよ

地球人では無いと思うが、どこの異星人なんだか」


慈郎「そうか、ありがとう

もういいぞ失せろ」

そう言うと慈郎は荷物を持ちケディを後にした


ケディ「んだよそれ!!!!!ツンデレってやつか!?」


ギャプルス星人「オイゴラコノクソドレッド!!!サボッテンジャネェゾ!!!」


ケディ「お前もツンデレかぁ〜〜しょうがなキャプゥェベッッ!」


岩石のような男に殴られてしまった


〜時間は流れ昼休憩〜


慈郎「よっ!!元気か?」


少年「………またお前かよ……いい加減鬱陶しいぞ、気持ちわりぃ」


慈郎「腹減ってるやろお前

食堂でも売店でも見たことないぞ」


少年「関係ないだろ…………ていうか俺に関わんな

次話しかけてきたら殺すぞ」

少年が慈郎を睨みつけた時であった


「グゥゥ〜〜〜」


腹の音がどこからともなく聞こえてきた

出所は言うまでもない、少年の腹である


少年「……………」


慈郎はそれを見てニヤニヤしていた

袋を掲げて


少年「………にやけてんじゃねーよ」

また(きびす)を返そうとした少年に対して慈郎は慌てて掛けて


慈郎「いい加減食べんかい!体持たんぞ!!おら!これコロッケっちゅうんや

美味いから食べてみ?俺と食えとは言わんから」


少年はその行動に対し、無言で数秒悩んだ後にコロッケをぶんどりまたどこかに行ってしまった

最後に一言、「もう俺に関わんな」と残し………




















〜1週間後〜

慈郎「オッスオッス!!!色んなところでこんにちは!!!!」


少年「またお前かよ!!!!なんやねん毎日毎日!!!」


慈郎「おっ?関西弁なっとるやん!素敵!!!」


少年「俺がどんだけ無視してもおどれがずっーーーーと喋りかけてくるから染み付いてもうたんや!!!てか関西弁言うんかこれ」


慈郎「せやせや、そっちのほうが似合うとるわ

飯食おうぜ」


少年「…………物好きやなお前も俺なんかに構うとは………慈郎か…(ボソッ)」


慈郎「はじめて名前で呼んでくれたの

サンキューな」


少年「んなっ!!」

少年の顔は少し赤らめていた

悔しかったのか、恥ずかしかったのか………はたまたどうなのであろうか…



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