表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

97/156

お目覚めにはまだ遠く




「「っ、疲れた〜っ!!」」



クタクタとなって、リビングのテーブル上に頭を落とすカルデラとカフォン。

修行はあれから三時間ほど続き、今では魔力がスッカラカンの状態でもあるのだ。




だがしかし、そんな彼女たちを見つめる神宿が溜息を吐く一方で



「まぁ、今のコヤツらのレベルじゃと、これぐらいが限界じゃろうな」



大賢者ファーストもまた呆れたように溜息を吐いていた。





「しかし、本当に困ったもんじゃな。アレぐらいでこんなにバテてしまうとは」

「…うーん……初めてだったら普通、あんなもんじゃ」

「馬鹿を言うな。あんなもの、ほんの序の口程度のものじゃぞ? 授業で例えるなら準備運動みたいなものじゃ」


そう軽々しく言ってくれる彼女に、流石…大賢者と思う神宿。



とはいえ、これ以上あれこれ言った所でカルデラたちはもう限界も近いのも事実。

取り敢えず何をするにも明日から、だとそう思っていた。






ーーーーーそんな時だった。






ガチャ、という扉を開ける音が聞こえ、



「「!?」」



神宿とファーストがその音に振り返った、その視線の先にーーー








「ふぁふぁふぁ〜」








間抜けな欠伸声を上げる女性。

賢者アーチェの姿がそこにはあった。





ーーー後、派手な下着姿がチラチラと見える、大胆なワンピース姿で…。




「む〜、トオルく〜ん? ご飯は〜?」

「…え、あ、ああ。も……もう少ししたら、出来るけど」

「そ〜? わかった〜? それじゃあ〜? もう少し寝るね〜?」




未だ眠たげな様子で朦朧と答えるアーチェは、そう言って再び部屋へと戻っていった。



「…………」

「…………」



神宿とファーストは、共に固まりながら、しばし沈黙してしまう。

だが、その背後にて、





「ト〜オ〜ル〜っ!!」




神宿がゆっくりと後ろに振り返った先、そこには顔を真っ赤にさせながら怒りマックスのカルデラの姿があり、



「アーチェさんっていつもあんな姿だったんですかっ!?」

「え、いや、ちが」

「……違うわけないでしょ? なんか、対応とかも慣れてたし」


そんな彼女の隣では、拗ねた様子のカフォンが半睨みでそんな事を呟いてくる。



「そうなんですか!!」

「っ!? いや、だからアレは」

「師弟関係っていうことは確かに聞いていました! でも、あんな大胆な姿でっ………あ、まさか! 二人で淫乱な」

「だから違うって!?」

「どうだか」

「って、お前も煽るなよっ!?」

「トオル!! どうなんですかっ!! はっきりさせてくださいっ!!!」




ぎゃあぎゃあぎゃあ、とさっきまでの姿はどこに行ったのやらと、カルデラとカフォンの二人に責められる神宿は、





「だから、違うって言ってんだろうがぁ!!」





そう嘆くように叫ぶのであった。



「モテモテじゃなぁ〜」


後、そんな子供たちの様子を見つめ、ニマニマ笑みを浮かべるファーストの姿もあるのであった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ