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被害者×2




「つまり、俺がその師匠に呼ばれる原因になったのは、シグサカのせいってことか?」

「……は、はい」



言伝の件含め、全部ではない詳細を聞かされた神宿は思いっきり溜息を吐いた。



「な、なぁ…? それ、また今度にしても」

「いえ、その………あの人の事ですから、後々が怖いような」

「ホント、ロクでもないやつばっかだよな!? 師匠って奴は!?」


何となくそうだろうと察していただけあって、そうツッコム神宿に対し、キャロットは申し訳なさそうに謝り続けるのであった。




後、場所は変わって男子寮では、


「へ、ヘクチュ!」


とクシャミをするアーチェの姿があった。










「それで? シグサカの奴は今どこにいるんだよ?」

「あ、はい。その、シグサカ様は今、お師匠様に修行をつけてもらっていまして」

「修行?」

「はい」


怪訝な表情を見せる神宿に対し、口元を緩ませるキャロット。


「後、休んでいる間に出された課題も今しがた先生方に届けに行ってきた所なんです 」

「ふーん。………何て言うか、少しいい加減な奴かと思ってたけど、意外に真面目な奴なんだな。アイツって」

「ま、まぁ…普段が普段ですから、そう勘違いされる方々も多いですね」



神宿の呟きに笑って答えるキャロットだが、その表情からはどこ嬉しげな様子が見て取れた。



それぼとに、彼女にとってシグサカという少年は大切な存在であるのだろう。



と、神宿はふとそんな事を思うのであった。











「まぁ、それじゃあ仕方がないから行く事にするけど、どこに集合すればいいんだ?」

「そうですね、それじゃあ一先ず明日の放課後。学園の入り口前に集合でどうですか?」

「ああ、わかった」


神宿とキャロットはそうして、待ち合わせの約束を交わし、


「そろそろ教室に戻るから、それじゃあな」

「はい、明日お待ちしております」



二人は言葉を交わして、その場を後にする。

しばらくして、予鈴も鳴り始め、中庭にいた他の生徒たちも教室へと戻っていく姿がちらほらと見えた。



ーーーそんな中で、











中庭から離れていく神宿。

そんな彼の後ろ姿を静かに見つめるキャロットは、悲しげに瞳を細めながら、小さく唇を紡み、



「ーーーーーーーごめんなさい」



そう、言葉を残すのであった。










そして、その頃。

男子寮では、




「あ、アーチェさんっ!? ま、まって!」

「わ、わたしはいいからっ!! もうお腹いっぱいなの!!」



ドタバタドタバタ!!! とけたたましい音が鳴り響く中、ついに壁際へと追い詰められるカルデラとカフォン。

そして、そんな彼女たちの目の前にはー



「何言ってるのー? まだ今日何も食べてないよねー? 大丈夫ー? 私も色々と進歩してるからー?」



そう言葉を口にする、アーチェ。

その両手には、二人分の料理。


ーーーーーいや、紫色のスライム的な何かを魔法で宙に浮かせながら、笑みを浮かべ、





「それじゃあー? はーい。あーん?」






ズボッ!!×2

ぅきゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!×2



………こうして悲しき悲鳴が、男子寮にて木霊すのであった。



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