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説明




ダンジョン攻略。

いかにも異世界にありきな、その言葉に首を傾げる神宿。

そんな彼の反応にカルデラは更に驚いた表情を見せ、


「って、トオルは何でそんなに冷静なんですか!?」

「いや、冷静も何も、しらないし」

「レベレレストダンジョンっていえば、攻略は不可能だろうって言われた超難易度のダンジョンなんですよ!?」

「………はあ」

「しかも、この話を知らない人なんてどこにもいないって言われているほど、有名なダンジョンなんです! それなのに!」


神宿のリアクションに納得がいかないのか、声を巻き上げるカルデラ。

一方で、外野では、



「まぁ、賢者なら、そんなダンジョン、鼻歌をつきながらでも通り抜けれるんじゃがな」

「え!?」


大賢者ファーストの言葉に対し、声を上げ驚いた表情を見せるカフォン。

神宿は、そんな大賢者の言葉を聞きながら、



「だってさ」

「あれは論外です! 無視してください!」



と、キッパリ言い切るカルデラなのであった。









「それで? そのダンジョンを攻略したら、カフォンの悪評は本当に払拭できるのか?」


場が落ち着き、神宿はあえてファーストにそう言葉を尋ねる。



「うむ。あのダンジョンじゃと、小細工といった手はハッキリ言って無意味じゃからな。攻略には必ず実力が必要され、例え高貴な貴族であったとしても関係なくそれは適応される。ーーーーしかし、もし仮にそれをダンジョンをクリアしたとすれば、どうなると思う?」

「ーーー実力者として、周りから認められる、ってことか?」

「うむ。更にいえば、学園の教師もまたダンジョンに入った生徒たちを常々監視しておる。点数もしっかりとつけておるから、周りの評価が上がるうえ成績も向上する。まさに、一石二鳥なのじゃ!」


えっへん! と偉そうに語るファースト呆れた表情を浮かべる神宿。

だが、その一方でカルデラは付け足すように、ダンジョンの詳細を語ってくる。



「でも、そう簡単にクリアできないのが、そのダンジョンなんです」

「というと?」

「ダンジョンに生息するモンスターもそうなんですが、中には数々の罠が張り巡らされているんです」

「罠?」

「はい。例えば毒や麻痺といったものが備わったガスの噴射や」

「うんうん」

「蛇や虫による、妨害。落とし穴や草木による拘束」

「うん……ん?」

「後は、巨大な石像のモンスターによる、奇襲など」

「…う、んー? …あー、ちょっと待て」


神宿はカルデラの話を一度中断させ、視線を真横にいるファーストにへと向ける。

そして、顔を引きつらせながら、





「なぁ、もしかして、毎年ダンジョンの攻略が上手くいってないのって……まさかとは思うけど、アンタらのせいじゃ」

「ほう、よくわかったのう?」








瞬間、その場に沈黙が落ちた。

だが、直ぐに場の空気は動き出し、


「え、え? え!?」

「そ、それって、どういう」


ファーストの言葉にカルデラとカフォンがどちらも違った反応を示す中、神宿は深くため息を吐き、


「はぁ、だと思った…」

「ふむ。参考までなんじゃが、どうしてわかったのか聞きたいのじゃが」


今までダンジョン内部で起きた事を話して、それが賢者によって仕組まれていたものであるとわかった者は、誰一人としていなかった。

それなのに、何故神宿だけが理解できたのか?



不思議そうにそう尋ねるファーストに、神宿は更に呆れた表情で、口を動かす。







「何でって、そんなのアンタにも責任はあるんだからな?」

「む? どういう」

「ーーーーー師匠に言っとけ。ダンジョン用のトラップを、修行で使うなって」








その瞬間。

今まで笑顔満点だったファーストが、顔に手を当てながら天を仰いだ。

同時に、神宿もまた呆れたようにドット疲れた溜息を吐いた。

そして、



「トオル? それってどういう意味なんですか?」

「?」



カルデラとカフォン。

共にその言葉に首を傾げる中、神宿は頰をかきながら、






「いや、まぁ……その、なんだ。多分なんだけど、俺その罠関係、ほとんど知ってるわ」






そうーーとんでもない言葉を告げる神宿なのであった。





そして、その一方でーー


「あの馬鹿弟子がぁっ!!」


自分の弟子、アーチェに対してそう怒りの声を上げるファーストなのであった。






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