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カルデラの試練




それは一日前。

決闘の通知が送られ、その後直ぐにアーチェ直々修行を開始された頃の事だ。



少ない時間の中、カルデラには基礎の構築、そして新しい魔法を数個ほど教え込んだアーチェは手をパチンと叩きながら、



「はい、それじゃあ修行はこれぐらい終了かなー?」

「はぁ、はぁ……ぇ?」



短い時間でレベルの高い修行だった。

しかし、例えそうだったとしても、それらの内容はあまりにも少なかった。

はっきり言うなら決闘の準備にはあまり不十分なものだった。


だから、カルデラは、まだいけます! と、声を出そうとした。



ーーーーだが、



「でもねー? これから先、カルデラちゃんにはこの剣と向かい合う修行をしてもらわないといけないのー?」

「…け、剣と…向かい合う?」



アーチェの言葉に固まるカルデラ。

そんな彼女に、賢者であるアーチェは微笑みながら、




「ええ。だって、この剣はーーー」







ーーーーと、カルデラへ伝えるのだった。











カルデラとルティア。

二人が睨み合う中、決闘の火蓋はーー




「それでは試合を開始してください!」




審判である教師の掛け声と共に、切って落とされた。






カルデラは全身に魔力を纏わせ走り出す。

魔力によって稼働許可がおりた藍剣は羽根のように軽くなり、スピードの重しにはならない。


「ウォーター!」


そして、カルデラは続けて片方の手に数個の水球を作り出し、それらを敵であるルティアに目掛けて撃ち出した。


だが、





「行きなさい、デボルクの盾」





ルティアの声に反応するように、宙を浮く盾がその力を発揮する。

迫る水球の目の前に移動し、その装甲を動かしーーーまるで顎門のように口を開き、魔法の飲み込んだのだ。



「なっ!?」



口の中へと吸い込まれた魔法。

だがーーーーそれで終わりではなかった。

それはまさに反射するかのように、吸い込まれた水球がカルデラに目掛け襲いかかってきたのだ。


「っ!?」


カルデラは走り出す足を止め、回避に移る。

寸前の差で、己の魔法を避けていく。



(ッ、だったら!)



カルデラは再び先手を奪うべく、魔法を形成する。

水ではなく、今度は風。



四方八方からの攻撃を備え持つ、





「ウィンドカッター!!」






その次の瞬間。

ブーメラン状の風の刃がルティアに目掛けて放たれた。

それらは共に離れた位置から攻撃を進行し、盾一つでは到底防げない攻撃だった。


ーーーしかし、




「あらあら、何なのソレ? もしかして、そんなちっぽけなのが魔法のつもりなの?」




ルティアの言葉と共に、彼女の手に持つムチがうねった。



まるで蛇のように風の刃を相殺し、そして、





「っ!?」





警戒を怠っていなかったカルデラの体にーーーその重い一撃が炸裂した。


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