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母親になれない  作者: 紫苑
7/10


それから3回生理が来た。


 「沙里は少し焦りすぎだよ。こればっかりは授かりものだから気長に待とう?先輩のところも半年は出来なかったって言ってたし。」

夕飯を食べながら源次に言われた。焦ってはいけないことは分かっていたがきっと生理が来るたびに私の態度に出ていたんだろう。


 次の日、職場で

「娘が妊娠したみたい!私もお祖母ちゃんになっちゃうのね~」

と、47歳のパートの増田さんに報告された。他の職員さんも既にお孫さんがいる人もいる。

「おめでとうございます!お祖母ちゃんには全然見えないですよ!」

などと話していると

「本当よね~私の孫じゃなくて娘だと思われちゃうかも。…私の娘は沙里ちゃんより2歳年下なのよね、沙里ちゃんも早くお母さんに孫の顔見せてあげないとね!」

「沙里に赤ちゃん出来たら私と呑みに行けなくなっちゃうから~」

増田さんの発言の後に優実が笑いながら話に入ってきた。きっとお節介なことを言われそうになったのを感じ取ってくれたのだろう。


 休憩が一緒だった優実とお茶を飲みながら色んな話をした。あえて、私の妊活事情には触れずに晃君との些細な喧嘩の話、晃君のお母さんにやっぱり結婚を反対されていること…などなど。

 その後の仕事中も増田さんは娘の妊娠の話ばかりであったが、当たり障りなく受け答えすることができたと思う。


 帰ってからなんとなく自分の母親に『お母さんも孫の顔早く見たいと思う?』とメールをしたらすぐに、『そりゃ見たいけど、授かりものだからね~』と返信が来た。そのメールにはあえて返事をしながった。









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