初診
やっと病院に行こうと思ってた日が来た。
「気を付けて行ってくるんだよ。本当は一緒に行きたくて仕方ないんだけど…」
「もー源次は仕事でしょ!終わったらメールするから!パパは仕事頑張ってきて。」
「絶対すぐにエコー写真送ってくれよ。」
源次を送り出し少し経ってからバスで少し行った所の産婦人科へ行った。待合室には既に沢山の人が待っていて中にはお腹の大きな人もいる。尿検査をした後に長い待ち時間を経てやっと名前が呼ばれた。少し年齢のいったベテランそうなおじいちゃん先生がいる。
「深田さんね、尿検査の結果は確かに陽性です。最終月経からして今はちょうど6週に入ったところだね。エコーで赤ちゃん見えると思うし早い人なら心拍も分かるかも。」
そのまま内診台に座る。女性なら分かると思うが、何度経験してもこの内診代には慣れないものである。器具を入れられ、斜め上にあるモニターを観る。
「ここが子宮の中何だけど…んー胎嚢が見えないのだよな…」
画面の中の子宮の中には何も映っていないのは素人の私にも分かる。
「先生、それは妊娠してないってことですか?」
「いや、尿検査では陽性が出ているし妊娠はしていると思うよ。出血も無いし、もしかしたら、排卵が遅れてまだ見えない時期なのか、または最悪の場合、正常妊娠じゃないのかも。」
内診を終え隣の診察室で先生の話を聞く。
「外妊は確率も低いし、5日後にもう一度来てください。もしかしたら、その時に胎嚢が確認出来るかもしれないから。」
お会計を待っているときに源次に『まだ、赤ちゃん見えないらしい。5日後にまた来てって言われたよ。ごめんね。』とメールを送った。赤ちゃんの姿が見えると思っていた私は、何も考えられなかった。源次からは『謝らないで欲しい。次は見えるよ、ちょうど休みの日だし一緒に行こうね』と返事が来ていた。
次も見えなかったら…?と思うと怖かった。家に着いてからネットで色々と検索した。悪い記事は見ずに胎嚢が見えなくて不安だったけど遅れて見えたという記事が沢山あることに少し安堵した。
源次が帰って来て、
「胎嚢?っていうのが初めて受信したときには見えなかったけど次行ったら見えた人とか、見えるまで遅かった人とか結構居るみたいだよ!」
源次も不安になり同じように検索してくれていたようだ。同じ記事を見たことを少し笑ったのと、少し大丈夫な気がして来た。
うん、きっと大丈夫。




