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ネガティブな俺、異世界転生して食通になる  作者: ちかず
第1章 サラディーナ国
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ヘルベルトと出会う

はー、誰もいない街って。。。

この変わった塚風の家…本当は、住民がいないとか。

やめー。俺、オカルトダメなのに。

あー、怖い。

だってさ、もう1時間以上一人きりだし。

「こんにちは。」とか、ドアを叩く勇気なんて絶対ない!

おーい。コンピュータ。

。。。

はー。やっぱりだめかぁ。

役立たずだな。

詰んだ。。。


あっ。何か、いい匂いする。

家のひとつから、匂いがして来た。

つい、つられて覗くと、

男の人が誰かに向かって、怒鳴ってる。


「どーするんだよ!こんなでは店は開けない。

ましてや、ミルは。。。

今、この街に医者も薬屋も無い。

小さいミルがこのままでは、もつ筈もない。

どうしたら。。。」


大柄な男性が頭を抱えている。

側に優しそうな女の人が小さい子を抱いて泣いているよ。

具合が悪いのかな。

風邪か?

まぁ、こんなに空気が乾燥しちゃな。

考え事してて、男がこっちを見たのに気がつかなかった。

「何者だ!そので何してる!」

お腹に響く怒鳴り声に体が震えた。

もちろん、逃げるのも忘れ固まる。

男は、家から飛び出して来て、俺の首根っこを掴むと家に連れ込んだ。

や、ヤバイ。不審者決定!

あぁ、せっかく牢屋から出たのに逆戻りですか?

はー、もうため息しかでないよ。


男が、俺の事をジロジロ見る。


「そうか。

お前、異邦人だな。

なんでうちを覗いていた。

目的は何だ。」

おー、また怒鳴られた。

怖いです!声が出ないヘタレです。

すると、

怒鳴る父親に驚いたのか子供が泣き出した。

赤い顔して苦しそうだ。


【ピーン!お知らせです!

この症状に効くのは、ススルの葉を煮てトムトムと合わせる。

薬効は、解熱、体力回復、脱水症状改善になります。】


はい!来ました!

ちっとも場を読まないコンピュータ登場!

そして、当然俺の口が勝手に情報公開中。。。

ヤバイじゃん。

お父さんは、めっちゃ睨んでる。

「一体、何が目的だ。

俺たちを騙すつもりだな。

やっぱり異邦人だな。」


何て?あのねー。

流石の俺も無実の罪とか、黙ってられん。


「あのね。騙して俺に何の得があるの?

この世界でもらった唯一のチートだよ。全く役立たずだけど。。、

ピンチを招くなんてわざわざやらないよ。

それでなくてもピンチばっかなのにー。」

むーっとした顔で腕組して言う。


「ほんとなんだな。。。。。。わかった。

信じてみる意外ないしな。

もし嘘ならお前の命で贖ってもらう。いいな!」

おー、出た捨てゼリフ。

テレビで何度か見たね。

男の人は、それからどこかへ飛び出して行った

残されたのは、お母さんらしき人と泣いてる子供。 苦しそうに泣いている。

可哀想だな。。。

そうだ。熱とかあるなら。。

「おデコと脇の下を冷やすといいよ。少し楽になるから。」

女の人は、少し困った顔で頷いて、子供をベットに寝かせると俺の言った通り動き出す。


しばらくして、男の人が帰って来た。

俺の言った材料を持ってきたみたい。

急いで台所で作業中。


おい、コンピュータ。

大丈夫だろうな。

あぁ、なんでも情報公開するクセやめたい。。。

それに、すぐ切れるクセも。

言い返さなきゃ良かった。

あー、

自己反省中の俺の横で、バタバタと子供に薬が与えられ、ぐずりながらも何とか飲み込む。

その場で劇的な変化は無い。当たり前。

薬だもの。


さあ、尋問再開!

「お前は、どうして釈放された?

異邦人の尋問には普通1週間かかるのに。

何をした?」


全部説明しました。

今更隠す事もないし。

男の人は、考え込んでる。

しっかし、太い腕だね。あれで殴られたら一発よ。

。。。


しばらくして、女の人が呼びかけた。

「あなた!ミルが。」

男の人もベットの側へ。

おー!顔色が少し良くなった。

あー、良かった。

だけどね俺の命の方が、よっぽど危機だったよ。


ベットの側で娘さんの頭を撫でていた男の人が立ち上がって俺の方を見た。


「異邦人、ありがとう。

娘の病に効く薬もなく、苦しむ娘を見るのは辛かった。

そこへお前が現れた。

不可思議な情報を持って。。

いったい、お前は何者だ?」


おー!初めて何者?ってテンプレ聞かれた。

おっ?なんて答えればいいの?

うーん。


【ピーン!お知らせです。答えは食通人間】


「食通人間だ。」

やったー。またコンピュータめ〜!

キョトンとする男を見ながら、肩を落とす。

よりによって、食通とか何?

ミシュランガイドでも出すの?

はー。


「食通って何だ?」

少し間の抜けた男の声に顔を挙げると、ようやくピンチが去ったのがわかった。

男の顔に、微かな笑みが浮かんでたから。


その夜、ヘルベルト)の家に泊めてもらう。

あまりに疲れていて実は、安堵からまたブラックアウトしたのだ。


なんでー。平和に寝たい。


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