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行き着く先は生か死か  作者: yudarium
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第2話

 洩れそうだなぁ、トイレに行かないと?ん?


 天井。自分の部屋だよな。さっきのは夢か。なんか変な夢だな。取りあえず起きちゃったんだし時間確認しよう。現在時刻は、


「ああっ! 寝坊してる!」


 完全に寝坊だ。いつもの電車が出るまで後30分もない。まずい、まずいぞ。


「おっ! 起きたの、直奈?」


 救世主だ! 叔母さんに駅まで送って貰えれば間に合う。


「おはよう、叔母さん。急で申し訳ないんだけど、僕の事を駅まで送ってください!」

「えー、うーん、どうしようかなー」

「お願いします!」

「分かった、今日休みだし送って上げるよ」

「ありがとうございます!」

「後10分で出るからね」

「分かった!」



 無事に電車に乗り込めた。良かったぁ。今日は単元テストあるからどうしても早く登校したかったんだよね。


「はふぅ」


 ついつい安堵の息が出ちゃった。見られたら困る物でもないし別に良いか。

 それより、やっと馴れて来たこの視線だよ。なんで平日にランドセルを背負っていない明らかに小学生の見た目をしたやつが電車にいるんだというね。その気持ちはよく分かるけど、もし僕が本当に小学生だったら辛いと思うよその視線。


 そんなことを思いながら電車に揺られていると降りる駅が来た。降りる時に優先されちゃうとなんか申し訳なく感じるよ……


 自分の教室に着いた。僕の机は勿論最前列。後ろにいても身長の問題で黒板が見えないからしょうがないのだ。


「す~なくん、おはよう!」


 少し馬鹿にしたように話し掛けてくる彼女は玲奈。中学校からずっと同じクラスである。彼女自身、全体的に幼い体をしている為、事情こそ違うが、僕に親近感を抱いているそうだ。


「おはよう、玲奈」

「うん! そういえば今日テストでしょ? 今回こそ絶対に負けないからね!」

「へ~、毎回言ってる気がするけど楽しみにしてるよ」

「余裕でいられるのも今の内だもん」


 最初の授業が単元テストだ。チャイムと同時に始まる。


「それでは、始め!」



 50分後、クラスの至る所から「解放された~!」などという声が聞こえてくる。このテストが終わったから、後4日で夏休み。皆が浮かれるのはよく分かるし、僕も嬉しい。


 ちなみに今回のテストは、僕と玲奈!両方が97を取った為引き分けであった。彼女はなんとも言えない表情であったそうだ。



放課後



 僕は掃除を終えると直ぐにいつも通り、僕の足でも徒歩5分程で着く図書館に向かっていた。

 中に入り、本を取りに行く為にいつもの席に荷物を置こうとするとある違いに気付いた。


「あれ? 誰かこの席使ってる?」


 今まで毎日のように来ていた図書館だが、この席が空いていない事は初めてだった。だから、つい大きめの反応となってしまったのだ。

 仕方が無いから、他の席を探そうと後ろを向いて進むと直ぐにぶつかった。


「ふぁっ」


 相手の方が大きかった為僕が倒れてしまった。


「だ、大丈夫ですか?」

「え、あ、かわいい」

「へっ?」


 今僕なんて言ったんだ。かわいい……って何を言ってるんだ。初対面でこんなことを言うなんて。ぶつかつた人が手を出したままで固まってるよ。可哀想だから自分で立とう。


「ごめんなさい! あれ? でも、本当に可愛い!」


 凄いぞ、この子。茶髪のボブヘアに蒼の眼、すれ違ったらもう一度見てしまう程に整った顔。体に関しては黄金比にすら見える(慎ましくない胸も含めて)。


「え、何を言ってるんですか? き、傷あるんですよ? 私、顔に」

「そんなの気にならないですよ~」


 さっき言わなかったが彼女は左頬から首にかけて傷痕があるのだ。しかし、それをもってしても彼女の可愛さに影響を与えていない。


「ほ、本当ですか?」

「はい、本当ですよ?」


 急に彼女は顎に手をやって何か考え始めた。


「では、私と付き合ってください!」

「え?」

今なんて

「私と付き合ってくださいと言いました!駄目ですか?」

上目遣い、だと。美少女のこれをラノベなどで聞く物より圧倒的な破壊力だった。

「駄目も何も、なんで初めて会った僕なの?」

「少し長くなるかもしれませんが良いですか?」


溜めていた訳ではないので、やっぱり安定はさせられそうにないです。

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