第14話
上手くまとめられず、変なラストになってしまいましたが、お付き合いください!
シュネは茫然としていた。それも彼女の過去を、直奈が彼女の為にやって来た事を考えれば当然の事だろう。
シュネは直奈を唯一無二の存在であり、欠けてはならないと考えていた。直奈が彼女の傷を気にせずに接したということは、その人生に大きな影響を及ぼしのだ。
シュネという少女との出会いは直奈を変えた。お互いを変え合ったのだ。
直奈は昔から努力の天才であった。自分の目標を設定するとたとえそれが不可能に思われる事であってもやり抜いた。実際現実は厳しいもので、全てを達成出来たわけではない。それどころか届かなかったものの方が多かっただろう。それでも、直奈は明るく、優しい周囲の人間に認められる、親しまれる存在であった。
しかし、それも12歳が境目となって変わってしまった。最初は少しおかしいという気懸かりであったそれは次第に大きくなり、彼の精神を蝕んでいった。一時期部屋に閉じ籠もりかけたことさえあった。周囲の人間は、良き理解者が多かったことも相まって、彼はなんとか耐え抜くことが出来ていた。玲奈の存在もあっただろう。自分から好意を抱いていたこともあってか、日常的に気にかけていた。それでも、『なんとか』だったのだ。『余裕』で耐えていたのではない。何度も彼の心は重い衝撃が走った。
そこに神が図った如き出会いがあった。苦しみや悲しみといった負の感情の泥沼に足を踏み入れ、抜け出せないでいた彼にシュネは力強く手を差し伸べたのだ。
本人達はまるで気付いていないが、お互いに影響を及ぼし合っているのだ。ここで現在形となったのは、現在進行でその状況にあるからだ。
現在。
依然として、シュネは立ち尽くしていた。思考は働くことを止め、感覚は直奈が残した僅かな温もり以外を拒絶した。このままでは、誰かが話し掛けるなど様々なことが予想されるだろう。
しかし、苦労をしてきた者を見捨てたりはしなかったようだ。閉店の時間も近付き始め、周りが閑散としてくる中悲観に暮れるシュネの前に雪とはまた違った光り輝く何かが舞い降りてきた。
どんどん増えるその何かは、シュネに温かい何かを感じさせた。
それらは舞い降りていながらも、あるものを形作っていた。輪郭がはっきりし、色がはっきりしてくるとシュネは呟いた。
「直奈くん?」
この時直奈は意識、感覚など手放したものたちが再び自分に戻ってくるのを感じていた。そして、耳に届いた彼女の声。それに対する反応は抱擁。
「直奈くん、随分大きくなったね」
「そうだね! 服は買っておいて正解だったけど、少し小さいかな?」
直奈は戻っていたのだ。いや、12歳以降の姿は誰も見ていないから、急激に成長したというのが正解だろうか。
「年相応なのかな?」
「格好良すぎるよ、直奈くん!」
「ありがとう! ん? この音楽ってことは閉店か」
「さっき放送もあったんだよ?」
「さすがにそれは分からないなぁ」
「今日は手繋いで帰ろ?」
「うん、これでやっと普通のカップルに見えるかな?」
「直奈くん格好良すぎるか見えないかもよ?」
「シュネが可愛すぎだからなぁ~」
2人は今、突然手にした幸運をその繋がれた手の中に握りながら帰るのであった。
人生初の作品ということもあり、誤字脱字、文法ミスに始まり、文構造など様々な拙い部分がある中でここまで読んでいただきありがとうございます。
本当に感謝しきれないです。当初の目標であった読者の方も合計で三桁に達しとても嬉しいです(*´∀`*)ノ
本当にありがとうございました!




