真 4 質問と提案、そして告白
ブクマ16件、ありがとうございます!
そういえば普通はいつ作業するのでしょうか。私の場合時間がない(というか早く寝たい)ので午前3時~5時位にやっていますが。
5/20大幅に修正しました。この頃は全く推敲して無かったので自分でも読みにくい文だと思います……
ちなみに今は昼間とかに執筆しています。
サブタイトル変更
あれから十分ぐらい叫び続けて、イアさんに、
「とりあえずベッドから出ましょう」
と呆れの混じった声で言われて、ようやく落ち着いた。
……その後、よくよく考えてみたら自分が「女」ではなく、「幼女」とでもいうべきものになってしまったことに気が付き、更に絶叫したが。
今は、同じ部屋……ベッドとロッカー、机と椅子が置いてあるぐらいの必要最低限を追求したような部屋だ……の中で二人で椅子に腰掛けている。
この部屋だけを見ると、そんなに豪勢な家ではなさそうだが、置いてあるものは全て上質で、ベッドは柔らかく、椅子の座り心地も最高だ。少し机の上に物が多いことと、周りの物が全てアンティークとでもいえるような年代物の雰囲気な所がまさに中世の西洋って感じで、好奇心を抱かせる。
しかし、それだけならヨーロッパのどこかにでもありそうな部屋だが、そんな考えは窓の外の光景で完全に否定される。
辺り一面に森が広がっていて、奥の方には日本の平均的な山よりも明らかに大きいサイズの木があったり、更にその奥にはそれの数倍か、それ以上の山脈が頭に雪をかぶって連なっている様子は、しみじみ異世界に来たことを実感させる。
ああ、因みに服は何故か最初から着ていた。まあ裸に白いワンピースだけだったが。あの神の計らいだろうが、女、いや幼女になっていることなど、あの場でしっかり説明できたのではと思う。本当にこの体に関しては神の悪戯とでもいうべきだ。
ということで、裸ワンピで過ごすわけにも行かないので、下着はイアさんのを借りた。この世界の魔法は高性能なようで、全ての糸に魔法による加工を施されているパンツは伸縮自在で、この体にもしっくり馴染んだ。
え?パンツ穿くときに何かを失うような感情が湧かなかったかだって?
……何も湧かなかった訳ではないが、男として大切な何かを失ったとか、そんな感情は湧かなかった。驚いている自分がいると同時に、反対に冷静になっている自分もいる。
俺の予想では単に俺の中での「女になった」という衝撃が強すぎて、「女としてパンツを穿いた」という方の衝撃がなくなってしまったのではないかと思う。流石に生理とか、生理現象とかは何か大切なものを代償とする気もするのだが……。まあ、前者は年齢的にまだだろうし、後者はまだなってないから良しとする(要は先送り)。
未来の自分よ頑張れ!今の俺は今を楽しむ……と言うか今を生きるだけさ!
……それにしても、この体になってからまだ一回もムラムラしたことないなー。幼女がムラムラって尋常じゃないほどの犯罪臭を感じるけど……まあそれも年齢のせいだろ。……そういう体つきになった時が恐ろしいが。ビッチとかそういうのになるのは嫌だし、そもそも野郎と一緒に寝ること自体生理的に無理だ。攻め込まれたことない鉄壁の名城として生涯を終えよう。
閑話休題。
ところで、今はイアさんの計らいによっていくつか質問をさせてもらっていた。
「そもそもこのステータス?魔法ってだれが作ったんですか?」
「ああ、私が一憶五千ま……コホン、確か数十年前に作ったものだと思うわ。」
なんか明らかにおかしい言葉が混ざっていた気が……ぐは!イアさんから途轍もない殺気を感じたからこれについては考えないでおこう。
だが、そんなこと……と言っても興味があるが……より驚きなのは、
「ステータス魔法、イアさんが作ったんですか!?」
「そうよ。以前この世界に召喚された勇者が言っていた、
『自分の能力を数値化すると同時に数値化できないような称号とか、加護とかのetc.も文章に変換するステータス魔法が欲しい』
という言葉をヒントにして、独力で数万ね…いや、数週間かけて作り上げたのよ。使い方は、まず一となるものを設定する。基本を一としってところね。そして誰のステータスを開示するか「彼の」を変えて選ぶの。
この魔法は細部にまで時間かけたなぁ。この世界の言語すべてに対応させて、新しい技や言語、スキルとかが出て来た時に対応できるように、簡易的な思考能力を兼ね備えてる人工知能も術式に搭載したし、ハラスメント目的で使うやつが絶対いるから、無詠唱では開けず、使用者が最低限『周りがしっかり聞き取れるくらいの音声』と認識している声で詠唱しないと開けないようにしてるの。しかも開示させられる人が嫌なら、『レジスト』とか、その人にとって『拒絶』を意味する言葉を言うか考えれば簡単に完成しなくなるから。私の自信作よ。」
すごいハイスペックすぎだろ……てか魔法に人工知能とか搭載することできんの!?何かよくわからんけど凄さを感じる……でも魔法のことはよく語るな、イアさん。魔法好きなのかなぁ。
……ああ、ステータスといえば、《理解》でステータスについて調べるのは少し後にした。いつでもできるからね。
そしてこの話の後、この世界の基礎的なことを聞いたので、簡単にまとめよう。
・この世界の時間の単位は、幸いにも日本と似通っていて、ほぼ長さも一緒だったので、これからは秒とか前の世界のままに頭で変換するようにした。結果わかったことは、この世界の一日は長く、約三十時間ぐらいある、ということだ。……これ、先に召喚された勇者とかは大丈夫だったのかな……
……と思ったのだが、勇者召喚時に所謂『チート』として驚異的な環境適応力を手に入れるので問題ないらしい。
・長さの単位はややこしく、約一.三センチメートルでこの世界の一ウ?(発音がそう聞こえる)という単位になるらしい。たしか百倍するごとにウル、ウルラとか増えていく感じだったと思う。こっちも面倒臭いし基本的には脳内で大まかに変換するとしよう。
その後長さや大きさについて質問を重ね分かったのが、『この惑星は地球よりも直径にして二倍位大きい』ということだ。
当然重力もそれに比例したものになる……と、思いきや、なんとこの惑星全体に誰が掛けたか『重』の力で重力軽減魔法が掛かっており、地球と比べても精々一割増位にしか感じない。何か魔法チートくさくないか?
・そんな大きな魔法がかかっているのなら、そもそもこっちの人類は何時からいるのか、という疑問が湧いてくるだろう。そしてその問に対してのイアさんの返答は、『少なくとも二億年前からはいる』という物だ。イアさんってやっぱ二億さグハァッ!殺気が……殺気が!止めて!本当に……
〜しばらくお待ちください〜
……コホン。気を取り直して魔法について言おう。過去に直径約四キロメートル級(三十ウルラ)の隕石や、大規模な地殻変動、氷河期の到来などもあったが、その都度、その時代の超人魔法使いが狂気すら感じる超巨大魔法を打ちなんとかしてきたという。
要はこの世界、魔法打っときゃ何とかなるという脳筋思考なんだな……実際それで何とかなってるのが恐ろしいが……。
・『勇者がこの世界に召喚されたことがある』と聞いてもしやと思ったが、俺のように召喚時に性転換してしまったことは過去にも全く例がないようだ。何で俺だけ……。
しかし、この世界の所謂漢女のような人が界渡り(注:界渡り≠異世界召喚。詳しくは世界観説明で)して、ぴちぴちの美少女になって帰ってきた例はあるようだ。元々が二メートル級の巨体だったので、周りには最後まで認められなかったというが。この場合ナニも外れてたというが。
・お金の単位に関しては、まずそれぞれの世界の相場が前提として違う……つまり、金本位制の様に二億年間、或いは地球とこの世界間で共通の基準が存在しないので、安易に日本円に置き換える行為はできそうにもない。
更に言えば、二億年間で通貨は一億個位存在するので(場所によって流通している通貨が違うのでそれも考えて。現在流通している通貨は覚えてないらしい)、少なくともあちらの世界の物差しで測ることはできないだろう、ということだ。
……これくらい話したところで、唐突にイアさんが提案をしてきた。
「どう?あなた私に弟子入りする気はない?一人前になるまでこの世界の常識、そして生き残る強さを教えてあげるけど」
不意に提案されたので驚いたが、こっちとしては願っても無い様な提案だ。しかし、都合がよすぎて少し裏がないか気になってしまう。
「命の恩人を疑うのも何なんですけど、こっちに都合良すぎて裏無いか気になるんですけど……」
でも、お高いんでしょう?って事だ。こういうのは早めに条件とかそういうのを聞いた方が後で後悔しないと思う。ましてや、今回は自分の人生の大きな分岐点だ。異世界で弟子入りして頑張るか、一人旅をするか。どちらかというと前者の方が俺はいいけど。
「あははは!裏ってそんな大層なことはないわよ!まあ一つだけ条件があるけどね。それについてもちゃんと全部言うわ」
やっぱ裏がないのはいいな。俺はそんなこと考えるの苦手だし。
……でも、裏とまではいかなくとも、条件があったのは確かだ。気になる。
「どんなものなんですか?」
「あのね…私と私の友人六人を…」
「殺してほしいの」
俺は武術の達人では無い。魔法とか、そんな物も今はまだ知らないし、使えない。そして、そもそも漫画とかに出てくる強者でもない。
……それでも、そんな俺でも、その瞬間、確かに場の雰囲気が変わるのを実感していたのだった。
5/20無駄に長いので後書きも修正。※文頭を一文字下げたものと無いものがあるのはスマホでの修正のためです。いずれ修正します。
重かった!超重かったよ!……って感じの条件ですね。
でも、後で書きますが、しなければ呪われる様なアカン系の条件ではありません。ゆるゆるです。
実際イアは条件達成出来ればラッキー程度にしか考えてないのです。例えるなら宝くじを引く感じでしょうか。




