真 12 修行二日目 2
98ptありがとうございます。かゆいところに手が届かない感じで逆に執筆意欲が掻き立てられます。
二日目のグダグダはまだ続きます。もう少しだけお付き合いください。
ストックないので不定期についてはご容赦ください……。
そういえば作業曲として魔王になったら領地が無人島だったに載っていたr-type final ボス戦(生物系)を使いましたが、これ優秀すぎます。
「終わった……」
異世界で修行して二日目の朝。慣れないスケジュールに戸惑いながらも俺は五時間の魔循環を終わらせていた。今ならいくらでも魔力を臨界状態に出来るし、無意識化で行うことも可能だ。五時間の修行は伊達じゃないぜ……。
しかし、それを感動する暇なく次の修行、「お勉強♪」が始まる。表面上の名前で色々と誤魔化しているものにはいいものがないという法則に盛大にあてはまっており、丁寧語とか音符とかを付けて誤魔化しているが、その実態は常に全身に最上級の筋肉痛と内臓痛、頭痛等をかけながら《完全記憶》と《理解》に頼ったお勉強という名の地獄であり、正直いうと下半身の愚息の玉を殴られた方がマシかもしれない(男にとって最上級の痛みの比喩表現である)。あれはあれでやばいが。
しっかし百年魔循環といい、「お勉強♪」といい、普通の人なら廃人決定のはずなんだけどな……。最近痛みの基準が可笑しいな。「お勉強♪」の最中の痛みなんか日本では経験したことにないような痛みのはずなのに界渡りとかよりはまだ余裕で耐えきっちゃってるし、俺の中から「人間」が失われて行ってるのは気のせいかな……。
そんなことを考えながら「お勉強♪」をする場所に行く。一瞬でなんか予備校の教室のような前に黒板のある清潔な感じの部屋に出る。しかしながら椅子などは凝っているらしく、パイプ椅子なんてことはなく上質で背筋が伸びそうな椅子の上にチャイルドシートのようなものを置いて座らせられた。昨日もここでやったがイアさんの外から見るとお洒落なログハウス風の家のどこにこんなスペースがあるのか不思議でしょうがない。聞いてみたら、「亜空間を作った」だそうだ。もう何を言われても驚かないぜ。
さて、「お勉強♪」は全部で六時間やったのだが、昨日全身に負荷をかけて体を鍛えていたお陰で身体のスペックが上がり繊細な魔循環でも引き延ばしの最大が増えたが、それ以外の時間は更に引き延ばせるようになったらしい。
と、いうことで!!
「また六時間が始まる……」
心休まるのは間にある昼食の一時間だけだ。こんな仕打ちなら漫画のセリフの一つぐらいしゃべってもいいだろう。
「やれやれだぜ……」
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さて、負荷が一気にかかってきた。痛みには慣れたが気怠い感じはどうやっても取れない。例えるなら常時風邪に近い状態、というところだな。しかし、そんなこちらの体調も気にせずイアさんによる授業は始まる。今日やるのは魔法について。普通の授業では語りつくせるわけがないような内容だが、生憎こちらは二百四十年も時間がたっぷりあったりする。まあ、魔法についてはこちらも興味があるのでしっかり聞こうと思う。聞かなくても無意識で《完全記憶》しておけば全部覚えてしまうわけだが……まあ気分の問題だ。
「魔法とは……で……干渉するのであって……」
簡単に要約すると、二億年の人類による魔法の解釈の集大成は「邪」などの例外もあるが「魔力を使って現実世界に干渉し、事象を起こす」という一言に尽きるらしい。イアさんもこの考え方を支持している。ちなみにこれはあくまで一番有力な考え方なだけであって、他にも「我々のいる世界は最初からゲームの中で、魔力を使って我々のいるゲームの世界からこの世界を創った創造主に干渉して事象を起こしてもらう」の様なユニークな考え方もある。俺としては剣と魔法の世界なんてゲームの中でしか見たことがないので、そっちの説も正しいのではないかと考えてしまう。
ここで重要なのが干渉の仕方だ。干渉の仕方は大きく分けて二種類で、直接魔力を干渉させる方法と魔法陣などの入れ物に魔力を注いでから干渉する方法の二種類がある。詠唱魔法は後者だそうだ。前者は脳のスペックに問題がなければ瞬時にいろんなことができるが、大きなことをするのには向いていない。逆に魔法陣は複数人で魔力を注ぎ込んだり、時間をかけて魔力を注ぎ込んだりする為、利便性はあまりないが、威力や範囲などは前者を大きく上回る。基本的に罠などとして作らない限りは戦闘では即席で作成するほうが使われている。
後、途中で気になって聞いた話によると、こちらの世界では魔術師に重火器を向けることは自殺行為といわれている。理由は簡単で、どんなに弱い魔術師でも物体の力の大きさや向き、更には熱などにも干渉する「振」という属性の劣化版である「反」という属性を標準搭載しているからだ。
この属性は任意で常時バリアを張ってくれる。これに銃弾が当たった瞬間、銃弾は来た時の勢いのまま銃口に戻っていき、大抵の場合それで銃撃をしたものを殺す。流石に弱い魔術師なら百発ぐらい打ち込めば魔力が切れて殺すことができるが、逆に言えば弱い魔術師でも百発は打たないといけないのだ。宮廷魔導士や、賢者などといわれている者の中には核爆発のエネルギーに指向性を持たせ、爆弾を落とした国に全部打ち返して壊滅させたという逸話もある。
簡単に人類を分けると、
人 | 人外
平民 | 魔術師
王族 | 魔物
貴族 | 邪神
そう、魔法使いとは魔物とか人外の括りに入れていいレベルの生命体なのだ。こちらの世界には、「剣や銃をそろえる金があれば全部はたいて魔法使いを呼べ」という兵法の格言もある。今なら隕石とか氷河期を止められたのも納得である。だってこの惑星で人間が生きることが出来るのも重力を軽減した魔術師のおかげなんだし。
そんな感じの説明を三時間続け、休憩を挟んだら同じぐらいだけ数学の暗記をさせられた。これが魔術師同士の戦いでは非常に重要なのだという。14桁×14桁なんてどのように覚えたか記憶が飛んでる。《完全記憶》仕事しろ。
さて、そんな感じで「お勉強♪」が終わった後は戦闘訓練だ。今日はなんと魔法を使う!
やっぱり異世界でやってみたいことの中で必ず上位に来るのは魔法を使うことだし、今から興奮が抑えられない。考えてみれば今まで魔法をかけてもらったことはあったが自分で使った魔法といえばステータス魔法ぐらいだしな。
期待に胸を寄せながら戦闘訓練は始まるのであった。
ちょっと説明会見たくなったかもしれません。次は予定では「王」を挟んで魔法の回です。お楽しみに!
ここまで読んでもしやと思った人がいるかもしれませんが、筆者はSではなくNですのであしからず。目覚めてなんかいませんし、これからも予定はないです。
ちょっと真に辛いことさせ過ぎたかもしれませんが……
4/14王5の文が自分で言うのも何ですが酷すぎなので一時削除しました。後日添削したものを再投稿する予定です。
4/14再投稿完了しました。これからもよろしくお願いします。
4/15詠唱魔法を入れ物に入れ干渉する方の括りに入れました。




