真 7 一日目終了
気が付いたらめっちゃ書いてました。今まででぶっちぎりの一番。これなら5,6時間あれば一万文字行けるかもしれません。
盛大に見切り発車です。この回は修正は言ってもしょうがないと思います。特に最後の方。
真 3のステータス部分の「聖人」を、「聖人(適正)」に直しました。
「弟子になったところで、最初に軽くあなたに対して忠告しておくわ。」
「???」
なんだろう。あれか?これから先はもう戻れないぞ的なやつか?いや、それなら弟子にする前に言っているはずだし…
「あなた、人のことを信用しすぎ」
そう言いながら、イアさんは不気味な笑顔でニタァと笑った。ああ、殺される。その顔を見た瞬間瞬時に察した。そして、俺に向けて魔法陣らしき幾何学模様を瞬時に組み、何かを発射…なんか思考が鮮明になってきたぞ。もしかすると、俺は嵌められたのか?でも、イアさんがそんな人には見えなかったし…いや、この思考の速さは恐らく、走馬燈だ。ほら、昔の黒い歴史の一ページたちが手を振ってやってくる。アハハハハッ☆、ウフフフフッ…じゃない、ギャーーー!
っと、気づいたらもう発射された何かは頭の目の前だ。当たった瞬間俺の脳漿をブチまくだろう。助からないだろうな…。短い転生…いや、正確には転移人生だったなぁ。
そして、イアさんのはなった何かが俺の頭を穿…
…かなかった。あれっ?どういうことだ?確かにイアさんが笑うところを見た気がするが、現実にはイアさんは普通に座ったままだ。しかもさっきと同じ体制、同じ表情で、だ。しかも走馬燈は何だったんだ?もしかして、スキルにある、《思考加速》かな?いや、でも現に歴史たちは手を振ってやってきたし…
「無詠唱での『光』古代級中位だっけ…の幻影投影魔法で映像を見せて、『振』を利用して音を『作った』のよ。簡易的だったから少しイメージが甘くて適当だったけど、引っかかったかしら。」
俺があっけにとられていると、イアさんは説明をしてくれた。属性についてよくわからんから、あまり理解できなかったけど。あれっ?俺って《理解》持ってたはずじゃ…パッシブスキルじゃないのかな…。
…というか。
今の幻影!?しかも音も偽物!?!?
「今の君は油断しすぎだわ。きっと前の世界では純粋か馬鹿かのどちらかだったのね。まあ、この世界にきて間もないこともあるけどそれでもことが起こってからでは遅いわ。だから今のうちに戒めておこうと思って…あなたは今はかわいい女の子なのよ。この程度に引っかかっていたら、この世界では一日目でだまされて奴隷の首輪をはめられ、二日目で下種に買われて、三日目で不幸な生涯を終えるわ。まあ、あなたを見たら、本物の下種はともかく、女にはおもちゃにされて、男は全員紳士的になるかもしれないけど。ともかく初めてあった人は、無条件で警戒すること。どんなに外面がよくてもね。」
この人絶対何処かで騙されたことあるんだ。そうじゃないと、この鬼気迫るような表情は説明できないもん。…というか、走馬燈で見えるものが黒歴史って、ちょっと俺可笑しくないか?
「後は…どんな困難があったとしても諦めないで。あなたは力を持っている。でも、それと同時に同じ量の絶望も生み出せる。それは、自分のものでもあり、知らない人のものでもある。私の予測が正しければ、あなたは少なくとも一度絶望する。原因はわからないけど。そんな時、自分に負けないで。あなたに責任はない。それだけは言っておくわ。」
んー。意味深な言葉だけど、聞き捨てならないなー。一度この異世界に絶望するって?しかも他の人を巻き込んで?まあ、深く考えずに、修行の厳しさに対する釈明と受け取っておこう。
…深く考えなかった俺だが、そのことを今でも後悔している。うん、あれはフラグだったんだ。まさか自分でフラグを立てることになるなんて…この後想像以上の絶望を見ることになった。
…修行で。
それはさておき、イアさんの言葉は続く。
「警戒と、自分に負けないこと。この二つは絶対に忘れないで。できれば守って。忠告は以上よ。」
俺はイアさんの言葉にしっかりとうなずくのだった。
「さてと…忠告も終わったところだし、これからの方針でも言いましょうか。簡単に順を追って述べていくと、まず最初に『器合わせ』。その次に、武術全般と魔法全般、そして学問全般を鍛える。その次もあるけど今教えられるのはここまでだわ。」
器合わせ?ラノベとかに時々出てくるMPの量を増やすみたいなあれか?
「器合わせ?」
「MPをほかの人と混ぜて、適性があればMPが他の人と同じ量になるって感じだわ。まあ、適性なんか普通何百万人に一人しかいないんだけどね。…しかもそれ相応の時間と苦痛があったりするけど。幸いにも、あなたは私に対する適性がありそうだし、あなたは『界渡り』を経験しているからね。」
へー。苦痛か。界渡りよりきつかったりするのかなー。あれっ?大事なことを見落としてる気が。でもイアさんに対する適性があったのは僥倖だなー。
「大丈夫。あなたの経験した界渡りよりきついものは殆どないから。」
なら大丈夫か。ちょっと疲れて来たけどまさか今すぐやるわけじゃないよな…
「そういえば、いつやるんですか?」
「器合わせは現実ではそんなに時間がかからないけど、あなたも無理矢理連れてこられて疲れてるでしょ。今日は休んで、また明日にしましょう。」
…イアさんマジ感謝。この人最高だわ。天使だわ。誰だ、脳筋とか言ってたやつ。
この後、夕食を食べさせてもらった。若鳥のようなお肉を焼いたものとか、おしゃれなサラダ(なんかクリーム色のドレッシングが掛かっている)とか、自家製パンとか…一つ一つのレベルが高い。そのくせ味付けは極上で、ありがたくいただかせてもらった。
後は…ついにトイレに行ったぜ。あんまり地球と変わらない洋式だったけど、洗浄、消臭、浄化、すべて魔法で行ってるようだ。文明レベル高くね?とか思ったが、よくよく考えたら、イアさんがこの世界の文明のいいとこどりをしてるかもしれないんだし、それは当たり前だろう。
いや、そこじゃない?ああ、そっちか。…パンツを脱いで、座ったんだが、あれだ。もし、女性が男性になったら、恐らく正確に狙いをつけて発射できるが、男性が女性になったら無理だな。…なんであの方向に飛ぶの!?掃除することになった…。もうこの体辞めたい。男として、いや、人としての何かを失っていく…そうだ。後で《肉体変化》の力でも調べよう。
風呂にも入った。大したことはないユニットバスに見える。でも、この世界ではそれが可笑しいはずなのだ。…二億年もあれば、この程度はできて当たり前か。ちなみに、自分の裸を見てムラムラしてきた件(こ、事には及んでないよ?さ、三歳児みたいな体だしね…するわけないじゃないか。)については黒歴史指定を受けましたので除外します。あーあ。これから生理とかそういう系のやつが来ると考えると憂鬱だ。赤ちゃん生むなんて痛いらしいし論外だな。そもそも野郎と事に及びたくないし…男でありたかった。
途中洗面所に鏡が置いてあったので、自分の姿を見てみたが、見事に幼女でした。具体的に言うと、俺の雀の涙の男らしさをすべて取ってしまった感じだ。客観的に見ればかわいいと言わざるを得ないかもしれない。後は金髪で碧眼だったりするところか。この容姿も異世界補正だったりして。いや、なんでも異世界のせいにするのはよくないな。
ところで今俺は目覚めた時と同じ部屋のベッドにいる。「能力及び技能」…簡単に言っちゃうと「スキル」かな…がどういう物が見極めている最中だ。
「よーし、《理解》!」
イアさん曰く、頭の中で念じながら唱えると発動するかもしれない、とのこと。しかし、イアさんでもスキルについてはあまりわかっていないらしい???というよりは多くを語らないといった感じ。少し語ったことを聞けば、ステータス魔法を作った時に初めて気づいたらしい。あっそういえばステータス魔法はイアさんが言ってた文章言うか少し違うだけの文章言うだけで消費MP一で簡単に出せる。一回出してみたけど、ほんとイアさんってすごい。
俺が《理解》と唱えると同時に、頭の中に何かが入って来た…どうやらONとOFFを切り替えられるパッシブスキル、といったようなものらしいな。
勿論ONにした。すると「くぁwせdrftgyふじこlp!!!!!!!!!!!!!!!!」
……………………………………………はあ、はあ…頭の中に無理矢理情報が入ってきた。どうやらまず強制的に《理解》というスキル自体を理解させられたらしい。ご都合主義なスキルだな…でも、これってどんな仕組みになってるんだ?こんなの作ろうものならそれこそ思考実験でよくある限りなく強度の高い物質とか、全知全能の知能とか、現実ではあり得ないものでもなければ無理だと思うが…まあ、そこは異世界補正だと考えよう。
《理解》は、五感に入っている対象を知ろうとすることで発動し、対象に関する情報を理解することができるスキルだ。無論そのままでは最強すぎるのか、制限があったりする。まあ、少し制限について話すと長ったらしい話になるからそこは省こう。
……どうやら、デフォルトでは言葉がいらない仕様になっているらしい。わかりやすく言うと、脳内で言語を使用せず対象を理解ってとこか?正直母国語とか思考能力がない動物向けっぽいな。この世界に魔物とかがいるかは知らんが。まあ、俺にはいらないな。んっ?ステータス魔法と連動させることができるのか。で、連動させたらステータス魔法は改竄扱いになるから、双方の任意がなくても無詠唱で相手の情報を見ることができる?
…やべえ。なんかイアさんの作ったリミッター(セクハラ防止用)ぶっ壊しちゃった。……まあ、イアさんによればステータスは、表面上の状態だけを見せるものだから、すぐにエラーを起こすらしいしな!大丈夫なはず…。大したことではない大したことではない大したことではない…………………………………。
ともあれ、ステータス魔法と連動させることで、まあライトノベルではよくある「鑑定魔法」っぽくなったからいいか。ありがたく有効活用させてもらおう。じゃあ、他のスキルとかも調べてみよう。ちょっとステータスを改めて出してみよう。…無詠唱で。
スゥ…ハッッッ!!!
頭の中でイアさんが詠唱していた言葉を何回か反芻していたので、スムーズにできた。途端、今度は脳内に直接ステータス?らしきものが出て来た。
NAME 無し(東野 真) 3(16)歳 女 聖人(適正) 精神生命体
適正属性 毒 水 氷 火 風 土 電 闇 聖 無 増 止 反 空間 時
HP 10/10 189250
MP 150/150 259000
ATK 5 34500
DEF 10 78000
MATK50 128000
MDEF1500 1087645
能力及び技能
《完全記憶》《思考加速》《肉体変化》《不死》《不撓不屈》《ポーカーフェイス》《整理》《理解》
祝福及び加護
《気まぐれな神の加護》《転移者》《界渡り》《傍観者》《sruvgbwkairunia》《eつhasnもu》
あれ?こんな文字化けしてるスキルなんか二つもあったっけ?まあいいや。よし!手当たり次第に《理解》だ!!!
【聖人
何らかの修業的要素を長期間にわたって行った結果出て来た職業への適性。聖人になると、「聖」や、「無」に対しての適性がとても高くなる。逆に、「闇」、「邪」、「獄」などに対してはそもそも魔法が発動できなくなるほど適性が低くなる。そして、ステータスは主に魔法系統が強くなり、物理系統が弱くなる。他にも、決まった能力及び技能を覚える。】
職業?なんだそりゃ。
【職業
本人の行動の結果、何らかの職業への適性を得ることがある。すると、適性を持った職業に就くことができる。職業に就くと、ステータスに何らかの変動がある。変更は可能だが、一度その職業に就くと、その職業は二度と選べなくなる。現実の仕事とは全く関係ない】
うーん。今は放置の方向でいいか。試しで適正失うのは怖いし。
【精神生命体
何らかの外的要因で精神と肉体が生きたまま切り離されたことがある場合、本人の適性及び環境要因により精神生命体となる。精神生命体は、肉体が滅んでも生存可能である。精神が消滅すると、初めて死ぬこととなる。精神生命体には性別の概念がない。しかし、精神生命体となった時に獲得した能力及び技能については、精神生命体になった時点での肉体に影響を及ぼす。《完全記憶》《思考加速》《肉体変化》を獲得の可能性。《不死》を獲得】
恐らく界渡りで肉体が変化したのかな…。可能性ということは、俺は運がよかったのかな…。というかもう疲れてきた。下の方のやつを調べて今日は寝よう。
【完全記憶
五感の情報を完全に記憶することができる】
日本ではチートだったんだろうなー。
【思考加速
思考速度が通常より上昇する。思考をすればするほど上昇する。】
なんか眠くて適当になってきた…むにゃむにゃ。
【肉体変化
任意により肉体の男女比を変化可能。但】むにゃむにゃ…ハッッッ!!!こ、これは俺のためにあるようなスキルじゃないか!!!これを使えばこの醜い体ともおさらばだ!女子のことは好きになれるけど、自分が女子になるのは別だ!!ヒャッハーーーー!
…まあ、とにかく続きがあるらしいから読んでみよう。
【…但し、性別は変えられないので注意。また、割合は現在男〇対女十。男四対女六まで変更可能。又、任意で派生能力超速再生取得も可能。承認後の変更は不可】
あ、そうっすか。もういいっす。死にたいっす。でも、超速再生は強そうだから取っておこう。
【超速再生を取得しますか?】
はい。
【超速再生を取得します】
【超速再生
肉体に損害が出た場合発動。生命力を一時的に上げ、損害の出た部位を再生。尚、再生速度は自然のそれを遥かに凌駕する】
まさに読んで字の如くって感じだな。というか、《理解》ってすげー。思考能力でも入ってるんじゃないか?
【不死
精神消滅でなければ死ななくなる】
これは精神生命体デフォルトのスキルだろうな。これだけでも結構チートな気がするが…
【不撓不屈
決してあきらめない。絶望しても這い上がる力。精神強度が上昇】
【ポーカーフェイス
感情を表に出しにくくなる。パッシブスキル。ONOFF可能。現在はOFF】
【整理
何かを整えたりすることが上手になる】
この三つはもともと持ってたんだろうけどなー。ポーカーフェイスと整理は判るけど、不撓不屈か。これ、ふとうふくつって読むんだよな。何で手に入れたんだろう…《理解》では、手に入れた経緯はよくわからないしな…
ステータスをしばらく見ているとふと、かなりの時間がたっていることに気づいた。もう寝て、祝福及び加護のところはまた明日にしよう。
少し気が向いたので、明かりを消して窓の外を見る。外には、青い大きな星…大きさは地球から見る月より一回りデカいぐらいか…が、まん丸の虫食いを見せながら煌々と光り輝いていた。その月のせいで少し見えづらいが、周りには日本とは比べ物にならないほどたくさんの星が存在を主張していて、その光景は、幻想的というほかない。
「異世界…か。」
こんな光景を見ると、自分は異世界に来たのだとしみじみと実感する。
真は、いまにも溶けてしまいそうな幻想的な光景をしばし目に焼き付けた後、布団に入った。
そして、気が付くとぐっすりと寝ていたのであった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「助けて…誰か…」
どこからか聞こえる声。その声は、真にどこかで聞き覚えのあるような懐かしさを感じさせる。
「おじさんは何…僕に何をするの?」
祈るような気持ちで響く声。しかし、その期待は一言で打ち砕かれる。
「なあに。少し体を貸してもらうだけだ。」
ねっとりとした下種じみた声。その声は百人中百人が不快感を示すだろう。
「助けて…助けてーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!おか―さーん!!!お…とう…さん…ぐすっ…ヒック」
こわばった声が響く。助けは………………来ない。
[ぎゃああああぁぁぁぁぁぁ……………」
悲鳴がこだまする。同時に、真はその声の主と感覚を共有しているかのような恐怖感を覚えた。
そして、
悲鳴は、
かすれて、
消えた。
目指せ、ブクマ百件!ポイント百件!!ってな感じで頑張ったりしてます。
Thank you for reading ! 次回もよろしくお願いします。
加筆修正しました。マコトの容姿について加筆いたしました




