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オテフキ

作者: 大阪BEN

俺の名は お手拭き

人間たちの手についた 、汚れや垢を拭いさる

ただそれだ けの為に生きている

俺の主戦場は 主にファミレスである

ここでは おしぼりという もう1つの名で

御主人の手の汚れを 拭いさりながら 、全身全霊をかけて働いている


だが、時には愚痴を 吐き出したくなる時もある

一番やっかいな御主人は 酔っぱらいの客だ

顔を拭くのはまだいいとしよう、 身体もまだぎりぎりOK

そのうち鼻の穴に 俺をネジりこませ

ハナクソを拭い取 り 最後は股間をふきふきされてしまう

想像を絶する悪臭にも 繊維である俺たちは 我慢するしかない


中には、 俺に見向きもせず そのまま飯を喰う御主人様もいる

袋に包まれたまま 長時間おざなりにされてしまう

この気持ち人間には解らないだろうなぁ


たまには、ほっこりすることもある

子連れのお客様が来店、 その内 母親が俺を折り畳み始めた

初めての経験だ。 余り痛くしないでね

ゴリラ、ワニ 、ニワトリ次々と姿を替える俺に 子供も大喜びだ

これなーんだ、 母ちゃん子供が困った顔してるよ、

解るわけないよ デューク東郷なんて・・・

でもすげえよ。 もし全日本おしぼり選手権があったら 金メダル取れ ちゃうかもな


今日の御主人様は、 何か訳ありっぽい。

作業服に身を包み、 手は油まみれで真っ黒だ。

その手で拭いさるものだから あっという間に 俺は油まみれだ。

その内、その青年が 油の残った手で おもむろに指輪を取りだし

貧乏だけど 必ず幸せにするだなんだと呟きながら

正面にいる 姉ちゃんに プロポーズしている 感動する姉ちゃん

ドラマのワンシーンのようである 。

だけど分かったから 泣きながら 俺で鼻をすするのはやめて欲しい


俺はお手拭き 、又の名はおしぼり

今日もどこかのファミレスで 御主人の手の汚れ 拭い去ってます

時には泣きたいときも あるけれど ぐっとこらえて働きます

だってだって俺は 繊維だもの



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