人体模型
掲載日:2013/07/17
「もう痛くないですからね。定吉。」
胃袋や腸の模型の剥げた部分を丁寧に塗っていく。
1年4組の千代ちゃんが、定吉と人体模型に名前をつけて、
可愛がっている。
先生が明日の授業準備に模型を崩し、
掃除をしていると、
胃袋の中にラムネが入っていて・・・はてどうして?
ああ千代ちゃんか。
お供えをしてお祈り、なのだそうで、余り注意はしない。
そんなこともあったかな。千代は学校の保険の先生になって、
再び定吉と再会した。
「あっ、先生こんにちは。定吉ここ剥げてる。ぬっていい?」
手にはもう既に赤と青のマジックがある。
「どうぞ、はい。」先生は定吉の胃袋やら腸やらを千代に渡した。
「初めて見た時は怖かった。」と千代。
「でもだんだんかわいそうに思えてきて、それで可愛がってたんです。」
「それで医者になるんだから大したもの。」と先生がぽつりと言った。




