表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
REVIVAL  作者: 三角の月
序章 超能力保護区
8/54

街にはリア充に憧れる男がいる

 とりあえず裏路地から飛び出した俺達は、夏休みという水を得た魚となっている学生たちに混ざって、しばらく様子を見ていた。ヤンキーたちが飛び出た裏路地から出てくる様子も無いが、彼らに止めを刺した少女は、一刻も早く立ち去りたいのか早足になっている。俺よりも頭1つ小さい茶色キャスケットの彼女に手を引かれているので、前屈みになっている俺は、女の子と手をつなげている奇跡にはしゃいでいた。


 やっべ~!!!女の子と手繋いじゃってるよ!!!たまにはかっこいい事もしてみるべきだねぇ。どうする俺、このままこの子と仲良くなってしまえば夏休み安泰じゃね!!っはっはっはっはっは!!!これで俺もリア充の仲間入りじゃぁい!!!ごめんな、とおる。もう一般高校生には戻れねぇなぁ!!あは、あは、あは、あはははははははははははははっ!!!


 心の中で高笑いしながら手を引かれ、大きな十字路まで来た。ビル角が斜めに切られたそこは、人の流れが及ばない陸地と化していた。そこまで行って手を離されてしまった。ちょっと残念。


「ごめんなさい。巻き込んで……」


 彼女はこっちを向いて、深く頭を下げた。


「いやいやいや……。ほら、困ってる女の子を助けるのは当たり前と言うか、そんな感じ!」

「ごめんなさい。本当に……、あの、急いでるんでこれで」


 彼女は振り返って、また歩き出そうとする。



「いやいやいやいやいやいやいや!!!ちょぉぉぉぉぉぉっぉと、まったぁぁぁぁぁ!!」


「?」


 あ、急いでいるって言ってたな。そこを呼び止めるってどうよ。そっれって最低じゃね。さっきのヤンキーと同類!?それどころか人様からこの幸せ奪い取った俺って、それ以下のクズ!!!???


「あ、いや、気をつけてな」


 引き笑いになりながら、小さく手を振ってそんなことを言った。すると、彼女はこっちを向いて、


「ありがとう」


 キャスケットと肩までの髪の下から見えたその笑顔は、まさに絶滅天然記念物の美人さんだった。



 そう言って、彼女は人ごみへ消えていった。


「お、和馬じゃん。よっ、和馬」


 そうやって後ろから肩に手を掛けてきたのは、俺と同じで一般高校生であるところの赤野あかの徹だった。



「どうした、振られたか?」


「うるせぇ」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ