彼女に迫る影
ジメッとした裏路地お歩く1人の少女がいる。白い半袖ワイシャツに紺のスカートと言う真夏の学生スタイルなのに、不自然に黒髪を茶色いキャスケットで抑え付けていた。
「どうしよう。確実に見つかったよね」
彼女は分かったいた。以前撒くことができたのは、衛星写真で追跡していたからだ。だからそれまで普通についてきた追手が、地下に逃げただけでついてこれなくなった。しかし、今回もそれが通用するとは思わない。地下への入り口を物理的にふさぐかもしれない。または、人質をとって脅迫してくるかもしれない。衛星以外の追跡方法や、街中で強攻に出るかもしれない。
「なんにしても早めに手を打たないと……」
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「もう遅いんですけどねェ」
あるビルの屋上でどこぞの高校の制服に身を包みイヤホンマイクをつけたその少女は、狂気な笑みを浮かべて1人モニターを見ていた。そこに映るのは、1人裏路地を歩く茶色いキャスケットをかぶった少女だ。音声を取れているところと映像の鮮明さから、近距離で撮影されたものだと分かる。
『今回の目標は生け捕りだ。だが、相手はクラス5の大物だ』
クラスはこの街に住む超能力者をランク付けしたものだ。0から5までのクラスがあり、クラス5にあがるにつれて強力な超能力者であるというわけだ。ランク5認定能力者はこの街には、5人しかいない。
『さすがに、お前1人ではむずかしいだろう』
イヤホンマイクからの声に、少女の顔は不気味に笑う。
「アハッ、そんなこと無いと思うんだけどなァ」
そんなことを狂気を吹く少女の後ろに、六人のスーツの男が物陰から歩き出た。その姿は黒ずくめで、屈強な男どもだ。顔は隠れているが、おそらくは全員男だろう。
『彼らを使うといい』
「超能力者を何人集めても、足手まといになるだけだと思うけどなァ」
笑い狂う少女は、持っていたモニターの中の標的に手をかざす。
『彼らは、超能力者ではない』
ん?と、少女は初めて普通に疑問の表情を浮かべた。そして、告げられた言葉に、満面の狂気をこめて笑い狂う。笑いは止まることなく、笑い声は止まらない。
「そういうの、だァいすきィ!!」




