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作戦は情報戦

加藤からの手紙が届いた高橋。


「なんの用事だろう。 加藤さんが直々に手紙を送ってくれるなんて…」

 手紙の内容は実践の1週間前には作戦に必要なもの。物資や、兵士の数、兵器の種類で必要なものを書いて送るように。という内容であった。


「1週間前!? 12月15日に集合だからあと8日。まずいな。何も思いついていないのに。」

 ここで高橋は素直に作戦が思いつかないと返事を書こうとしたが、忙しい中で手紙を書いて送ってくれているのにも関わらず、諦めて「自分には荷が重すぎましたダメでした。」と送り返すのはあまりに失礼な気がしたからだ。そして、頼みの綱である清水がもしかしたら助けてくれるかもしれない。


「と思っていた時期が僕にもありました…」

 高橋は清水からの返信をみて、地面に膝をついた。清水からの返信内容は仕事が忙しくて作戦を考える時間がないこと。高橋との合同作戦について上官と話したがそこは全て高橋に任せて今は自分の経験値を積むことだけに集中しろと命令が下されている。 という、作戦の立案の協力は難しいという旨の返信だった。最後に、「「空から砲を打てればいいのに…」」とだけ書かれていた。 彼なりの忙しい中で書いたアドバイスだろう。

 

「今日中に考えなきゃいけないのに。」

彼は一朝一夕で考えられるはずもないのに、頑張って頭を働かせる。 だが、これには多くの兵士の命が関わる。犠牲を増やしたくないので、慎重に考える他に選択肢はない。


 「くそっ!何かないか。全てを思い出せ。」

 ここまでこの世界でもらったアドバイス、元の世界で持っていた知識から必死に探す。

 〜 過去の記憶 〜

 清水:「空からほうが打てればいいのに。」


 郵便局にて:「ヘリコプターで早く運べたらなぁ。」


 田村:「土地勘があるので…」


 加藤:「少しの犠牲を払ってでも…」


「そうだ! この作戦で行けば勝てるかもしてない。

 高橋は考えた。俺にはこの戦場をよく知っている「土地勘」がある。なんせ元は自分の部屋だからな。この部屋には、入り口から見てすぐ右の方にpcの諸々の配線とコンセントを隠すために買った配線隠しカバーがあるはず。もしそれがこの世界に反映されているとすれば、敵はそこに気づいていないかもしれない。 流石に自分達のはるか上空に土地があるとは思わないだろう。

 そこに毎度お馴染みの榴弾砲を持ってくる。そこからなら航空基地が射程圏内に入るはず。そこで、航空機では運べないので大型のヘリコプターで牽引車と砲を運んだあと、自動車化砲兵で敵陣まで突っ切る。 偵察はきっと得意分野の兵が集まっているだろう。

 そして、カバーの上から撃たれた砲弾はまるで空から降ってくるように見える。

偵察機を派遣すると機影でバレるかもしれない。だが、行かせるしかない。


「この作戦であれば敵基地破壊が可能となる。」

 電報で加藤にこのことを伝え、現地の偵察機で見て来てもらうことにした。 作戦の全貌がバレてはまずいので、今回ばかりは電報を使って連絡したようだ。

 すると、二日後、狙いが当たった。上空には確かに広い土地があり、敵の陣地はまだ作られていない模様。とのことだった。


続けて高橋は加藤に牽引車を5台、榴弾砲を5台 弾などを乗せたトラックを2台、これらを運べるヘリコプターを要請した。加藤からは二つ返事ですぐに連絡が返って来た。

 作戦は情報戦の上で成り立つものだ。敵が把握しきれていないことをいかに早く、正確に把握できるか。現代のインターネットやレーダー、衛生写真などがあれば、先進国同士だとあまり大差がないのかもしれない。(敵の行動などだけで言えば)しかし、ここにそんなハイテク技術はない。とすれば、この戦場の位置を記憶している自身が最大の情報なのである。


「そう言えば…」

 次の先頭の計画があらかた終わって安心したのか、しょうもないことを考えてしまう。人の大きさが0.1cmだとすると、最初にヘリで迎えに来た時はかなり上空だったはず。 とすれば気圧とかは、どうなるんだ? 気になった高橋は加藤に気圧は大丈夫なのかと尋ねる。 すると加藤からは、「気圧とはなんだ?」の返事が返って来た。この世界にはその概念がないということが同時に知れた。 ここで一つの仮説が浮かぶ。もしかしたら、自然の環境だけは元の世界と同じなのではと。そうすれば、これまでの時間の進みが向こうの世界と同じだったのと、気圧の変化が小さすぎて気圧という概念が存在しないこと、この2つを説明できる。


「どうでもいい事にまた、1日も使ってしまったが…これもまた後で使えるかも知れないな。 うん!そういう事にしよう」

 電報とはいえ返事が返ってくるのが遅いので、無駄に過ごしてしまった時間になんとか理由をつけようとしている。

そんなことを言っていれば気づけば12月14日の夜になっていた。


「いよいよ明日か。」

 決戦というわけでもないので、これから長期にわたる戦いが続けられる。さらに、高橋の信念の一つに犠牲を少なくすること。とあるが、これがどこまで戦場で通用するのかすら、彼にとっては未知数だ。


 「大丈夫だ。ここまでたくさんの資料に目を通して、作戦についてもより細かく考えた。」

 彼は自分を落ち着かせ、明日のために加藤からのもらった勲章付きの軍服を枕元に、玄関にはピカピカに磨いた黒の革靴をセットして、眠りにつく。

作品がいいとおもったら、拡散してくれると嬉しいです。自分と一緒に楽しんでくれる人をもっともっと増やしたい!

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