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異世界剣聖 ― スレイする者 ―  作者: スマイリング


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第17話 友の遠吠え

 森の闇が揺れている。

 音はひとつもないのに、世界の輪郭だけが震えていた。

 夜になったわけではない。

 ただ、光が“押し潰されている”ような奇妙な圧が、村の外縁を満たしている。


 ユウは剣を構えたまま、動かずに気配を探った。


(近い……まだ姿は見せない。だが、すぐそこだ)


 背後でリシアが幼獣を抱きしめ、必死に息を整えている。

 幼獣は恐怖に震えながらも、リシアへ寄り添っていた。


「ユ、ユウ……あれ……どうなってるの……?」


 リシアの声はかすかに震えていた。

 無理もない。姿すら見えない“何か”が、世界ごと圧迫してくる感覚は、

 魔獣の気配とはあまりに違いすぎた。


「攻撃じゃない。これは……“探っている”気配だ。

 幼獣の場所を正確に捉えようとしている」


「探って……る?」


 ユウは頷き、幼獣へ目を向けた。

 その小さな体は、怯えで縮こまっているのではない。


 “拒絶”している。


 胸へ押し当てられた幼獣の額が、必死に震えている。

 声なき祈りが波のように溢れ、ユウの《討滅の印》と共鳴していた。


(戻りたくない……助けて……そんな感情が届いてくる)


 幼獣の祈りは、言葉を持たない。

 だが、その震えは確かに“意志”を伝えていた。


「リシア、しっかり抱いてろ。

 あいつは、この子を傷つけたくはない。

 だからこそ――直接手出しできず、圧だけで奪おうとしてる」


 リシアの目が大きく見開かれる。


「じゃあ……“回収”されちゃう……?」


「このままなら、な」


 森の奥で、黒い影がゆらりと揺れた。

 それは形を成さないまま、村の境界線に滲み出てくる。


 一歩。

 二歩。


 音はない。

 ただ圧だけが地面を沈ませるように進んでくる。


 幼獣がリシアの胸へ顔を押しつけ、震えながら喉を震わせた。

 その震えは、恐怖と拒絶が入り混じった激しいものだった。


(こんな反応……“親”に対するものじゃない)


 幼獣は群れの王に怯えている。

 本能で従うのではなく、本能で逃げようとしている。


 ユウは確信した。


「……リシア。この子は“戻りたくない”って言ってる」


「っ……わたしも、そう感じる……!

 この子、すごく嫌そう……!」


「ああ。だから諦めない。

 これは戦いじゃない。“奪われないための踏ん張りどころ”だ」


 ユウがそう言った瞬間、


 村の境界に溜まっていた闇が――

 ドンッ と破裂するように膨らんだ。


 世界の輪郭が一度ゆがみ、

 足元の影が濃く伸びる。


(来る……!)


 ユウは剣を強く握りしめた。

 幼獣は泣き出しそうに震え、

 リシアは必死にそれを抱きしめる。


 姿なき王の“圧”が、とうとう村の内側へ入り込んだ。


 闇の圧が一段と濃くなり、森の奥から“形にならない影”が染み出すように広がった。

 その気配に合わせて、幼獣の体が跳ねる。


「ユウっ……この子、息が……!」


「落ち着かせろ。大丈夫だ、まだ“奪いに来てる”だけだ」


 ユウが言うと、幼獣はリシアの胸元にしがみつき、必死に喉を震わせた。

 声は出ていないはずなのに、その震えはユウの胸の奥へ直接触れてくる。


(……伝わってくる? 祈り……?)


 その瞬間、ユウの視界の端に、微かに光るものが浮かんだ。


 色でも、形でもない。

 ただ、感情の“欠片”のような、小さな欠片。


 ――たすけて

 ――かえりたく、ない

 ――こわい


(……これが、この子の“声”か)


 幼獣は必死に逃げようとしているのではない。

 自分の意思で戻ることを拒んでいる。


 ユウは胸に手を当てた。

 《討滅の印》が淡く光り、その光と幼獣の祈りがわずかに重なる。


「ユウ……今、なにか聞こえた……?」


 リシアが震える声で問いかける。

 だがユウは首を横に振った。


「聞こえたんじゃない……“届いた”んだ。

 この子の祈りが、俺の印に触れた」


「祈りが……?」


「この印は“敵意”だけじゃなくて、“助けを求める声”にも反応する。

 だから、この子の気持ちが……直接届くんだ」


 言葉にしながら、ユウ自身も半信半疑だった。

 だが胸に浮かんだ光の欠片は、確かに幼獣の感情を写していた。


 そのとき――

 幼獣が小さくユウの外套を噛んだ。


「っ……!」


 その感触に合わせて、胸の印が強く脈打つ。


(“助けて”……そう言ってる)


 幼獣は戻りたくない。

 それは恐怖だけではない。

 自分が今いる場所――ユウとリシアのそばにいたい、という意思がある。


 ユウの目つきが変わった。


「リシア。この子は……俺たちを“味方”だと思ってる。

 だからこそ、王の呼び声を拒んでるんだ」


 リシアは息をのんだ。


「じゃあ……この子は、“従わされてる”んじゃなくて……抗ってるってこと?」


「ああ。

 本能で従う存在じゃない。

 “意思を持って拒絶している幼獣”なんだ」


 その言葉に、幼獣がもう一度弱く喉を震わせた。

 声こそ出ないが、その震えは“肯定”のように感じられた。


 森の奥の闇が、不気味に蠢く。


 王の圧は強まり続ける。

 しかし同時に――幼獣の祈りも、ユウの印も、確かに抗っている。


(なら――助ける理由は、もう十分だ)


 ユウは剣を強く握った。

 恐怖よりも、胸に満ちる決意のほうが大きかった。


 幼獣の祈りがユウと繋がった直後だった。

 森の奥――闇が揺れ、世界そのものが低く唸るように震えた。


 空気が押し潰される。

 耳ではなく、頭の内側が直接鳴る。


「うっ……!!」


 リシアが幼獣を抱きしめたまま、膝をつきそうになる。

 ユウも片膝を地面につき、額へ手を当てた。


(これは……“声”じゃない。命令の“圧”だ)


 音としては聞こえない。

 だが、その意味だけが脳へ流し込まれる。


 ――戻れ

 ――離れるな

 ――従え


 それは言葉ではない。

 ただの本能への干渉だ。

 恐怖と帰巣本能を無理やり同時に叩き込む、原始の共鳴。


 幼獣が苦しげに身を丸める。

 リシアの腕の中で、必死に喉を震わせて叫んでいる。


 声は出ないのに――叫びだけが伝わってくる。


「ユウっ……この子が……!」


「ああ、わかってる……! でも……これは……強烈すぎる!」


 ユウの胸の《討滅の印》が、痛みを伴うほど輝いた。

 印が共鳴の衝撃を必死に中和しようとしているのが分かる。


(ただの“威圧”じゃない……

 特定の相手を引き戻すための、強制の命令……!)


 その瞬間、ユウの脳裏に浮かんだ像がある。


 廃都の風。

 村人たちが錯乱した原因。

 そして幼獣へ送り続けられる“帰還の命令”。


(全部……一本の線で繋がっていたのか)


 廃都 → 村 → 森の奥。


 ユウたちは偶然そこに居合わせたのではない。

 王の探索線上に“乗せられていた”。


 リシアが必死に声を振り絞る。


「ユウ……これじゃ、村の人が錯乱した理由も……!」


「そうだ……この“声なき命令”を浴びれば、恐怖が爆発する」


「だって……人は群れじゃないから……!」


「だから壊れたんだ」


 ユウが言い、強く歯を食いしばった。


(なら、王の目的は――)


 闇の奥が再び震えた。


 その震えは、

 “怒り”でも“敵意”でもなく――

 奪い返す者の、冷たく固い執念だった。


 幼獣を捕えようとする意志。

 意志だけで空気を押し曲げるような、圧倒的な存在感。


「リシア……絶対に離れるな。

 “命令”はもう一段階強くなる。覚悟しておけ」


「……うん!」


 幼獣が震えるたび、ユウの胸の印が応じるように光を放つ。

 その光だけが今、三人をつなぎ止めていた。


(このままじゃ……飲み込まれる)


 ユウは剣を握り直した。

 ただ振るうためではない。

 “命令の圧”に抗うための心を固めるためだった。


 王の“命令”の圧が弱まった刹那、

 リシアは幼獣を抱きしめたまま、深く息を吸った。


 幼獣の震えは止まらない。

 喉は声を失っているのに、悲鳴のような震えだけが胸の奥へ届く。


「大丈夫だよ……大丈夫……」


 リシアは、震える幼獣の背をゆっくりと撫でた。

 その手つきは、必死に怯える子どもを安心させようとするような、温かいものだった。


 すると――

 幼獣の震えが、ほんの少しだけ変わった。


(……緩んだ?)


 ユウはその微細な変化を見逃さなかった。

 幼獣の祈りの“波”が、先ほどより柔らかくなっている。


 リシアの胸元で、幼獣が小さく喉を震わせた。


 その震えは、悲鳴でも恐怖でもない。

 まるで何かを伝えようとする音の形。


「ユウ……今の……聞こえた……?」


「聞こえたというより……感じたな」


 ユウがそう答えると、リシアは驚いたように自分の胸元へ視線を落とした。


「わたし……この子の“言いたいこと”が、少しだけわかった気がする」


「え?」


「なんて言えばいいのか……声じゃないのに、“気持ち”が伝わってきたの。

 怖いけど……安心したいっていう……そんな感じ」


(やはり、リシアは“祈り”に触れる素質がある……)


 ユウは心の中でそう確信した。

 彼女の手が幼獣の背に触れるたび、

 幼獣の祈りが少しずつ安定していくのがわかる。


「リシア……そのまま、話しかけてやれ。

 この子にとってお前の声は、恐怖になってない」


「……うん」


 リシアはそっと幼獣の額に触れ、やわらかい声を落とした。


「怖くないよ。わたしたち、あなたを返したりしない。

 ここにいていいから……」


 幼獣の喉が再び震え、

 その震えは、さっきより“人の言葉に近い響き”を持っていた。


 ――あったかい

 ――まもられたい


 ユウの胸の印が、その祈りに共鳴して光る。

 まるで幼獣の想いを“翻訳”しているようだった。


「ユウ……この子、本当にわたしたちの言葉を理解してる……?」


「理解じゃない。“繋がり”だ。

 祈りの震えが、人の感情に近い形を取ったんだ」


 リシアは幼獣を抱きしめ、そっと微笑んだ。


「じゃあ……この子はもう、わたしたちの“仲間”なんだね」


 その一言に合わせるように、幼獣が小さく鼻先をリシアの頬へ擦り寄せた。


 その瞬間――

 森の奥の闇が、怒りのように大きく震えた。


 王が“反応した”のだ。


 幼獣がユウたちへ心を寄せたことに。


(……まずい。王は“従うべき子”が、他者に絆を結ぶことを許さない)


 ユウの胸の印が鋭く疼いた。

 夜の闇が濃くなり、村の境界が再び揺れ始める。


 森の奥が再び揺れた。

 怒りでも、憎しみでもない――

 所有物を奪われた者の、静かな執念。


 闇の圧に押され、幼獣が苦しげに身を丸める。

 リシアが慌てて抱きしめるが、震えは止まらない。


「ユウ……! どうすれば……この子、壊れちゃう……!」


「……“呼び声”が強くなってる。

 体じゃなく、心を引っ張られてるんだ」


 ユウは空気の震えを読み取るように、

 胸の《討滅の印》へそっと触れた。


(この圧は……“支配”じゃない。“従属”だ。

 幼獣を戻すための命令の鎖……)


 リシアが涙声で叫ぶ。


「だったら……戦って、あいつを倒せば……!」


 ユウは首を横に振った。


「無理だ。王そのものを討っても――

 この子に絡みつく“祈りの鎖”は消えない」


「鎖……?」


「ああ。“祈り”は形じゃない。

 命令を出した王を倒しても、

 その命令を受けた側の“心”に残り続けることがある」


(だから村人たちは錯乱した。

 命令の主が見えなくても、“声の残滓”が残るから)


 リシアが幼獣を抱きしめ、必死に問いかける。


「じゃあ……どうすれば……この子、助けられるの……?」


「戦うんじゃない。

 “祈りの線”を断ち切るんだ。」


 森の奥から、また圧が押し寄せる。

 幼獣は苦しげな震えを続けるが――


 その震えに、小さな変化があった。


(……抗ってる。

 幼獣自身が、王の命令を拒否しようとしている)


 その瞬間、ユウは確信した。


「この子には、従わない意思がある。

 だから、俺たちはそれを“支えてやればいい”」


「支える……?」


「震えの方向を変える。“従う”じゃなく、“繋がる”方へ」


 リシアがハッと息を飲む。


「つまり……わたしたちとの絆を強くすれば……?」


「そうだ。

 祈りは本来、誰かと繋がるための力だ。

 なら――別の誰かと絆を結べば、王の命令は弱まる」


 幼獣の震えは激しい。

 しかし、その奥に“誰かへ伸ばそうとする意思”が確かにある。


 ユウは幼獣へ手を差し伸べた。


「……大丈夫だ。

 お前が戻りたくないなら――俺たちが、その道を作る」


 幼獣の小さな瞳が揺れた。

 その揺れの中に、“助けを求める光”があった。


(この子の祈りを、王から引き剥がす……

 そのために必要なのは――)


 幼獣が、

 “自分の意思で、誰かを仲間と認めること”。


 ユウは剣を握り直し、闇へ向かって立ちつくした。


「王よ……。

 この子は、もう“お前の群れ”じゃない」


 闇が、大きく震えた。

 怒りとも驚きともつかぬ圧が押し寄せる。


 その圧へ、ユウは一歩も退かずに向かっていく。


 ユウが一歩前に踏み出した瞬間、

 森の奥から押し寄せていた圧が一段と強まった。


 空気が重く沈む。

 地面がゆっくりと震える。

 まるで“世界の中心”が村の前へ移動してきたような感覚。


 リシアが幼獣を抱きしめながら必死に声を絞る。


「ユウ……! もう無理だよ、この子……!」


「まだだ……この子は……まだ抗ってる!」


 ユウが言ったその瞬間だった。


 幼獣がリシアの腕から抜け出し、

 まるで何かにすがるように――

 ユウの胸元へ飛び込んだ。


「――っ!」


 小さな体で、必死にユウの外套を噛む。

 怯えでも、従属でもない。


 自分の意思で、ユウを選んだ。


 その瞬間、胸の《討滅の印》が強烈な光を放つ。


「うわっ……!」


 光は痛みではなかった。

 むしろ幼獣の震えを“受け止めるための温度”のように、

 胸の奥へじわりと広がっていく。


(これは……“祈りの線が乱れている”)


 幼獣がユウにしがみついたことで、

 王と幼獣を繋ぐ“命令の線”が引きちぎられ、

 方向を見失っている。


 森の闇が、怒ったように波打った。


「ユウ……圧が乱れてる……!」


「ああ……! この子が……“拒んだ”んだ!」


 幼獣は震えながらも、ユウの胸へ顔を押しつけ、

 その小さな体で王の呼び声に逆らおうとしている。


 ユウは幼獣の背にそっと手を添えた。


「……大丈夫だ。怖いよな。でも……よく耐えた」


 印の光が、幼獣の祈りと重なり、

 波紋のように空気へ広がっていく。


 その瞬間――


 森の奥から響いていた圧が、

 ザリッ と乱れた。


 まるで、命令の糸が引きちぎられたような音。


 リシアが息を呑む。


「今の……!」


「“命令”が一瞬だけ途切れたんだ。

 幼獣の意思が、王の命令より強く跳ね返した」


「そんなこと……できるの……?」


「普通は無理だ。

 でも――“自分の意思で誰かを選んだ”のなら話は別だ」


 幼獣の小さな心臓が早鐘のように打ち、

 その震えがユウの印へ重なる。


(この子の祈りが、俺を“仲間”として結んだ……)


 王の支配力は絶対ではない。

 群れの仲間としての従属ではなく、

 幼獣自身の選択が力を持った瞬間だった。


 その証拠に――

 森の闇が一度、静まり返った。


 まるで状況を“理解した”かのように。


 そして。


 その静寂が、逆に不気味な予兆となった。


 森の闇が静まり返った。

 王の圧が引いたわけではない。

 むしろ――

 “観察している”ような、不気味な沈黙だった。


 ユウの胸には幼獣がしがみついている。

 その小さな体は震えているが、先ほどまでの怯えとは違う。


(……震え方が変わった。怖がりながらも……何かを伝えようとしてる)


 ユウはそっと幼獣の背を撫でた。


「大丈夫だ。お前はもう、ひとりじゃない」


 幼獣が喉を震わせる。

 声は出ない。

 しかし、その震えははっきりとユウの胸へ響いた。


 ――つよく、なりたい

 ――まもりたい

 ――ここに、いたい


(……“意思”だ)


 幼獣はただ怯えているだけではない。

 本能を超えた、“自分としての願い”を抱きはじめている。


 その瞬間――


 幼獣がユウの胸から顔を上げ、

 夜空へ向けて大きく喉を震わせた。


 声は、出ない。

 しかし――


 空気そのものが遠吠えの形に震えた。


「っ……!」


 リシアが驚きの声を上げる。

 音のない遠吠えなのに、確かに“聞こえた”。


 それは恐怖や従属ではない。

 感謝と、つながりの祈り。


(これが……“友”としての遠吠えか)


 胸の《討滅の印》が優しく光り、

 その遠吠えを肯定するかのように暖かい脈を返す。


 王の圧が一度、完全に止まった。


 夜風すら吹かない村の中心で、

 ただ幼獣の祈りだけが静かに響いている。


 ほんの数秒の沈黙――

 しかし、その沈黙のあとに“何か”が動いた。


 森の奥。

 闇の一層深い部分で、世界が揺れる。


 ユウはすぐに気づいた。


(……命令が“変質”した?)


 先ほどまでの帰巣の命令ではない。

 もっと広い範囲へ向けた、別の呼び声。


 “仲間を呼び集める声”だ――。


 リシアが小さく震えながら言う。


「ユウ……来るのは、王だけじゃない……?」


「ああ……“群れ”ごと動き始めた」


 幼獣の遠吠えは、王の命令をわずかに乱した。

 だが、その結果――


“王が次の手を打つ段階”へ進んでしまった。


 夜が完全に落ちる。

 闇が森の奥から波のように広がる。


(ここからが、本当の渦だ)


 ユウは幼獣を抱き寄せ、リシアと共にその闇を見据えた。

 幼獣が初めて見せた“自分の意思”――

 その遠吠えが、物語の方向を確かに変えました。

 しかし同時に、王は次の段階へ入り、群れ全体が動き出そうとしています。

 次回、闇の森で“祈りの鎖”に真正面から挑むユウに注目です。

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