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堕ちる決意
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倒れながら、カイの手は──あの黒い羽に触れていた。
「だったら……だったら……!」
「エリシアを連れていくくらいなら、俺は……悪魔になってでも、止めてやる!」
黒い風が吹き荒れ、カイの背中に羽が融合する。魔力が暴走し、司祭たちを包む。
「これは……悪魔の部位!? なぜ発動する……!」
風の斬撃、呪われた軌道、重なり合う衝撃。カイは、自身の身体の動きが制御できないまま、しかし一瞬で司祭を圧倒した。
「くっ……撤退するぞ!」
ボロボロになりながらも、アルカ=ドミナ教の一団は去っていった。
だが、勝利の代償は大きい。──カイも、もう人として戻れない道を踏み出していた。
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