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天使の心臓
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エリシアが、急な高熱で倒れた。
体は光を帯び、何かが暴れているように苦しむ彼女を、カイは必死に看病した。数日でなんとか熱は下がったが──その静けさは、嵐の前触れだった。
ある朝、彼らの元に現れたのは、白き衣をまとった男たち。その先頭に立つのは、傲然とした態度の司祭だった。
「彼女は、“天使の心臓”を宿している。我らアルカ=ドミナ教が保護する」
「……保護って、どういう意味だ」
「神のため、器は不要。回収する。それだけだ」
回収──すなわち、殺すということだ。
「ふざけるなあああああっ!!」
カイが怒りに任せて殴りかかるが、司祭の持つ天使の翼の力で、彼は簡単に吹き飛ばされてしまう。
「人間が、神の意思に逆らうな」
その瞬間、カイの中で、何かが切れた。
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