あたしのブラックリスト
掲載日:2025/03/06
ちょっとずつ、ちがう。
星のスープをふるまうために
青空を煮詰めた闇夜の黒
ときにぱりっと ときにしっとり
塩めしや酢めしを包みあげる
海のようなおおらかさをした海苔の黒
ひと磨りごとに ゆっくりと
濃さと香りをほどいては
硯に泉を張る墨の黒
ミルクを注がれて濁らせてしまうのか
はたまた ありのままのじぶんにくちづけてくれる
唇が訪れるのか
カップに汲まれるたび
審判の刻を待つコーヒーの黒
荒れた肌を道幅いっぱいにひろげながら
街を埋めるアスファルトの黒と
そのうえをころがって なめらかに削りあげる
美顔ローラーみたいな車たちのタイヤの黒
雨のない日もつやつやに濡れて
虹を滲ませた羽をしながら
嘴を尖らせるカラスの黒
剥がしたコーティングの替わりに
焦げついていく がりがりで
だいぶ年季のはいったフライパンの黒
何色かとたずねられたら
黒としか答えようがないのに
それぞれちがった黒さをした
色とりどりの黒たち
あたしはひとつひとつチューブに詰めて
絵の具入れの箱にならべたい
そんなすてきな あたしのブラックリスト
ふたの裏にずらりとならんでるのを読めば
黒 黒 黒 黒 黒……
青もほしい!










