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4月の雨

 ニヒリティウム跡地から北東に向かって幾時間。馬車に揺られたり、途中の街で休息を取ったり平穏な二人旅を歩み、数日掛けて漸く目的地に到着した。


「ココが?」

「はい。此処がアンジュラル厶……私の初仕事の街です」

「そろそろ知りたいな。君の依頼」

「そうですね。今回、私は能力ではなく魔力自体を使います。リル様にそちらの方が良いと助言していただきました。コツもバッチリ掴んでます!」

「頼もしいね」

「出来る限り私一人の力で成し遂げたいのです。自分の意志で誰かの為に力を使える事に感謝して」


 弓張状のアーチがウィリアム達を歓迎する此処はアンジュラル厶。活気溢れる街道には露店が並び多くの者が行き交っていた。賑やかなアンジュラル厶はウィリアムにとって初めての街だが、広場には魔法を披露する者もおり安堵の溜息が出る。此処ならば誰も魔法について苦言する人は居ない。


 寄り道したくなる衝動を抑え、二人は依頼人の待つ丸屋根の建物へ入っていった。大勢が自由に出入りしているところを見るに単なる民家ではなく憩いの場のようだ。

 早速、開放された扉を(くぐ)ると正面には受付カウンターが設置されギルドのようだとウィリアムは心ながらに思った。


「あの…」

「はい。ご用件お伺いします」

「アンジュラル厶の依頼を請けました新人の魔法師です」

「商業ギルドの方ですね。此方へどうぞ」


 誇らしげに新人魔法師と受付役員に伝えた少女は一枚の紙切れを手渡される。手書きメモが記された紙切れを覗き見するとどうやら依頼人は此処ではなく別の所に居るらしいと分かる。

 愛想の良い役員に手を振り返し、青空の下へ戻った少女はウィリアムより前を早足で駆けた。


(何かお祭りでもやるのかな…)

「どうかされましたか?」

「ううん。賑やかで楽しい街だなぁって」

「私も、此処は心地良いです」


 手書き地図通りに進み、メインストリートの噴水広場へと向かい依頼人を探す。

 噴水周りでかけっこする少年少女、小動物を連れ歩く年配女性、魔法を披露する青年、大荷物を悠々運ぶ若人、シルクハットを被るずぶ濡れの老紳士、泥酔する姉と介護する妹、石畳の化石を眺める赤子……等々。果たして依頼人は何処に?


「もし、ギルドの魔法師さんかい?」

「えっ?はい、そうですが……貴方様は」

「私はアンジュラル厶の父、トトノキです。そちらのお嬢さんが依頼を請けてくださった…ですね?」

「トトノキ様…初めまして!名前はまだ見つけられませんが、新人の魔法師です。今日は宜しくお願いします」

「僕はウィリアム・センス。僕からも宜しくお願いします」

「宜しく」


 依頼人とはシルクハットを被るずぶ濡れの老紳士トトノキだった。水気を切りつつ少女に話し掛けた彼はアンジュラル厶の長であり、父であった。何故、ずぶ濡れなのか非常に気になる所ではあるが人当たりの良さげな笑みと声音を聞き、尋ねる気にならなかった。


「今年の天使の任、頼みましたよ」

「はい!」

「天使…!?」

「ウィリアムさんはご存知ないので?」

「あ…伝えるの忘れていました……」

「えっと此処へ来るのは初めてで」

「ハハハ、それならば実際目で見て体験するのが一番宜しいかと。マルスさん!」

「話は盗み聞きしてましたよ〜。任せて!」


 少女の意志を尊重し出来うる限り口を挟まないようにしていたが、天使の任と云う聞き慣れない単語には思わず反応してしまった。見るのが一番と弾けるような笑みを見せたトトノキは、広場に居る別の魔力持ちの青年マルスを呼び寄せお茶目に目配せした。


「ココに何の変哲もない噴水が在ります。ヒョイっと魔力を振り掛けると……あら不思議、水が泡となり雨となり、空と貴方を繋ぎましたっ!」

「わっ…!!スゴイ……スゴ…」

「此処等一帯の水源は近くの湧水から頂戴しているのですが不思議な事に魔力を籠めると反重力化するのです。これは使わない手は無いと思いまして!……毎年4月に催される感謝祭で天使役と称しまして魔法師さんをお呼びしております」

「へぇー…そんな祭りがあるなんて全然知りませんでした」

「知名度はまだまだこれからです」


 マルスはウィリアム達にウインクしてからアンジュラルムの奇跡を魅せた。魔力を籠めた水は液体と個体の間を反復するように水玉となり、空気中を漂った。シャボン玉より耐久力があり水饅頭より柔らかな水玉はマルスの合図で弾けて降り注いだ。此れをペルラポップ現象とトトノキは名付けた。

 キラキラとした魔法を目の当たりしたウィリアムと少女は魔力の底知れぬ魅力に自然と頬が緩んだ。


「一週間後の当日は4名の天使さんに協力していただくつもりです。無論、天使の任以外にも感謝祭を楽しめるよう調整していますのでお楽しみを」

「楽しみだね」

「えぇ!」

「どうです?時間もある事ですし他の天使さんに会われるのは。ギルドに所属されている方もそうでない方も皆さん良識ある素敵な方です」

「ボクが案内するよ。天使仲間として!」

「宜しくお願いしますマルス様」


 感謝祭は一週間後の4月15日。軽い打ち合わせ程度はあるが、特に縛るような祭りでもないので少女も気が楽だ。

 トトノキに促され、マルスと共に天使の任を引き受ける魔力持ちを探しに街を巡った。



「自己紹介がまだだったかな。ボクはマルス・アイスロット。氷系の魔法を使えるんだ。君たちは?」

「僕はウィリアム・センスです。一応、空間系の魔法を使ってます!彼女は作用系です」

「凄いね。あ、早速発見!お〜いユッピちゃん」

「変な渾名は止めてと言わなかったか?」

「まぁまぁ。ギルドの魔法師連れてきたよ」


 メインストリートより一本外れた道に彼女は居た。装飾品や色鮮やかな小物を売る露店前で真剣な唸り声を上げる女性こそが少女とマルスに次ぐ天使役である。

 緩ゆるっとしたマルスの声に呆れを飛ばす女性はウィリアムと少女をジッと見比べ、ボリュームたっぷりの髪を掻き上げた。


「どっちよ」

「私です。初めまして…!」

「よろ。ワタシ、ユピテルって言うんだ。変な渾名で呼ばないでね」

「ユッピちゃん……それボクの事言ってる?」

「他に誰が居んの……でアナタは?」

「僕は彼女の付き添いみたいなものです。お気になさらず」

「ふーーん、まだ子どもだけど参考にはなりそう。ちょっと付き合って!」

「うぇ…!?」

「ウィリアム様ー!何方へ!?」

「ユッピちゃん……」


 女性の名はユピテル。作用系の魔法を使うが、ギルドは未所属で魔力を仕事に使うのも今回が初めてらしい。派手なメイクに似合わない淡白な笑みを浮かべたユピテルはウィリアムを見るなりいきなり手を取って走り去ってしまった。

 突然の奇行に付いて行けず少女とマルスは顔を見合わせ疑問符を浮かべる。


「どこまで行くんですか!?」

「ねぇウィルくん、好きな人を好きで無くなった瞬間を体験した事ある?」

「好きな人を好きで無くなった?」

「ねぇ!それよりさドッチの色が似合うと思う?!」

「え……と、右?」

「やっぱりそう思う!?いいセンスしてる」


 とある店に入る直前、居た堪れなくなったウィリアムが声を上げて静止を求めるがユピテルは構わず店の門を潜った。

 酷く感傷的になったかと思えば底抜けに明るい笑顔で店頭に並んだ品を見比べさせた。悩む振りで答えれば、機嫌よく頷いてくれて一安心。


「ワタシ、好きな人に振られたんだ。それも最悪な形で。寝惚けて自分ちだと勘違いして魔法使ったらあの人に見つかってね、即縁切りされた。あの人の蔑みの目を今でも思い出しちゃうんだ……あ〜あ、陽の当たる場所で自由に恋愛したいなぁ…、そう思ったから天使の任引き受けたの。あの人見返してやるんだから!」


 此の世界は未だに魔力に怯える者多数。魔法を卑しく思う者多数。染み付いた常識や世の理を蹴破ってまで魔力持ちを愛そうなどと思う稀代の人間は少数。皆、何かしらの苦労を重ねて今の自分と向き合っている。


「僕の恩人が言ってました。魔力を持つ者が悲しい思いをしないよう常識を変えるのが自分達の役目だ。だから悲しい思いを内に閉じ込めなくて良いって。僕も同じ思いです」

「それは…………惚れる」

「ん?」

「アナタって可愛いだけじゃないんだ。ねぇ本当にワタシと付き合おっか?」

「ぅえ?ちょっと待っ」


「「それはダメ!」」

「残念詰まんない。よく此処が分かったね」

「分かるよ。……何時も見てたから」

「なんでよ」

「ウィリアム様、ご無事ですか!?」

「本気にならないから安心してよね嬢ちゃん」

「そ、そのようなつもりは……あわわ」


 不安定な人間に100%の善意をぶつけたら依存されかねないが、ユピテルの交際申し込みは単純に誂ってるだけなので本気ではない。

 理解しているのかいないのか、超特急で追い付いた少女とマルスは精一杯に交際を否定した。状況が飲み込めないのはウィリアムのみである。


「ワタシもギルド入ろうかなぁ」

「じゃあボクも一緒に」

「なんでよ」

「なんでも……」


?「あー、あー、あー、諸君!」

「ジュリさん!……のお供さん」

「君達が余りにも来る気配を寄越さないものだから態々此方から出向いてやったのだぞ。感謝したまえ!」

「何方様でしょうか?」

「知らないのかね!?この御仁こそ魔の覇者にして天使の任を承ったジュリアス・スフェンファイア様ぞ!!」

「余計な単語を付けるでない」

「失礼しましたっ!」


 店を出ても妙な気まずさは拭えず、空ばかり見上げていると高飛車な声が飛んできた。一同は若干、面倒臭そうに声がした方向に顔を向けるとまたもや面倒臭そうに顔を顰める。

 如何にも守銭奴らしい見た目をしたちょび髭の男は、自身の事を一切話さず代わりに背後の男性の紹介を勝手に始めた。


「ジュリアス様…初めまして……!」

「畏まらずとも良い。気楽に行こう」

(思ったより親しみやすい……)

「おや、きみは」

「?」

「…もしや月夜の番人のウィリアム・センスくん……かい?」

「どうして僕を?」

「ワシもギルドに所属してる身、ウィリアムくんの噂はかねがね狼男から聞いているよ」

(ルワード…!!)


 4人目の天使役はジュリアス・スフェンファイア。作用系の魔法の使い手であり、賢者のような格好の割に体格の良い御老体で杖をつく。彼が商業ギルド[大地の狭間]のギルドマスターだと知ったのは後になってから。



 其れから、自己紹介で終わった初日。街を散策した二日目。天使の任の打ち合わせをした三日目。感謝祭の準備を手伝った四日目。あっという間に時間は過ぎ、迎えた五日目の朝。


「今日も良い天気だな」

(こんなに寛いだのは久しぶりだ)

「おはようございます」

「おはよう。今日も打ち合わせ?」

「はいっ。採寸です」

「ん?」

「では行ってきます」

「うん…?行ってらっしゃい」


 浮足立つ住人に加え、感謝祭を一目見ようと旅人や観光客の往来も盛んになり宿屋は仄かな温もりに包まれていた。

 一つの街に何日も逗留する時は大抵仕事が詰まっている時なので、仕事を休み祭りが始まるのをただ待つだけのアンジュラルムはウィリアムにとって丁度良い休息でもあった。


 今日は何をしようかと思案しながら色鮮やかな街を練り歩き、ふと思い立って例の湧水近くの小川へ向かった。


「こんな感じかな」

(む…意外とムズい)


 街の生活用水である湧水は流石に立入禁止だったので小川の水を掬って魔力を籠める。ペルラポップ現象を自らの手で確かめたい好奇心を抑える事は出来なかった。

 意外と難しい。そもそも魔力自体を体外へ放出する事自体、余り経験の無い行為。少しでも魔力量を誤ると水玉は生成されない。


「出来た…!〈コレクション・印〉」

「良い出来だ」

「うわっ!?……ジュリアスさん」

「如何にも。一人で森奥に入る影を見掛けたものでね。街中で試しても問題無いのだぞ」

「良いんです。僕は一般人として此処に来てますから」

「狼男に育てられたとは思えん謙虚さだ」

「育てられた……と言うか、8歳になるまで色々教えてもらっただけと言うか、何と言うか…。ジュリアスさんはルワードと何処で知り合ったんですか?」

「ルワードくんが子供の頃、突然ワシの家を訪ねてきたのが苦労の始まりだった」


 試行錯誤を繰り返し漸く完成したペルラポップ。爽やかなミスト状の雨を一頻り浴びると、消えてない水玉をコレクションした。好きなもの、気に入ったものを仕舞う姿は(まさ)しく宝箱を眺める子供のようであった。

 夢中になっていると背後からジュリアスがヌッと現れた。打ち合わせは終わったのだろうか。不思議な気配を纏うジュリアスを見上げていると自我がスルスル出てくるものでウィリアムは心の中で戸惑いを隠していた。


「あー、あー、あー月夜の番人君!ジュリアス様と語ろうなど十年早いわ!」

「お供さん!すみません」

「これ、謝らせるな」

「ひょえっ申し訳ございません!」

「さて、話の続きと行こう」

「ジュリアス様がお話になられるぞ!魔法の存在が公になった切っ掛けの御方の話ぞ!」

「混乱させてやるな」

「ひょえっ」


 思い出話の流れになるかと思いきや思わぬ横槍が入った。ジュリアスのお供が余計な舌を回しウィリアムを混乱させる。杖で小突いてやれば反省色を露わにし縮こまった。

 "魔法の存在が公になった切っ掛けの御方"とは益々興味を唆られるがジュリアスが話したのはルワードとの出会いだった。


 其れは"一夜を狼歩する月物語"、時系はルワードの幼少期に遡る。


 幼いながらに人と違う力が在ると認識していたルワードは、とある月夜に狼姿となり自身の力の由縁を悟った。それでも尚、下級貴族の両親はルワードを愛した。愛する想いがジュリアスの元へ導き、彼は修行を嘆願する。

 重ね重ねの修行で肉体的にも精神的にも、成長したルワードは途中で養子に引き入れたリルと共にギルドの創設を画策し、現在へと至る。


「羨ましいなぁ」

「ウィリアムくんが取り零した愛情をルワードくんは知ってほしいと思っている」

「しつこいくらいに感じます」

「それは良かった」

「魔の覇者と対等に会話するとは……金品の一つ二つ落としていって貰いたいね」


「ところで、あのお供さんとは何処で……?」

「さぁ何処だったかな。気付いたら居た」

「ジュリアス様ぁ!?酷いじゃありませんか」

「ワシの側に居れば金回りが良くなると思ったのだろう」

「ギクッ」

「アハハハハっ」


 叶わなかった愛の切望の代わりは存在しないが、同等の愛をウィリアムは知っている。胸が窮屈になるほど注がれた愛に極々偶に甘えたくなる。

 降雨時の湿っぽさが辺りに漂ったかと思えば、雨上がりの空を思わす明るさが小川を流れて行った。


「そうだ。ジュリアスさん……最近噂になってる魔法師の襲撃はご存知でしょうか?」

「存じている。ワシらのギルドにも被害が出た。相手も魔法師と見るのが妥当だな」

「それが…彼女、僕と一緒に居たあの子と同じ村出身らしくて。今は廃村になってるアッシュの村と言います。もし彼女の身に何か起こったら守ってほしいです」

「無償でぇ〜?……痛」

「ウィリアムくんは守らないのか?」

「守りたい。けど自分の力を過信出来ません」

「相分かった」


 自分の何倍もの知識と見識があるジュリアスが彼女の身を守ってくれたら其れだけで、安心する。自分の手で守らずとも……?

 言いようのない感情が飛び出すのを堪え、ウィリアムはニッコリと笑って願った。彼の心の内を察してかジュリアスは何も聞かずに笑い返した。


 笑顔二つと不満顔一つ。昼過ぎの空に悲鳴多数。

「なっなに!?」

「ん!こりゃいかん。ウィリアムくん飛ばすぞ!」

「うわわ!!!」


 予想外の悲鳴に狼狽えるウィリアムとお供を余所目に街の方の状況を察知したジュリアスは魔法をちょいと使用した。

 ジュリアスの能力〈絵空事(フロート・アート)〉は人や物を自在に浮かせて操る作用系の魔法だ。自身を浮かせる事も可能だが老いゆく体では負担が掛かる。故に悲鳴の出処にウィリアムを飛ばした。



(アレは…!?)

「〈コレクション・印〉」


 ウィリアムの見た光景は、街の憩い場と隣接する建物が今にも崩壊する寸前だった。建設途中の建物には幸い人の気配は見当たらなかったものの憩い場は、そうはいかない。

 両手を前へ突き出し、無我夢中で〈コレクション〉を発動させた。積まれた煉瓦と砂煙とその他諸々を仕舞い、事無きを得るが勢い余って地面に激突しそうになる。


「〈アイス・ロット〉!」

「うっ…冷たい…!ありがとうございますマルスさ」

「お怪我はありませんか!?」

「大、丈夫」

「ウィリアムくんが来てくれて助かったよ。ボクは氷は操れるけど、煉瓦を消す事は出来ないから。精々氷の壁を作れるくらいさ」

「いえ……そんな」


 間一髪、野外に飛び出したマルスが氷壁を作りウィリアムは激突せずに済んだ。感謝の念に絶えないと彼の方を見たウィリアムは、見てしまった。

 マルスは薄紅色の髪を揺らす少女を守るように抱き寄せ密着していた。彼女を守ってくれたのだ、それこそ感謝を表したい。然しながら無傷で済んだのにも関わらず二人の様子を見た瞬間、体が氷のように冷たく固くなってしまった。


(なんだろう……この気持ち。モヤモヤする)

「ウィルくん大丈夫ー?」

「ユピテルさん…僕は、大丈夫です。誰にも怪我がなくて良かった」

「ちょっと君、……!」

「!」

「う……ん、すみません、何だか急に目眩が」

「凄い熱だ…」

「どいて、ワタシが運ぶ」

「いやボクが冷やしながら運んだ方が良いかも」

(……………っ)


 ユピテルも合流し、なんてことない風に振る舞い煉瓦を並べ直す。ザラザラとした感情を持て余しているとマルスの焦った声が降りかかる。

 余所見した内に少女は苦しげに吐息を吐いた。辛うじて保っていた正気は、少女の体調の変化に気付けなかった事とマルスとの距離が近しい事の二点で呆気なく崩れ去った。


 ウィリアムの名を呼ぶ声が聞こえる。呼び声に応えられたのは半刻後の事。

______________________


「ウィルくん遅〜い。マルスは追っ払ってやったから安心してね」

「え…っ、いやあの、あの、あの…」

「それよりコッチ見て」


 病院へと担ぎ込まれた少女の心配より、心の内の厄介に気を回す己が許せずにいると、病室の扉が半開き色白の手がウィリアムを引き入れた。

 病室には息苦しく眠る少女とユピテルの二人しか居らずマルスの姿は見当たらない。


「〈色現(カラーリンク)〉ワタシの能力は色に役目を与えるの。適当な色をパレットに移して、赤は火の色、青は水の色、って言う感じでワタシの主観で自由に決められるんだ。これで少しは良くなると良いね。……無理が祟ったのかな」

「全然気付けなかった…旅の疲労が溜まってたんだ。それなのに僕は自分勝手な思いばかり…」


「それって誰の為の想い?アンジュちゃんの為なら無意味だね。自分勝手、なんてこの子は気にしないし全く思ってないよ。だからウィルくんの感じちゃってる責任感は無意味。ね?」

「…!そう、ですね!」

「ウンウン。可愛い笑顔」


 ユピテルの能力〈色現(カラーリンク)〉は能力発動と同時にパレットと絵筆が出現するところから始まる。現地調達した色を絵筆で吸い取り、パレットに垂らし魔力を込めながら練り込む。譬えば赤色は火の色、と彼女が思えば練り込んだ赤色は火に変わる。青は水の色と思えば水に変わる。

 ユピテルは〈色現(カラーリンク)〉を使い回復の緑を少女の頬に垂らした。単純に垂らすだけで効果は発揮されるがそれでは面白くないと言った具合に緑色のハートマークを描いていた。端から見れば只の悪戯だ。


「回復の緑と調和の黄を合わせてみようかな。カラーコードは使い切っちゃったし、黄緑、黄緑……あ、ウィルくんの瞳借りていい?」

「借りる!?」

「痛みはないから平気平気!暫くの間、白くなるだけだから」

「それはそれで怖いです……!!」

「目ぇ瞑らないでー」


 借りた色は暫くの間、色を失い透明度が高くなる。人体への影響はないが当たり前のように筆先を鶸色の瞳に合わせるユピテルが今だけは怖い怖い。

 少女の安寧の為だと覚悟を決めたウィリアムは強張りながら薄く目を開けた。絵筆が直接瞳孔に触れる事はないが目が合うだけで、閉じたくなる。


 数秒前の悶々とした空気が嘘のように弛い攻防戦が繰り広げられ、勝利したユピテルは満面の笑みで病室を出ていった。


「ウィリアム……様?」

「体調はどう…?」

「ぼんやりとします……それに不思議です。ウィリアム様の瞳が何時もと違って見えます…」

「あはは、暫くこのままなんだ」

「お揃いですね」

「うん。お揃い」

「……すみません、お祭りまで残り二日と言う時に体調を崩してしまって。必ず治します…」

「無理はしないでね」

「大切な役目を果たす前に無茶はしません」

「そうじゃなくて、…」

「?」

「僕が嫌なんだ。……ごめん、それじゃ駄目かな」

「ー!いえ……嬉しいです」


 赤みの強い頬とお揃いの真白と。先程まで自己嫌悪に陥るほど自身が嫌になったのに、少女を目にした途端和らぎを覚え多幸感に見舞われた。

 熱に浮かされた空間で自分まで発熱したような感覚を過ぎ、ウィリアムは退出しようと立ち上がった。


「っ待って」

 そう言って服の裾を掴んだ少女は弱々しく瞳を潤わせた。


「一つ思い出した事があります…。夢の中で、そうあれはまだ領主様が居ない世界で、私を抱きかかえる人が居ました……確かな人の温もりを感じているのに、その人の笑顔はよそよそしくて、母のようで母でない擽ったい情を感じていて、私はそれだけで幸せで………」


 微睡む視線が寝言を誘う。曖昧な意識が過去を呼び覚まし忘れてしまわぬよう言葉を残し、少女は再び眠りについた。目覚めた時、覚えているだろうか覚えていると良いなと、少女の手を優しく握った。


「君が誰かに愛されていたと知れて嬉しい。たとえ忘れてしまっても僕が憶えてるからね」

______________________

 4月15日感謝祭当日。今日という日を待ちに待った人達が一斉にアンジュラルムを彩る。


「ウィリアム様っ!見てください天使の装いです」

「それが採寸って言ってた理由?」

「はい!」

「凄く綺麗だよ。本物の天使みたい」

「…少しだけ、ユピテル様にお化粧して頂いたので、それもあるかと……」


 すっかり顔色も良くなり、健康的な血色を取り戻した少女はウィリアムに天使役の衣装を見せていた。

 天使の任とは其々決められた区域を徘徊し、ペルラポップを魅せる事にある。病み上がりの彼女はマルス等が気を利かせてくれた事もあり、予定より幾分か担当区域が小さい。


「ウィリアム様もお祭り楽しんでください!私ももう少ししたら街へ行きます」

「じゃあ……そうしようかな」


 少女の元を離れるのを寂しいと思い始めた自分に気付かぬ振りをして、鶸色の瞳で微笑み返した。彼女の初仕事の応援をしつつ、憩いの場を後して色鮮やかなアンジュラルムの一色となった。



「お!魔法師のにーちゃん!この前は助かったよ。これお礼な」

「そんな悪いですよ!?」

「祭りだ!気にするな!!」

「ありがとう、ございます?」

(何だか沢山貰ってしまった)


「ウィリアムくん荷物で隠れてしまっているな」

「本当に、あはは……ってジュリアスさんの方がだいぶ貰ってますね!?」

「毎年の事だ。ウィリアムくんも貰い物は貰っておくと良い。また返せるように」


 街へ繰り出て早速声が掛かる。二日前、建設現場近くに居た好々爺だ。礼だと言い次々に品を抱え込ませる。人が良すぎるのも考えものだと乾いた笑いで対応していると、正面からジュリアスとそのお供の気配を感じた。

 息を切らしながら手引き荷台を引くお供と天使の装いに身を包み、愛想を振り撒くジュリアス。


 二人も何だかんだ楽しそうではある。


「どれ……任を果たすとするか〈絵空事(フロート・アート)〉+ペルラポップ」

「うわぁ〜!何時見ても凄いです!」

「またもやタダで見せるとは……ジュリアス様、勿体ない方だ」


 〈絵空事(フロート・アート)〉で街中に設置された水瓶が浮き、魔力を籠めてペルラポップ現象を放った。能力の効果で浮遊感があり、祭り装飾と相俟ってまるで幻想空間の様だと4月の雨を浴びる。

 同時刻、多方向からも水玉が浮き始め感謝祭は盛りに盛り上がる。


「変わりゆく大地に感謝を、移ろいゆく人々に祝福を。背を向け惑う無かれ。真に浮かぶは心と成り、理に根ざすは精と成る」


 ペルラポップ現象に合わせて大道芸人が業を決める。低重力空間で子供達がポップ・ステップ・ジャンプと遊び回り、街に彩りを加えていた。

 引き続き天使の任を果たす為、ウィリアムに別れを告げるジュリアスと小言を言い残すお供。抱えきれない貰い物はコレクションし次は何処へ行くのやら。


「くーっ……休憩休憩!」

「お隣、良いかい?」

「トトノキさん!勿論です」

「祭りは楽しんでくれてるかい?」

「はい。とっても楽しいです」


 喧騒が子守唄に聞こえる程度の距離で、ウィリアムはベンチに腰を下ろした。時刻は真昼の太陽を迎えており、休憩がてらクロワッサンを食す。食べ終わったら少女の区域に行こうと心に決めたところで、トトノキが顔を出す。


「魔法が公になって早50年……最初のギルドが誕生してから26年。…人の世は、人の理解を超える速度で進み揺さぶられてきました。魔法が公になる前の世界を知らない世代も増え、常識が変わろうとしています」

「……」

「私はね。綺麗事と言われようとも人と人とが手を取り合う世界にしていきたい。其の為に必要なのは魔法の使えない私達のような者が、一番に理解し伝えていくべきだと思うのです。感謝祭の感謝とは大地の恵みの感謝と、互いの理解尊重に対する感謝の、二つの意味が有ります」


「初めてペルラポップ現象を見た時、凄く感動しました。魔力で人を笑顔に出来る事が嬉しかったです。僕達の力が許されているような気がして、魔法の本来在るべき姿を僕達自身が再確認出来ました。来年も再来年も来ようと思います」

「アンジュラルムは何時だって魔法師を歓迎します。倅にも孫娘にもよく言って聞かせました。孫娘は2ヶ月程前にギルドの役員になったと嬉しそうに話していました。そうそう確かウィリアムさんのところの……」

「2ヶ月前、2ヶ月……アハッ僕、その人知ってる気がします!」


 神の悪戯か、天の気紛れか、人は魔力を持つ者とそうでない者に分かたれつつある。一生を生きるには十分な50年が突き付けるのは此れからを生きる者達への裁量。変わりゆく世界に花を咲かせたいなら育手が必要だ。

 傾きかけた陽光と水玉がアンジュラルムに降り注ぐ。


 トトノキの優しさに触れ、より一層見識を広げたウィリアムは彼と別れ少女の待つ区域へ歩を進めた。


「天使様!キラキラ見せてっ?」

「そーれ!」

「キラキラ〜〜!」

「ふふっ。……あ、ウィリアム様!声を掛けてくださっても良かったのに」

「ごめんごめん楽しそうだなって思って」


 子供達に囲まれて幸せを振りまく彼女の姿が、自分とは釣り合わない絵画の様で声を掛けるのを憚ったと伝えてしまったら、彼女を困らせてしまうだろう。気遣う心が向き合う時間を退ける。


「天使様の友達?」

「彼氏だよ絶対!」

「「え!?」」

「ち、違うよ!?」

「誤解です……ウィリアム様とはそのような関係では……!」

「えーじゃあ見合わせもしないのー?」

「見合わせ?」

「あのね、あのね!お祭りの夕暮れにね、好きな人と踊るとずーっと一緒に居られるって!見合わせって言うんだって!」

「踊らないのー?」

「うっ…うぅ〜……」


 見合わせ、黄昏時の逢瀬とも呼ばれる其れは祭りに乗じた親密効果のようなもの。非日常は時として躊躇いがちな男女の距離を引き寄せる効果がある。

 キラキラとした純粋な眼を向けられ、一足早く黄昏色に染まる頬。少女はウィリアムと視線が交わらぬよう半歩下がり彼を見つめた。ウィリアムはと言うと唸りながら思案しているようにも、答えを先延ばしにしているようにも見えるが肝心の本心は解らない。


「私は天使の任もありますし、踊り方も知りません。なので見合わせには間に合わないかと」

「えぇー詰まんない」

「天使様困らせちゃイヤ!」


「……ふぅー…決めた」

「!」

「待っていて」

「あの、何方へ?!」


 ざわめく心を深呼吸で落ち着かせ、ウィリアムは少女の方へ目を向けた。何を言い出すやらと息を止めて待っていると、何処ぞへと走り去ってしまったではないか。

 くすんだ黄緑色の一糸を風を攫わせ、何処行くものぞ。

______________________

 黄昏まで残り半刻を切ってもウィリアムは現れない。"待っていて"と言っておいて帰って来ないとは彼らしくないと思いつつ、何処か淋しさを感じていた。


「ウィリアム様……何方へ行かれてしまわれたのでしょう……?」


 弾けた水玉が報せる太陽は随分偏っていて、このまま日没が過ぎてしまうのではと少女は危惧する。やるせない想いが引き出す淡い原動力に、身を委ねる事にした。


(会いに行こう)

 待つだけでは居られない。逢いたい、と思う心がウィリアムを探しに出掛けた。



 整えた息が熱い。ウィリアムの瞳には少女が映らなかった。準備に時間が掛かり待たせてしまったので、待ち合わせ場所に居なくとも文句は言えない。それでも、


「探すよ君の事……」

 それでも、逢いたいと思えるほど二人の距離は近くて遠い。



 ウィリアムと少女は駆け出した。互いが互いに逢いたいが為、走って、走って、擦れ違った。15分、10分、5分、小さな区域で何処までも逢えずに時間だけが無情に過ぎていく。


「黄昏だ……」

「ウィリアム様……」

 遂に迎えた黄昏時。二人は未だ逢えずに、早々と移り変わる景色に取り残されていた。

______________________

 不意に二人の思考が一つの答えを導き出した。きっと逢える、そんな場所を思い出し向かっていった。黄昏時はもう2分と保たないが二人の心は晴れ晴れとしていた。


「やっぱり此処に居た」

「来てくれると信じておりました。…、?その格好は」


 走って、歩いて、歩いて、立ち止まった。噴水広場に影法師二つ、優しく重なる。ウィリアムの声を聞き直ぐさま振り返った少女は彼の様相の変化に気付く。

 旅人らしからぬ格好、具体的には前髪を掻き上げハートマークのフェイスペイントを施し礼服に身を包んでいた。


「この服はマルスさんが貸してくれたんだ。フェイスペイントと髪はユピテルさんが協力してくれた……。何時もと同じ格好じゃ天使様とは釣り合わないから……なんてね」

「〜っ…」

「天使様。僕と踊ってくれますか?」

「はい…っ魔法師様!」


 藍色の空が茜色の頬を映し出す。控えめだけれど熱のある手を折り重ね、離れないように握り締めた。


「ですが私、上手く踊れるかどうか……」

「そのままで良いよ。僕も上手くないから。昔、ルワードに無理矢理連れてかれて少しだけ習った事はあるけど」

「何だか想像付きますっ」


 魔力を籠めて奇跡の雨を降らせる。広場に集まる全てが、全てを祝福しているようで心の底から幸福を味わった。天使と魔法師の舞踏は拙いながらも地を踏み締め、他の者も自然と手を取り合った。

 ちらちら星が掛かっても深い夜空に覆われても二人の影が陰る事は無かった。

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 感謝祭から一夜明けてもアンジュラルムは彩りを忘れず、宿屋から見える景色は自然色を多く含んでいた。


「初仕事完了です!」

「ポイント貯まったね」


 ピロロンと軽快な音が鳴る。ギルド紋章から出現する透明ボードに依頼完了の印を押すと自動で鳴る仕組みだ。

 その他、依頼のランクに応じてポイントが振り分けられる。ポイントは様々な恩恵が得られるが大まかに分けると二つである。一つ目は換金、二つ目はギルドランク昇級。


 一定のポイントが貯まり、ギルドに還元するとランクを上げる為の手続きが出来る為、多くが昇級用に貯めている。


「次は何処に行こうか。行きたいところある?」

「そうですね…、一旦ギルドへ帰ってギルド寮の契約を結ぶのも良いかと。ウィリアム様も寮に帰りたいとは思いませんか?」

「僕は……契約してないからなぁ」

「えっ……!?」

「そんなに引く?」

「帰りましょう!?今すぐ契約しましょう!?」

「君がそこまで言うなら…でも殆ど帰らないし勿体無いよ」

「それでも帰る場所は大切です!ギルドは、居場所ではあるけれど家ではありませんので……」


 換金の役目は実際に金銭に変えられる事と、ギルド寮の家賃である。今から七年前、創設されたギルド寮は魔法師専用であり証として換金の仕組みが出来た。

 魔法師専用のメリットは、彼等が安心出来る事にある。擦れ違う者が同じ志を持つ仲間なら寛げると言う訳だ。


(まぁ換金額も貯まってるし、良いかな)

「分かった。ギルドに帰ろう」


 何時になく強気に出た少女に押される形でウィリアムは寮舎とギルドのあるフェルスタットへと帰る決断をした。

 4月の雨が齎したのは恵み。空は晴れ渡る。

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 永遠に続くものなど在りはしない。永遠を求める者は無慈悲に刹那を摘み取られる。

 空は晴れ渡っていると言うのに画角を変えれば雨が降っていた。天が泣いている様だ。


「そうか……君が魔法師を襲った張本人だな」

「ルワード・ローレンス、その従者リル。負け戦に活路を見出そうとする大馬鹿者……」

「逃げ、て…ルワード…、!」

「特に狼の貴方、私の世界に愛された者は要らない。廃になりなさい」


 ルワードとリルはウィリアム達と別れてから、フェルスタットの外れにある収監所を目指していた。


 事件が起こったのは街へ着く手前。突如として馬車馬がパニックに陥り馬車ごと横転してしまった。罪人の監視をリルに任せ外へと飛び出したルワードが見たのは、灰被りの馬と馭者。

 辛うじて息はあるが奇妙な事に、灰と接触した箇所が濁り変色していた。収監所へ行くのは遅れそうだと溜息を付き、リルを呼ぼうと灰から視線を外した刹那、頸動脈スレスレの位置に刃物が飛んできた。


 間一髪で回避したものの少量の出血は免れず、圧を含めた眼力で木陰を睨んだ。岩に金属刃が当たる音で異変に気付いたリルもこの時、馬車を降りた。

 二人の眼には一人の女性が映っていた。焼けるような赤の巻髪に同色の瞳、真黒のローブに灰色のヴェールを纏わせ、トンガリ帽子を被った妖しげな女性。


 先程の刃物と言い、灰被り現象と言い、明確な殺意がタイミング良く現れたのを鑑みるに彼女が犯人かと警戒したが、二人の反射の速度を超え女性は襲い掛かってきた。

 女性の周りに出現した灰が次の瞬間には二人を絡め取り無力化した。おまけにリルの魔眼が通じず、ルワードも昼時では力を出し切れない。


 そして現在に繋がる。ルワードはあくまで冷静を装い女性の正体を探る。



「〈御伽殺し(バット・シンデレラ)〉」


 人が生まれながらにして持っている幸。一生を懸けて手に入れた幸。それらは人の手によって儚く滅びゆく。

 栄えた炎も軈ては灰燼と化す。人の世は何時だって灰に被われていた。

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