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2 アキラの事情

大好きなSFに挑戦しています。

少しずつ書き進めていく予定ですのでどうぞよろしくお願いします。

「あー、もうっ! ……仕事のことを考えれば気が紛れるか!」

 アキラはベッドの上のタブレットを取り上げると、画面を表示させ、仕事の内容を確認する。

 

 仕事場は第2星系のレムリアというかなり小さめの惑星。そのため1星1国。

 地球の移民惑星として開発され、その時に移民を指揮した人物が議会制を経て王として認められ、宗教的な後付けや文化が進み、王政が根付いた珍しい歴史を持つ。

 さらに時代は進み、今から20年前に国政の権利が王家から返還され(無血革命)、現在は共和国となっている。

 しかし、現在の共和国では国家主席が独裁体制に入り、周囲の評判はあまりよろしくない様子。元王家の20年前は王子だった人物が政治家として注目され人気が出てきているが……。


 そんな元王家に去年から事故や事件が立て続けに起きている。

 宇宙連合は国家主席とレムリアマフィアの関係を注視し、スパイを送り込んで調べていた。その証拠を収めたマイクロフィルムの回収が今回の仕事。

 

 スパイ活動は続くので、疑われない理由をつけての最低限の接触、持ち出しが求められている。


「んー、この元王家への襲撃事件、犯人は捕まってるものはあるけど……」

 

 いくつかの事件・事故の記録を見ながら考える。


「この事故もなんか怪し……。

 国民には情報規制がかけられ、出入国も厳しい。まあ、逆に仕事で入国しちゃえば接触は楽そうだけどなー」

 

 タブレットを上に掲げたまま、ベッドにひっくり返る。


「おっ、スパロウのおっさんか。礼のことだから安全性の高い方法にするんだろうな。まあ、礼に計画立案は任せとけば大丈夫か!」


「その声に出して考える癖、直した方がいいぞ!」

 頭の方から声が聞こえた

 

 寝っ転がったまま首を持ち上げるようにして頭を逆さにすると、ドアの所にヴェスが立っているのが見える。


「なんだよ。なんか用事か?」

「体調どうなんだよ?」

「そこまで悪くはないよ。まあ、めっちゃ元気ですぅー、元気有り余ってますぅーという感じじゃないけど」

 

 ヴェスが心配そうな表情で続ける。

「体調悪いなら、ちゃんと言えよな。レムリアは中・大型船が着陸できないからアキラがバイクで任務に当たることになるから……。もし、何かあれば、俺、変わるから」


 アキラがぐるっと目を上にあげる(今は顔が逆さなので目を下の方を見るように動かしたと見えた)、これもアキラの考える時の癖だ。


「平気だよ。オレの方がバイクうまいもん」


「最近、お前が何考えてんのか、よくわかんないよ」

「それはオレも同じだけど? ま、お互い大人になってきたってことじゃない?」

「そういうとこ。前はそんな茶化すようなこと言わなかった」

「そうか? なんか最近イライラすんだよな。すまん」


 話はこれで終わりというつもりでアキラは頭を元の位置に戻し、タブレットに視線を戻す。


 それでもまだヴェスの気配が消えないので、ベッドに座り直すと言った。


「まだ何か?」

「……もう、いい」


 ヴェスが出て行くのを見送ってため息をつく。


 自分の態度が良くないことはわかっている。

 でも、ヴェスに対しては男友達としての態度をとり続けなくてはと考えれば考えるほど、こんな感じになってしまう。


 礼の言葉が思い出される『身体的な性が決まる兆候』……。

 

 頭を抱えてしまう。

 礼には見透かされてるのに、あえて突っかかる自分の愚かさに。

 ヴェスに対する思いが、家族のような、幼馴染の親友というものから変化してきていることに。


「あー、もうイライラするってか、頭、微妙に痛いんだけどっ!」

読んで下さりありがとうございます。

次も頑張ります!

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