1 異世界転移
できかけです。編集で続きを執筆します…
この辺にあらすじを書いたりするのかな。
あなたはミライ、高校生だ。新たな学校生活が始まって早4か月、いじめなどが原因で引きこもってしまった。上級生からのカツアゲ、成績上位からのマウント、恋人だと思っていた人からの裏切り、体育の先生からの体罰…あなたは多くを経験してきた。引きこもってしまうのも無理はないだろう。なんだかんだ勉強も中学生時代で止まってしまっている。唯一得意なものはゲームくらいだろうか。
あなたはある日、スマホで見慣れないアプリを見つける。ゲームのようなものだが、アプリ名は記載されていない。怪訝に思いつつも、あなたはそれをタップして開いてみる。
とたんに視界が真っ白にまぶしくなり…気づくとどこかの平原に飛ばされていた。
「これってもしかして、噂の異世界転移?!」
あなたの声のトーンは途端に明るくなる。が、すぐ不安なものに変わる。
「待った、帰り道は?明日の授業に間に合わない!」
「あー平気平気、こっちでは向こうの世界の時間進まないから」
何かがあなたの前に現れる。真っ白に輝き、顔はよく見えず、着ているものは女神のそれっぽい。
「…目的はなんだ?」
「まあすぐわかるよ。急ぎじゃないけど、まああの洞窟の一番奥に行けばすべきことが分かると思うよ。いずれにせよ君の力が必要なの。」
神様は一番低い山の洞窟を指さし、あなたの言うことを一切聞かず消えた。ほんとに神様ならずいぶん理不尽な神様だ。
ひとまずあなたは深呼吸して、あたりを見回してみる。少し広めの平原で、山に囲まれている。一番小さい山の中に洞窟があり、その反対側にかやぶき屋根の多い、小さな村がある。発展としては典型的な中世ファンタジーくらいだろう。
「異世界に転移した?絶対何かチート能力とかあるだろ!」
(どういうわけか)手元にあったスマホを見てみると、あなたの情報が記されていた。
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嘉野 ミライ 男、16歳
肩書: 転移者/召喚者
能力: 危機回避 運と回避依存で攻撃を勝手に避ける どんな攻撃が来るかぼんやり予想できる 代償として少し不安になりやすい
身体能力 {S A B C D E}で判定
(Cは一般的な冒険者、Eは訓練を受けていない村人や市民とする)
攻撃: D
特殊: D
防御: D
特防: E
素早さ: C
回避: S
運: A
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要するに、あなたの能力は運がいいことと回避が高いことくらいってわけだ。
「あんまり戦いに特化したものじゃないな…てかなんならディスられてるし」
あなたはそうつぶやき、スマホの電源を落とす。
あなたはしばらく澄んだ空気や見知らぬ草花を楽しんだ後、洞窟に向かうことにした。
花がいくらか咲いている小高い丘に着くと、洞窟の入り口が小さく口を開けて待っていた。中は閑散としていて、しずくが滴る音以外に何もなかった。直径はざっとあなたの身長の二倍くらいだろう。
「暗いな…壁伝いに進もう」
あなたは暗がりの中を進み始める。入ってきてすぐは何も見えずよろけがちだったが、だんだん目が慣れてきてぼんやり洞窟の中が見えてくる。途中で湧き水もあったり、謎の草花やキノコがぽつぽつと生えていたり、何かガラス片のようなものが落ちていたりした。スニーカーのおかげでどうにかけがはせずに済んだようだ。驚くべきことに、道中には一切スライムやゴブリンなどのモンスターはいなかった。
しばらく進むと、あなたは最奥に到着した。そこには巨大な紫色の結晶があり、なんか魔王っぽい少女が封じ込められていた。破れた紫色のドレスを着ていて、小さいながらもツノがあり、肌が本当に真っ白だ。彼女はすやすやと眠っている。大人っぽい顔立ちだ。
「すべきことってなんだろう…とりあえず起こす?」
あなたは少し考えた後、水晶をノックすることにした。
「もしもーし?起きてますかー?」
「…」
反応はなかった。残念ながら起きないようだ。
あなたは少しうなり、しばらく水晶のそばに座ってスマホをいじることにした。…が、スマホを取り出したとたんに両肩に冷たい手が勢いよくのる。
「ねーねーそれなに?この世界にはないものだよね!」
「わあああ?!」
あなたが驚いて落としかけたスマホを、あわててその少女がキャッチする。
「はい、どーぞ!大丈夫?」
「あ、ああ…大丈夫」
「よかったー!ところで、その姿からして異世界から来たの?」
「まあ、たぶん。なんか神様がきて、すべきことがあるとかなんとか言ってて…すべきことって何だろ?」
「きっと私を手伝うのがあなたのすることなのよ、きっと!私もあなた、転移者をずーっと待ってたの!」
彼女は目を輝かせる。思いのほかぱっちりとした目だった。
「あたしはカーリタス!あなたは?」
「ミライだ、よろしく」
「よろしくー!…待った、誰か来てる!」
「えっ?」
カーリタスはすぐ水晶の中で目を閉じる。あなたは岩かげに隠れ、誰が来るのか見守ることにした。…が、思いもよらない人物だった。かなり背の低い幼女なのだ。
「カーリタスちゃん?起きてるー?」
カーリタスは目を開け、キョロキョロし、水晶の中からすうっと、しかし勢いよく出てくる。
「なーんだ、プーカちゃんかー!この通り起きてるよっ!元気?」
「うん、元気。カーリタスちゃんはどう?」
「タイクツだったね。でも今日はお客さんが来てくれたの!出てきていいよ、転移者ミライくん!」
「何その呼び方…」
あなたは困惑しながらも表に出る。
「わあ、変な姿の人」
「でしょー?そりゃ異世界からの人だもん!」
そこまで変な姿ではない、とあなたは心の中で反論した。いつもの灰パーカーにデニムの組み合わせ、それにいくつかの顔あざや古傷があるだけだ。
「ミライくんっていってね、異世界の光るちいさい箱を持ってるの!ね、見せてよミライくん!」
「いいけど壊さないでね」
「わーい!わあ、すごーい!見てプーカちゃん、箱の絵が変わるよ!」
「わあ、本当だ」
「…ってあれ?これなに?暗号??」
カーリタスはパスワード画面を見て首を傾げている。
「まあ、そんな感じ。後々詳しく説明するよ。ところで、手伝ってほしいことって何なの?」
あなたはカーリタスからスマホを返してもらいながら聞く。
「よくぞ聞いてくれましたっ!」
どや顔でカーリタスが言う。
「あたしの目的は、このセカイをモンスターも人間も仲良くできる、そんなセカイにすることなの!」
最近AIDungeonを遊びすぎて二人称(あなたは型)に慣れてしまいました。英語オンリーですが、Deeplという翻訳サイト(ソフト)を駆使して遊んでいます。いつか使わなくても遊べるくらいには英語力を付けたいです。
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©Crimsoncream256