結果オーライ。。。です
「なあ鹿島、お前がぐずぐずになってどうすんだよ」
「いや、俺もまさかあんな展開になるとは思ってもみなかったんだ」
次には生ビールをぐびっと飲んだ。
「人前で、さりげなく男前な行動で小梅ちゃんを落とす、っていう作戦だったのにな」
「まったく、さりげなくなかったけどな。パーティー終わってから部下に、あれは一体なんの茶番だったんです? って、笑いながら訊かれたし」
「結局、シャンパンを味見しただけに終わった……」
「お前、タコみてぇに赤くなったり、青くなったりでマジ笑ったっつーの‼︎ あー、思い出すと笑えてくるわー」
「お前、どこから見てたんだよっ。……もうなあ、あれから自分の恥ずかしさに気づいてだなあ……家帰ってから悶絶したわ、俺」
ぶはっと吹き出して唾を飛ばす大同におしぼりを投げつけながら、鹿島は苦く笑った。
あの後。
帰りのエレベーターの中。
小梅が、心配そうに言った。
「私、今日は大丈夫でした? なにもやらかしていません?」
パンプスのかかとから、バンドエイドがちらっと見えている。前回の靴ずれを顧みて、先にバンドエイドを貼っておいたのかと思うと、小梅の今回のパーティーでは失敗しないようにとの意気込みのようなものがわかって、心にじわっときた。
計画通りに、小梅をぐずぐずでめろめろにはできなかったけれど、小梅の意外に凛々しい姿を知って、鹿島は満足だった。
今日という一日が、本当に楽しかったのもある。
鹿島は笑いながら、「うん、小梅ちゃんがなにかをやらかすなんてことは、絶対に絶対にないからさ。安心して」
エレベーターが一階に到着するまで、鹿島は 心からの愛しさと一緒に、小梅を抱き締め、そしてキスをした。