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二十四話 道具屋のおっさん、鳥肌が立つ。


「はぁ、はぁ……まさかあんな展開になるとはなあ……」


 道具屋のベッドでエレネと抱き合う。イツデモキノコは早くも爆発寸前だ。


「ですねぇ。最後に酷い目に遭いましたね……んぅ……」


「うむ……うっ、出るっ、エクストラホワイトポーション出るっ!」


「あうっ……ぺろっ。美味しい……」


 ふうぅ……しかしあのハーフエルフのレベル、考えただけでぞっとするな。まさかあそこまでレベルが高いとは。こうなると勇者パーティーのレベルも気になってくる。おそらく、あいつらも相当な高レベルだろう。気が遠くなりそうだ。


 あれから1上がってレベル11になり、魔法攻撃力も17まで上がったとはいえ、雑魚兵士どもや愚民たちの虐殺じゃもう大して上がりそうにないし、なんかいい方法考えないとなぁ……。まあ時間はゆっくりあるんだ。あとで考えるとしよう。


「そういやエレネ、俺に串刺しにされたときどんな気分だった?」


「えっと、なんだか……体が熱くなったかと思うと、プツって……」


「プツッ……?」


「……その、達しちゃって、そのまま気絶するような感じです……」


「なるほどなあ。ありゃあ女の子しか味わえねぇ感覚だろうなぁ」


「……でしょうね」


「……やるか?」


「……」


「もっかい、やりたいんだろ?」


「……はぃ。ぎっ……」


 というわけで、即アソコから脳天目がけて串刺しにしてやった。二本目の兎の串刺し完成だ。


「ほら、エレネの大好きなチューだよ」


 当然、もう反応はない。血まみれのベッドで死んだエレネとのキスも最高だ。白目剥いちゃって……まさに絶頂といったところか。俺も尻の穴に刺して真似してみようかと思ったが、さすがに痛そうなのでいつものように喉を突いて自害した。ぐふっ……。




 ※※※




 あっという間に朝が来た。覚醒カードを手放したらすぐだ。


「おはようです、愛しいモルネトさん。ちゅー……」


「おはよー、愛しいエレネ、チュッ」


 もうエレネは俺なしじゃ生きていけないだろうな。自分からキスしてくるし、縛ってもいないのに逃げる気配すらなかった。


「……あ、あの……」


「ん?」


「……えっと、その……串刺しなんですけど、また今度お願いします……」


「……わ、わかった」


「嬉しいです……」


 まさかここまで気に入るとは……。こいつの変態パワーは底なしだ。


 っと、ぐずぐずしている暇はない。勇者パーティーが来てしまう。


 特製の白ポーションと黄ポーションを仕込んでから戸棚に置き、エレネと一緒にいつもの塀の後ろに隠れた。お、早速やつらの姿が見えてきたぞ。


「あの……」


「ん?」


「私も飲みたいです……」


「……あとでな。直で飲ませてやる」


「……わぁ。嬉しいです……」


「……」


 俺が引くくらい変態になってきたな、エレネ。元々素質充分だったんだろうが……。


 っと、会話してる間にあいつらが道具屋に入っていった。もうその時点で俺は口を強く押さえていた。こうしないと笑い声が漏れてしまうからだ……。とはいえ死んでも大丈夫なんだし、やつらがどんな反応してるか詳しく知りたいからもう少し近寄ってみよう。


「エレネ、カード頼む」


「あ、はい」


 ステータスカードを手に、道具屋の窓からあいつらの様子を覗き込んだ。


「――うげええええぇぇ!」


 勇者クリスが黄ポーションを叩き割ってゲロゲロ吐いてる。実に滑稽だ。ププッ……油断すると笑いそうになってしまう……。


「どうしたんだい、クリス。そんなに不味いのかい?」


「……う、うげ……お、おいライラ、飲むな!」


「ん?」


 クリスが止めたがもう遅い……。やつは既に濃厚な白ポーションを口にしたところだ。


「……ヴぉ、ヴォエェェエッ!」


「ブフッ……」


 だ、ダメだ。俺はしゃがみ込んで両手で思いっ切り口を押さえた。恐る恐る再度覗き込むと、怒り狂ったクリスとライラよって店内が凄い勢いで荒らされているところだった。普通なら胸糞な光景なんだが実に気分がいい……。


 まもなく魔術師アルタスと僧侶ミヤレスカが合流してきた。


「クリス、ライラ、これは一体どうしたというのかね」


「どうしたのです……?」


「この糞道具屋、〇便と△液をポーションの材料にしてやがった!」


「「ええっ!?」」


「クリス、言うんじゃないよ。あの味を思い出しちまうじゃないか! ああああっ!」


「ププッ……」


 ダメだ。こんなの卑怯すぎる。笑うなというほうが無理だ……。ただ、ライラが狂ったように暴れまくってるおかげで多少笑っても聞こえないし安心なわけだが……。


「ひー。最悪ですね。町のみなさんにこのことを訴えて、店の持ち主を晒し首にしないと……」


「うむ……。しかしまるで我々が来るのを察知していたかのような悪戯だ……」


「……」


 おいおい、あの魔術師アルタスっての妙に賢そうだな。って、なんだあいつ。床に落ちた特製白ポーションの中身を指で掬って舐めやがった……。材料が何か聞いたのに、嘘だろ……。


「うむ、実にマイルドだ……」


「ヴォエ!」


「アルタス、お前ってやつは……」


「ほんとーに変態ですねー……」


「最高の誉め言葉だ……」


「……」


 鳥肌が立った。あいつやばすぎる……。っと、そうだ。ずらかる前に勇者パーティーのレベルを確認しよう。


 勇者クリス――レベル4895……マジかよ。


 戦士ライラ――レベル2923……クリスよりずっと低いがそれでも高い!


 僧侶ミヤレスカ――レベル3421……結構高いんだな、あいつ……。


 魔術師アルタス――レベル6292……なんてこった。高いのは変態度だけじゃなかった……。

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