8話 シザークラブ
周りのスライムを狩りながら通路を歩いていく。まだ桃色のスライム狩ってなかったからまずは鑑定してみる。『ピーチスライムLv2』とでた。
「ピーチスライムは桃がでるのかな?」
「そうですね。ナオトさんだと何が出るからわかりませんが…」
……桃とイチゴミルク(ペットボトル)とハム?あと石。
「なんか、茶色い塊、でた。」
またネネが鑑定した。
ハム
――――――――――――――――――――――――――
豚肉を塩漬けにして加工したもの。そのまま食べてもいいが、スライスしていろんな料理に使える。
――――――――――――――――――――――――――
イチゴミルク
――――――――――――――――――――――――――
イチゴの果汁と牛乳に甘味を混ぜたもの。
――――――――――――――――――――――――――
なんかだんだんわかってきたかも。魔物の色のイメージででてる気がする。
一人で納得していた。
「あ、シザークラブ、いたっ」
考え事をしていたらネネがシザークラブを見つけたようだ。
「ん、どこ?」
周りを見渡すと沢山のスライムと人?がいた。どことなく歪な人はよく見ると手が蟹のハサミだった。
「……カニ?」
「シザークラブ。」
次の瞬間シザークラブが振り返りハサミを振り上げながら向かってきた。
「え、ちょっ、魔物というか怪人じゃね⁉︎」
突然の行動に驚いて威力を全く調整せず魔法を唱えた。
『ファイアーウォール‼︎』
放った魔法は通路に真っ直ぐ伸びて壁にぶつかった。
「…………」
「……」
「こ、こえ――よ!ビジュアルがっ」
「通路、魔物、0なた。」
夢こえーっ何でもありすぎてやばいわ!
「ナオトさん魔力の量多いから控えていただかないと通路瓦礫で埋めてしまいますよ……?」
「壁で近づかないようにしようとしただけだったんだけど、調整忘れてたわ…」
「誰もいなくてよかったです。」
そうか、夢でも人殺しとか後味悪いもんな。
「気をつけます…」
お互い困った顔で微笑みあった。
「アイテム、拾うの、で〜す。」
ネネはマイペースだ。
「ああ、そうだシザークラブは何落としたんだろう。」
目の前にシザークラブは向かって来ていたので、少し前の方に落ちていた。
……えーとどう突っ込んだらいいものか。
転がっていたものは二つ。高さはそれほど無い円柱状の金属。
どう見ても缶詰です。
そのうちの一つをネネが鑑定している。
蟹缶
――――――――――――――――――――――――――
加熱した蟹の身をほぐして軽く調味してあるもの。
――――――――――――――――――――――――――
「ネネ、もう一つも。」
受け取ったネネが鑑定した。
ツナ缶
――――――――――――――――――――――――――
加熱したマグロの身をほぐして油に浸したもの。
――――――――――――――――――――――――――
「どっちも、かたい、どう食べる?」
ネネは不思議そうに叩いたり振り回したりしている。
「ネネ、せっかくだからもう少し集めてみんなで食べよう。」
「みんな、で、ごはーん。…あ、おねーちゃんも、いい?ネネ、ごはん、取りに来た、だた。」
「クラスタもそれでいいかな?」
「あら、私もいただいていいのですか?」
「始めからそのつもりだったけど?」
クラスタは笑顔で頷いた。
それから前方に散らばったアイテムを集め『ディメンションウォール』の中に放り込んだのち、この階層でしばらく狩りを続けた。
相変わらずシザークラブの見た目に慣れず『ファイアーウォール』で包んで素早く倒した。
「初心者、狩り方怖い。火の、高さ足りない、から、首が、落ちてから、消える…生首、祭。」
ネネはアイテムを拾いながら言った。
「いや、でもこいつら向かって来てこわいしっ」
「生首も充分怖いと思うのですが…」
アイテムを集めている二人からすれば生首転がってきたら怖いんだな。
「最初、みたい、通路全部、燃やしたら、早い。」
「「それはだめっ」」
二人同時に叫んだ。ネネは「なんで?」と言う顔をしながらアイテムを集め続けていた。