表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
たとえばこんな異世界ライフ  作者: れのひと
第8章 夏休みは異世界で
75/75

73話 商人ギルドのウルファリア2

 今アストレアとウルファリアがにらみ合うような形で向き合っている。それを直人は後ろから眺め様子を眺めているところだ。


「がんばっているようねウルファリア。」

「やるからにはまじめにやるわよ…不本意だけど。」


 どうやらこの2人は知り合いのようだ。


「ナオト紹介するわ、彼女はバイゼンの代わりにここで働くことになったウルファリアよ。ちなみにここのギルマスの娘でもあるわ。」

「ギルマスっていうと…テルトゥーナさんか。…娘?」


 たしかテルトゥーナさんに犬のような耳はなかった気がするが気のせいか?


「なあ直人…ここきた目的忘れてねぇ?」

「ああわかってるよ。少し待って。」


 雄彦を適当にあしらった直人はアストレアたちとの会話を続ける。


「ところでバイゼンって誰だ…聞き覚えもないんだが。」

「あきれた…っ」

「知ってるかたけ?」

「いや、話みえねーし!聞いたことない名前だわっ」


 つまり…たけを連れて来るより前の知り合いってことか??でも商人ギルドに知り合いなんてテルトゥーナさんくらいしかいなかったきがするんだよな。


「ほらあれよ、祭りの時にナオトを閉じ込めたやつ。」

「…あっあーあーあーそういえばそんなのがいたな!」

「お、話解決?じゃあ今度こそ俺の用事を…」

「そもそもあれだ、名前初めて聞いた。」

「なるほど…それじゃあ名前いってもわかるわけないわね。」

「そう…あんたが原因だったのね…私が働くことになったっ」


 アストレアは納得したみたいだがウルファリアは気に入らないようで直人を睨みつけている。そもそも代わりに働くことになっただけで何が問題なのかわからない直人はただ首をかしげるばかりだ。


「あのねぇ…私は本来ならまだ働く年齢じゃないのっまだ遊んでいられたのに、あいつがいなくなったせいで…!ん…こらそこっ言葉が通じないのをいいことに怪しげなもんためさせるんじゃないのっ」


 早くから働くことになってしまったことを嘆いていたと思ったら、急にウルファリアが奥に向かって声を張り上げる。その声の先に視線を送ると今まさに渡されたものを口にしようとしている雄彦が目に入った。


「おい、たけ…なんだそれ?」

「ん、いやなんかな?会話に入れないでいたら声掛けられてくれるって言ってるみたいだったから貰った。」


 すでにその器のものを口に入れていたようで中身は大分少なくなっていた。


「まあ甘いしただのジュースじゃ…にぇ?…にゅ?うみゃくしゃべりぇにゃにゃ…ぶへぇっ」

「あーもうこれだから別世界の人間は…っ」


 といいながらあっという間に近づいていたウルファリアが雄彦の腹部に蹴りを入れていた。


「さっさと吐く!…ったく。あーもうあいつら逃げちゃったじゃない。…まあ命には別状はないはずよ、あいつらはああやって売れるものになるかどうか効果を試してるだけだから。」

「通訳…プリーズ……なんで俺、蹴られたの?」

「なんか実験台にされてたって。」

「まじか…!」

「どうやら吐いたら効果なくなったみたいね。あ、ちゃんと掃除はお願いね?」

「たけ…掃除しろってさ。」

「意味わかんねぇ~~っ」


 雄彦が片づけをしてる間カウンターに戻ったウルファリアに直人は話しかける。気になっていたことがあるのだ。


「えーと…ウルファリア。もしかしなくてもたけの言葉理解出来てるの?」

「タケ…?ああそこのね。わかるわよ、『日本語』でしょ?ふふ…だって私元『日本人』だもの。」

「え…でも耳が…あれ?転生?いやでもそれならアストレアはたけの言葉がわからないのになんで…」


 疑問に思ったことをそのまま口に出していた直人を見てウルファリアがくすりと笑う。でもその笑顔はすぐに曇ってしまった。


「転移よ…まあ教えてもらっただけだから詳しくは私じゃわからないんだけどね。私がここに来たのは5歳のときだったの。もう10年この世界で暮らしているわ…で、この耳だっけ。小さいころに商人達が登録に来るものをいつも眺めててそののときに手にしたものが起動してしまってこの姿に…ね。それを作成した人はさっさと逃げちゃって未だに見つかっていないの。多分その人なら治せるものを作ってくれると思うんだけど…顔も名前もわからないのよね。まあそんなわけで、その人を見つけるためにもここで手伝いとかしているわけってところ。」


 5歳じゃきっと何もわからないままこの世界に来たんだろう…僕だったら耐えられるだろうか。


 そんな思いもあった直人はウルファリアを元の世界に返してあげたいと思った。だけど帰る手段はあるが彼女がどこに住んでいた人なのかを覚えているかわからない。自分が5歳のときのことを思い出してみようとしてもかろうじて周りの人の名前程度しかわからないきがしているからだ。


「えっと…僕なら日本へ返してあげられると思うけど。住んでた場所とか覚えてる?」

「…わからないわ。それにこの耳だから無理ね。」

「もちろんそれを直した後だ。」

「そうね…あっほらまたそこ!ちょっとえーと…ナオト?あなたのお友達カモにされてるわよっ」


 話が中途半端になってしまったがたけを放置して置くと危険そうなので、また今度1人できたときにでもするとこにしてさっさとたけを回収した。 


 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ