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たとえばこんな異世界ライフ  作者: れのひと
第8章 夏休みは異世界で
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71話 夏休みが始まった

まとめをやろうと思ってたけどだらだらやってたら遅くなってしまったのでまとめをやめて本編更新にしました。

 夏休みに入り直人たちは異世界に入り浸っていた。直人の行動は気まぐれで、2人のどちらかに付き合ったりこの世界の住人達とかかわったりと自由奔放に動き回っていたのだが、雄彦は暇さえあるとダンジョンに飛び込みレベル上げをしていた。

 「まるでVRゲームみたいだよな~」というのが口癖になるくらい遊び歩いては死にかけて戻ってくることを繰り返しているのだ。ゲームではないのだから死んだら終わりだと言うことがわかっているのかいないのか、「まあバカにつける薬はないってことでしょう?」と芳香に言われつつも続けているあたりきっと本物のバカなんだろうという結論のもと放置されていた。


 一方芳香は異世界で過ごす時間を利用してさっさと宿題を終わらせ、受験勉強に励んでいた。たまにスライムのぷるんちゃんを連れてダンジョンへ息抜きにうろつくくらいだ。


「なあ直人。」

「ん?」


 するとある日雄彦が直人に話しかけてきた。


「なんか殴り続けるの飽きたわ。」

「……は?」


 いつも1人でダンジョンに行ってしまうため直人は知らなかったのだが、雄彦の話を聞いてみるとどうやらずっと素手で狩りをしていたらしい。武器も防具も揃えずただ殴り続けていたのならよく死に掛けてくるのも納得のことだった。


「お前バカだろう…」

「いやでも…お金稼げてないし店もろくに知らないし?」


 この言葉に直人は思わず頭を抱えた。


「狩りで手に入れたアイテムとかどうしたんだよ。」

「あー…あれってほとんど食いもんだからさそのまま食べたわ。」

「食べ物はわかったが…他は?」

「他…?そーいえばたま~~になんか石ころが出てたけどまあ石だし放置したわ。」


 あーうん…なんていうか本当にバカだわ。


 もちろん直人はそんなことは口には出さずただひとつため息をついた。


「その石今度は拾ってこいよ…鑑定したら売れるからさ。」

「まじで?」

「うん、そしたら武器とか装備買えるだろう?」

「ちょっと早速いってくるわ!」


 言いたいことを言い終わると雄彦はさっさとダンジョンへ再び1人で向かった。そんな様子を眺めていた芳香はあきれつつも口を開いた。


「ねぇ、雄彦勉強しないでいいのかしら…というかそもそも宿題終わってるのかな?」

「知らないけど、多分終わってない気がするね。」

「やっぱり?…ともうこんな時間私そろそろあっち戻るからお願い。」




 芳香を送って戻ってくるとダンジョンから帰ってきた雄彦が宿で待っていた。


「芳香送ってきたのか?」

「そうだけど雄彦はまだ帰らなくていいのか?」

「ああ、直人のとこに泊まるって言ってあるから数日なら問題ない。たまには帰らないと怒られそうだけどな!それよりよ…石ってこれだよな?」


 すっと雄彦が取り出した石をすぐに鑑定すると、それは直人がよく拾う原石の1つだった。


「うん、これでいいよ。」

「冒険者ギルドに持っていけばいいのか?」

「んー…売ったことないからわからないけど、たしか商人ギルドに売ったほうが高いって聞いた気がする。」


 最初にこの世界に来たときにネネに教えてもらったことを思い出した。祭りで魔法具を売るのに使用したので単体で売ったことがない直人には値段はわからない。次の祭りの時にまた作って売れば資金にも困らないのであわてて売る必要もなく、これからも売る予定がないのだ。


「いくらになるかわからないけど少しでも高くなるところに売ればある程度装備とか買えるんじゃないかな。」

「うっし、じゃあ早速行ってくるわっ」


 バタンと大きな音をさせながら外へ飛び出すと足音が遠ざかっていった。


「装備か…そういえば買ったことなかったな。僕も見に行ってみようかな…」

「しまった場所聞いてなかった!」


 再び大きな音をさせながら雄彦が戻ってきた。


「それ以前に文字も読めないし会話も出来ないのに1人でいくなよ…」

「それも忘れてたわっ」


 これは翻訳機みたいな魔道具とか考えたほうがいいのか…?


「で、どこよ?」

「あー僕も一緒にいくからちょっと待って。商人ギルドの場所王都のほうしか知らないからそこでいいよね?」

「王都…新しい場所か!そこもダンジョンあるのか?」

「あるけど…いくの?」

「もちろんだ。流石に魚貝の相手ばかりだったから飽きてたしな!」


 雄彦を『ディメンションウォール』に放り込んでさっさと王都にいく。相変わらず門の前は人の列が出来ていた。


「そういえばこの列に並んで入ったことないな…」


 目の前にある人の列を見ながらため息をつくと直人と雄彦はその最後尾に並んだ。


「もしかしなくてもここ並ばないと入れないのか…」

「ん~他にも手段はあるけど…でもな~」

「そっちのが早いならその手段でいこうぜっ」


 一応前に並んでる人に声をかけ聞いてみると日が暮れるまでに入れればいいほうだという話しだったので、直人はしぶしぶ雄彦とともに『ディメンションウォール』の中に入った。

 『ディメンションウォール』経由で他の人のとこから王都に入る方法にした直人はどこからいこうかさらに悩む。すでに王都にいるかもしれないテンタチィオネかアストレア、もしくはネネ。地下都市にいることがわかっているサラキア経由でダンジョン『フラカン』に移動したのち魔道具でクラスタのもとへ。


「さて…どれが一番平和かな。」




 

 

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