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たとえばこんな異世界ライフ  作者: れのひと
第7章 現実世界
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65話 異世界にいこう2

 目の前にあるガタガタと揺れる扉に手を掛けてみる。いつもなら簡単に開くはずがなぜか開かない。何度か直人は声を掛けてみるがどうやらこっちの声は届いていないのか会話がかみ合わないようだ。


「1人ならあっちにいけるし、ちょっと説明してくるかな。」

「おーいってらーっ」


 雄彦に一言いって『ディメンションウォール』から出た直人は『転移』を利用して異世界へと飛んだ。飛んですぐ『ディメンションウォール』から人の気配を感じ中へ入ると、そこにはアストレアと雄彦がいた。


「直人ー異性人がいる!」

「ナオトー変なのがいるわっ」


 2人は直人の顔を見ると同時に叫んだ。ぱっと見た感じ服装の違いはあれど2人は普通の人には見えるのだが、どうも様子がおかしい。


「いや…ちょっとまって。」


 …あれ?異世界に飛んでから中入ったからここ異世界だよね??雄彦『ディメンションウォール』の中のままこっち連れてきちゃった…ってこと??


 2人に少し待ってもらい考えて見るとどうやらそういうことらしい。


「ねえ雄彦ちょっと一緒に外出てみてくれる?」


 直人はヴィータのダンジョンがある浜辺に『転移』してこの『ディメンションウォール』を開いている。つまりこの外は浜辺と言うことだ。


「……なんだこりゃ~~っ!」


 外へ出た雄彦が叫び声を上げる。さっきまで直人の部屋にいたはずなのに、次に出たときは目の前に海が広がっていれば驚くのも無理はない。


「ななな直人ここって…?」

「うん、異世界だよ。」

「まじかーーーーっ」


 大騒ぎの雄彦は置いておくとして、どうやら『ディメンションウォール』に入ったまま連れて来てしまったようだ。海に向かって雄彦はひたすらに叫んでいる。


「ねえナオトその変なのなんなの…見た目は人みたいだけど、何か奇怪な音を出すんだけど…」

「奇怪な音…?」


 後から外に出てきたアストレアが海に向かって叫ぶ雄彦を指差し訝しげな視線を送る。


「あー…もしかして言葉が通じていない…とかかな?」

「えっナオトはあの音が意味のある言葉だというの??」

「雄彦、紹介するからこっちきて。」

「ん?そういえばその人はなんで宇宙人語しゃべってたんだ??」


 どうやら雄彦にも言葉が理解出来ていなかったみたいだ。というか宇宙人語ってなんだ…


「えーとこっちが雄彦っていって僕の世界の友達だよアストレア。で、こっちがさっき話していたこの国の王女様のアストレアだよ雄彦。」

「「………」」


 紹介すると2人はお互いを見ながらかたまってしまった。お互いが違う世界の人間だと知って軽くショックを受けているようだ。


「…で、アストレアは何か用があったのかな?」

「あ…っそうよ!ここしばらくナオトが顔出さないからどうしたのかと思って毎日扉叩いていたのよ!ネネもダンジョンに連れてってくれないって言ってたわよ。」


 そうか時間の流れが違うらしからあっちで2日でもこっちでは結構経っているんだっけな。


「ごめん…ちょっと魔道具の実験でうまくいっちゃって…元の世界へ帰れたんだ。」

「それは…おめでとう?…いやいやいや、じゃあなんでここにいるのよっ」

「なあ直人…こいつさっきからうるさくね?何喚いてるんだかわかんねーよ…」

「それに帰れたんなら私が覚えようとしてるのはもういらなくなってこと??」

「直人、それより俺ステータスってアプリ欲しいんだけど!」


 2人がそれぞれ違う話をしてくる。流石にこの状況に直人は耐えられなくなった。


「あーーもうっ2人とも一回黙ってくれ!」


 直人が怒鳴ったのを初めて見たアストレアは驚いた顔をして黙る。一方雄彦は少しだけ失敗したなーと言う後悔を顔に浮かべていた。


「どうやら2人は言葉が通じないみたいだから会話は順番に。」

「はい…」

「おう…」


 2人が大人しくなったのを確認してから直人は会話を続けた。


「じゃあまずはアストレアのほうからね。簡単に言うと魔道具を試していたらかなり効果の高いものが出来てね、ためしに使ってみたら帰れちゃったんだよ…それで向こうで1日半くらいかな?過ごした後こっちに来て見たわけ。」


 簡単に雄彦を連れてきた理由も付け加えアストレアに説明をする。


「で、雄彦。アストレアは僕が元の世界に帰れるように召喚魔法を覚えようとしてくれてたんだよ。ひとまず今はこのくらいの説明でいいかな?」


 細かいことは後で話すことにして、ひとまず今はここから立ち去ったほうがよさそうだ。さっきからダンジョンにやってきた人がこちらのほうを眺めている。


「それでステータスだっけ。」

「そうそれ!」

「それなら冒険者ギルドでステータス表示パネルに置けばいいよ。」

「冒険者ギルド!」


 目を輝かせながら雄彦はこちらを見ている。


「アストレア、どうやら冒険者ギルドへ行きたいみたいだから連れて行こうかと思うんだけど、アストレアはどうする?」

「そうね…もう少し色々聞きたいしこっちのことは何も話していないからついていくわ。」


 どうやらアストレアもついてくるみたいで3人で冒険者ギルドへ行くことになった。 


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