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たとえばこんな異世界ライフ  作者: れのひと
第7章 現実世界
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62話 現実の生活

 商店街にむかう道すがらにスマホの電源を入れる。1人暮らしということもあり持ち歩くことが許可されているのだが、校内では電源が入れられなかったからだ。昨夜充電しておいたので今は電池は満タンになっている。


「あ、今日は金曜だっけ…」


 スマホを操作し電話をかける。親戚の家に週に1度の定時連絡だ。今週も無事学校が終わりましたと言う報告と、学校から保護者への連絡を伝えるためだ。もうじき夏休みなので一度保護者が学校に顔をだし進路についての話があるはずだ。


「これでよし。」


 報告の電話を終えると直人は進路のことを考えつつも、明日明後日のことが楽しみで軽く足が速くなる。ほぼ毎週のことなのだが今回直人の感覚では1ヶ月ぶり。


 さて、今回は何を用意しようかな…炭酸やスナック菓子は必須だろ?とりあえず昼はピザでも頼むとして…夜は2人で調理だ。毎回迷うんだよな…たまには雄彦も決めてくれればいいのに。


 文句を言っても仕方がない。直人は商店街で色々店によると自宅へと帰って行った。




「ただいまー…まあ誰もいないけどね。」


 少しの間いろんな人と行動をともにしていたせいか、誰もいない家に帰るのは少し寂しい気がする。腕輪をポケットから取り出し機能しないのはわかっているが腕にはめる。これがなかったら夢だったと思うところだっただろう。


「ちゃんとお礼したかったな。まあ父さんと母さんがあっちで元気にやってるのがわかっただけでもいいか。」


 部屋へ行き荷物を降ろしてくると買い物した荷物も片付ける。夕食にするのは少し早いのでとりあえずテレビをつけてみる。ニュース番組やおなじみのドラマ、子度向けのアニメなどが放映されている。アニメに興味がないのでニュースをチラリと見ただけでテレビは消した。


「あ、そういえばもう冷凍ご飯なかったっけ…」


 朝冷蔵庫を確認したときにないことを確認していた。立ち上がった直人はお米を炊飯器にセットするとたきあがり時間をセットした。今日は炊きたてご飯が食べられる。毎回多めに炊いて1食づつ小分けして冷凍するのだ。これで冷凍がある間はチンするだけで食べられる。


「………」


 やっぱ1人は静かだな…とりあえず風呂いくかなまあシャワーだけど。


 先に風呂を済ませることにし、シャワーを浴びて戻ると炊飯器から蒸気が上がり始めていた。もう少ししたら炊き上がるだろう。直人は自分の部屋に戻ると宿題を終わらせる。これが学生のつらいところだ。成績にかかわらないのなら放置したいもののひとつでもある。土日と遊び倒すつもりなら今やっておくしかないだろう。


 宿題も終わったので今から夕食だ。時刻は19時過ぎたところで少し宿題に時間がかかっていたようだ。今日の夕食はさっき炊いたご飯とインスタントの味噌汁。それと商店街で買ってきた煮魚とカップに入ったサラダ。異世界にいたころ煮魚を食べなかったのでちょっと食べたくなった。


 自炊がもう少し出来るといいのだけど…まあこればかりは慣れていくしかないからな。


 直人はまだ自炊がいまいちできず土日に練習中だ。近所に幼馴染の女の子とかいたら作ってくれたかも知れないがそれは夢を見すぎだ。いるにはいるが料理が出来ないから作ってはくれない。まあ作れても作ってくれるかもわからないわけで…期待しても仕方がない。


「いただきます。」


 目の前に並べた食事を食べ始める。久しぶりの味噌汁と煮魚だ。いつもの惣菜屋さんで買ったものだが少し懐かしく感じてしまう。


「ん…相変わらず少ししょっぱいな。」


 久々の味に直人の顔も少し緩む。文句をいいつつもぺろりと平らげた。


「ごちそうさま。」


 食器を片付け、ご飯を小分け袋に入れさめるまで放置して置くと再び自分の部屋へ戻る。今から休んだ3日分を取り戻さなくてはいけない。雄彦に借りたノートを教科書を見比べながら確認をする。


 受験が控えているから仕方ないけど…面倒だな。


 ものの5分で手が止まる。ばたついたけど楽しかった異世界の生活を思い出してしまったのだ。


「はぁ…『ディメンションウォール』」


 使えないとわかっていてもついたまに試してみたくなる。すると目の前に小窓程度の扉が浮かんだ。


「あれ…使えるのか??」


 恐る恐る手をいれ水のペットボトルを取り出してみる。ちゃんと取り出せた。味も確認する確かにただの水だ。それからいくつか物を出し入れしてみるがちゃんとできることを確認。扉のサイズが小さいのが気になるが問題なさそうだ。こうなってくると昨日使えなかったのがなぜか気になるがわからない。


 まあ使えないよりはいいから気にしなくてもいいか…?


 最後にもう一度中から水を取り出すと『ディメンションウォール』を閉じた。結局魔力がどうなっているのかは不明だが使えないことはないらしいことが判明して、再び異世界へ足を運べるかも知れないと心が躍った。


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