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たとえばこんな異世界ライフ  作者: れのひと
第6章 実験
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60話 転移10

……………

………

……出来てしまった。



 転移6

知っている人の横に移動する。建物の中には出られない。距離:長距離



 これに原石を加工したものを取り付けるとこうなる。



 転移10

知っている場所ならどこへでもいける。距離:∞

 


 距離の制限がなくなっている。それと知っている場所とはどこまでが知っている場所となるのかがよくわからない。たとえば話しに聞いてそういう場所を知っているとか。地図を見てその場所を知っているとか…後はあれか、この先が地上に繋がっていることを知っているとかか。名前だけ知っている場所とかはどうだろうか…流石にこれは無理かな。

 まあなんにしてもこれも順番に試せばいいだけだ。


「中距離を確認する必要がなくなったな…」


 出来上がった腕輪を眺めながら直人はつぶやいた。何度か使用確認をしたら人数分作ることにして、まずはこの先ダンジョンを出た外へいってみることにする。

 『ディメンションウォール』から出る。階段の上30階を眺めると、まだ門番がうろついているのが見える。


 まあ転移10をためすからどうでもいいか。


 距離を気にしなくてよくなったのでまずはここから知っている場所で一番遠い場所『ヴィータ』のダンジョン前の海へ飛んでみることにする。


 一瞬だった…ほんの瞬きの間に目の前は岩壁ではなく、海になっている。突然現れた直人に驚く人もいたが、転移という存在が知られているので、いきなり現れたことにだけ驚かれただけだ。


 さて、次は先ほどまでいたダンジョン『モート』の地上の出口。そこは地上があると言うことだけしか知らない場所だ。いけるかどうかわからないが試してみることにする。


 再び一瞬だ。さっきまで目の前は海だったのが、どこか森のような場所に出た。周りを見ると木々の間に壊れた建物の残骸が多数あるのが見られる。きっと元村だったのだろう。絵本にでもあったスライムの氾濫で人が住まなくなった村…


 と言うことは…直人はすぐ後ろを見ると封鎖された洞窟跡のようなものを見つけた。


「ここがダンジョンの出口…?」


 だとすると…あのままダンジョンを上ってきても外に出ることは出来なかったわけだ。


「ん?こんなところで何してるんだ?」


 封鎖された洞窟の入り口を眺めていると背後から声を掛けられた。どうやら森を移動中のこちらの陸地の人のようだ。


「あ…えーと迷子です…ここはどこでしょうか?」

 

 一瞬だけ何行ってるんだこいつって顔でこちらを睨んだように見えたが、今この人が向かっている先、森を抜けたところに『フォレット』という町があることを教えてくれた。この男と別れたあと地図をだし確認するとたしかに存在する町のようだ。中央の島が今までいたところでその島の一番南が『ヴィータ』だ。そのさらに南に渡ったあたりに『フォレット』と書かれていた。つまり今いる場所はその両隣のどっちかだった場所と言うことだ。


「でもへんだな…」


 マリーナスは中央の島の北のほうにある。そこからこっちの南側に繋がっていることになる。


「まあ昔のことだし魔方陣でならどこでも繋げるか…」


 気にしてもわかりそうもないので考えるのをやめた。

 問題はそれよりも、こっちの陸地はやはり普通に人が住んでいたことだ。逃げたのが一部の人たちで氾濫も処理されたと言うことだ。今となってはダンジョンも塞がれていて機能もしていないくらいだから、危険もない。


 ダンジョンを抜けた先の地上。この程度の知っているでも飛べることが確認された。次はまったく行った事もない地図を見て場所を確認したところへ飛んでみることにする。


 折角だからここから一番北。中央の島から海を渡った先にある『ノーリス』。この町へ飛んでみることにした。


 やはり一瞬でついてしまう。目の前に見えているのはよく見慣れたビル、ビル、ビル…コンクリートで出来た見慣れた四角い建物。


「え…?」


 一瞬元の世界に帰ってきたのかと錯覚をする。後ろを見ると森がありこの極端な感じが異世界をかんじさせた。町の入り口に立っていた人を捕まえて話を聞くと、町の名前は『ノーリス』。ちゃんと予定通りの場所に飛んできていたらしい。なんでも500年ほど前にここの町はこんな建物ばかりになったそうだ。


「流石にこれは驚いたわ…帰れたのかとおも…」


 いやまてよ…距離が関係なくなって知っている場所ならいけるんだろう?もしかしたら…


 直人は思い浮かべた。自分の住んでいた世界。そして自分の部屋を…そして『転移』を使用すると、視界がぶれたあと急激な眠気に襲われその場で倒れてしまった。

 意識を失う直前すごく懐かしい匂いがした気がする…

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