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たとえばこんな異世界ライフ  作者: れのひと
第6章 実験
54/75

52話 ドール

「なんでネネかここに?」

「え、家が、近く、だから?」


 言われて気がついた、そういえばここの冒険者ギルドエルフが多い上に人間族がくるの久しぶりだと言っていた。もしかするとエルフの住処とかがあるのかもしれない。


「むしろ、初心者が、いるほうが、驚き。なんで、ここへ?」

「飛んでたら落ちた。」

「ああ…理解。」


 ネネは頷くとこちらをじっと見つめている。


「忙しい?違うなら、ダンジョン、いこ。」

「ダンジョンか~」


 いつまでに用意するとか期限があるわけでもないので忙しくはない。ただ、また変なのが出るのではないかという不安がある。


「ネネ、どんな魔物が出るんだここのは。」

「スライム、ドール、トレント、あたりが、低階層にいる。」

「名前を聞く限りは普通っぽいけど…」


 きらきらとした目をネネがこちらを見ている…


「じゃあ、いこ?ダンジョン『ケレス』へ。」






 半ば強引にネネにつれられダンジョン『ケレス』にやってきた。大樹の根元にぽっかり穴が開き、そこから下へと降りていく階段が見える。


「入り口は今までで一番まともだな…」


 中へ足を踏み入れるとあたり一面色とりどりのスライムがいた。その中の数匹がこちらへ向かって飛び掛ってくる。


「え、ちょ…」


 あわてて避け『フレイム』で倒す。人形焼と石を落とした。


「ん…?人形焼…スライムじゃないのか?」


 今までスライムは飲み物や果物くらいしかドロップは見ていなかった。ここにきてお菓子が出れば疑問に感じるのが普通だ。今度は倒す前に鑑定をかけてみる。そういえば魔物に鑑定をかけるのは初めてなきがする…




 ドール

――――――――――――――――――――――――――

 今まで会った事がある魔物や人物に姿、能力を変える魔物。ドロップはドールの自身のアイテムとなる。

――――――――――――――――――――――――――



「まじか…これがドール。」

「ん、2人で、知ってる、魔物に、変わるよ。」


 なかなか厄介な魔物だ。今のところスライムとスライムとスライムしか見かけないが、そのうちあいつとかあいつとかあいつがでてくるかもしれないのだ…


「ネネ帰ろう…」

「だめ、これもっと食べたい。」


 ネネはいつの間にか人形焼を食べ終え、もっと欲しいといいだした。この世界の住人にとっては変わった食べ物だったのだろうが、直人には別に珍しくもなんともない。


「もっと、狩って、くれたら、森の外へ、案内、する。」

「別に1人でも森は出られるよ…」

「無理。エルフの、案内が、ないと…10日は、かかる。」

「…え、そんなに?」


 どうやら思ったよりも森は複雑な作りをしていたらしい。まっすぐ抜ければいいとばかり思っていたのだが違ったようだ。


「ネネなら、1日で、出られる、よ?」

「ぐ…っ…わかった、地下2階までだからな?」


 そういうと直人とネネは魔物を狩るのを再開した。しばらくはスライムと見た目スライムなドールばかりだったが、たまに巨大なアリや蜘蛛が混ざり始めた。まあこれも『フレイム』で落ちるので問題はない。順調に狩り進め地下2階へと足を進める。


「ここを奥まで行ったらダンジョン出るからな?」

「ん、わかった。」


 やはりここもスライムはいるようだ。進んでいくと目の前からスライムが飛んできた。


「…スライムは空飛べるのか?」

「違う。あれ…」


 指を指している方向を見ると、ダンジョンぎりぎりまで身長のある大きな木が、枝をしならせスライムを引っつかみこちらに向かって投げつけてくる。


「あれは…もしかしなくてもトレントか?」

「あたり。」

「スライムがかわいそうに見えてくるな…」


 飛んでくるスライムは避けるかナイフでも構えていれば問題はない。問題があるとすればあの大きなトレントだ。まあ木だからきっとよく燃えるのだろうが…


『ファイアストーム』


 火の竜巻がおきる魔法を使う。これなら上まで一気に燃えそうだ。流石にサイズがサイズなだけに燃えきるのに時間がかかってしまった。


「初心者、これ、なに?」

「トレントのドロップアイテムかな…」


 トレントはチョコレートとチョコレートと石を落とした。


「それもお菓子だよ。」

「!」


 食べ物だとわかるとネネはすぐにかぶりついた。


「ふぁ…何これ……」


 チョコレートを食べたネネは少しうっとりとした顔で手元を見つめている。余程おいしかったのが一口食べてはニヤニヤしてをくりかえした。食べ終わるのを待ってから再び奥へと進む。無事3階の入り口まで来た2人は引き返すことにする。


「トレントはあんまりいないんだな。」

「地下3階なら…もっと、いるのに…」


 残念そうな顔をしながら2人は地上を目指した。ドールは毎回姿が違うらしいのだが、今回はあいつとかあいつとかの姿に変わることがなく、無事帰ってこれて直人はほっと胸をなでおろす。


「初心者、約束。森の外案内、する。」


 ネネの後について進むと半日もかからず森の外に出られた。目の前には山がある。


「この山を、こえたら、テルース。」

「……すまんネネ。僕は反対方向に出たかったんだ。」

「ふぉ…」


 王都に戻るだけなら『ディメンションウォール』でいいんだからこっちのわけがないよね…

 2人は顔を見合わせ困った顔をした。


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