42話 祭りの準備2
祭りの前日。今日は出店者集まっての準備になる。自分達が出す店の場所に簡易露店の設置をするのだ。それがすむと露店のご近所さんになる店に挨拶をし顔を合わせておく。
直人たちが出す店の場所は丁度真ん中辺りで通路の右側だ。この場所もかなり重要で、王都にいる人たちはどうせここに住んでいるのだからといろんな方向から店へ訪れるが、外から来た人たちは入り口側から主に見て歩くので、奥に行くほど不利になる。城の手前の噴水広場まで露店が続くのでかなり距離があり、途中で引き返してしまう人もいるからだ。
「ふぃ~露店の組み立てって思ったより大変なんだな…」
「そりゃそうよーだから前日にやるんでしょうがっ」
オルガの指示に従いながら露店を組み立てていく。明日から3日間ある祭りで自分で販売をするための場所だ手を抜くわけにもいかない。
「それにしてもよかったのかな…」
「何が?」
「一緒に出させてもらえるからさ。場所も半分近く消費しちゃうし…」
「あーそんなこと?気にしなくていいわよー」
手をパタパタと振りながらオルガは笑っている。本当に迷惑している顔はしていない。
「実はね…私予定数作れなかったのよねっ」
「…は?今なんて…」
「数作れなかったって言ったのよ。」
露店を組み立てる手は休めずにオルガがそんなことを言った。
「もしかして僕のせいで時間が足りなかったとか??」
「違う違う。材料あればどこでも作れるじゃない。ただ私がサボりすぎただけよ。後で怒られそうだわっ」
相変わらずオルガは笑ってばかりだ。
「まあいいのよ。元からアクセサリーとかってそんな売れるものでもないから。」
やはりそうか、この手のものは気軽に買えるものでもないから数は出ないんだな~
「そうだ、はい、依頼書。終了印押してあるから後でギルドに報告いっておいでよ。」
「あーそうか。依頼は5日だったね!」
「そうよーだから一応依頼は終わり。」
「ありがとうっ」
依頼書を受け取り『ディメンションウォール』にしまい、露店が組み立て終わったらギルドに顔を出そうと思う。
「おや、今回お隣はラスティンさんのとこかい。」
左隣で露店の組み立て作業をしていた人に声をかけられた。どうやらオルガの知り合いらしい。
「あら、隣なの。うちのナオトの商品1つあげるからそっちの新商品是非味見させてね?」
「オルガ勝手に決めないでよーっ」
「えーだってリーネさんの串焼きとってもおいしいのよ?今年も新しい味とかあるのかなっ」
どうやら隣は串焼き屋さんのようだ。
「んーそれがね~今年はアイデアが出なくて去年と同じなのよね…」
「あら、残念。でもおいしいのだから問題ないわよねっ」
毎年新しい味出してたのか…それならアイデアがなくなってきてもしかたないよな。でも串焼きか…明日買ってみようかな。
「あ、そうだ。祭りの販売日程とかどうなってるの?」
「ん、ああ。一応朝から並べるけどこっちは。ナオトはナオトで決めればいいんじゃない?そっちと違ってこっちは完成品を並べて売るだけだから、多少は手伝えるわよ?」
「あら、ラスティンさんのとこは販売方法が2種類あるのね。」
「そうなのっこの子がその場で作るというから楽しみにね!」
リーネさんは頷くと露店を完成させ帰って行った。直人たちもあらかた終わったのであとは当日の準備だけとなり、この場で解散する。
そうだ、商人ギルドに顔を出さないと。
先ほど受け取った依頼書を手に直人は商人ギルドに足を向けた。
ギルドの扉を開け中に入ると、がらんとしている…準備に出てしまっており、受付をする人が1人いるだけだ。まあ祭りで依頼を受けたり報告も少ないのだから問題はないのだろうが、1人はまずいんじゃないだろうか?
「すみませーん。依頼の報告いいですか?」
「あ、どうぞーっ」
「祭りの準備で人いないんですね…」
「ええ、もう少ししたらみなさん戻ってくると思いますけどね~」
「祭り当日もこんな感じなんです?」
「まさかっ2~3人体制ですね。交代で祭りのほうにも手伝いにまわります。」
雑談をしながら依頼書とギルドカードを手渡し処理をしてもらう。報酬は金貨1枚だ。
「あ、金貨1枚と銀貨10枚どっちで渡します?」
「えーと銀貨でお願いします。 あ、2枚は銅貨20枚に変えてもらってもいいですか?」
「あーそうね。お祭りだものね。」
よく考えたら直人は細かいお金を用意していなかった祭りで使うかもしれないしなんといっても店でお釣りがいるかもしれないからだ。ちなみに売り上げは直人は別に回収し、材料費と場所代手伝い費込みを売り上げから後でラスティンに支払うことになっている。
「はい、どうぞ。銀貨8枚と銅貨20枚。それとギルドカードね。」
「ありがとうっ」
ギルドカードを受け取るとFがEに変わっているのを確認した。いよいよ明日からお祭りの始まりである。




