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たとえばこんな異世界ライフ  作者: れのひと
第4章 異世界を楽しむ
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38話 救助活動2

「ごめんアストレア。相手が多分大きいから他の魔法じゃないといけなかったんだ。」

「そ、そうなのね…次は1撃で沈めてね…?」


 余程大きなアリがいやだったんだな。ネネは全然平気そうなんだが…


 大きなアリが消えていくのを傍で座り込んでネネが眺めている。早くアイテムを確認したいようだ。アリが消えた後に転がっていたのはジャガイモと黒っぽい石であった。


「ん、野菜?」

「みたいだな。まあ進むか。」


 さっきまで先頭を歩いていたアストレアは今は2番目を歩いている。真っ先にアリと対峙することを避けたいようだ。今は直人が先頭を歩いていく。

 ひたすらスライムとアリを倒しつつ進んでいく。アリは先ほど確認した魔法の『フレイム』を使用してみたらあっさりと倒れた。小範囲の火柱魔法のようで、ついでに近くのスライムも巻き込んでいた。中々便利。


 そろそろ1階層が終わるのだが子供達は見当たらない。下へ降りる階段が見えてきた。仕方ないのでこのまま2階層へと足を進めるのであった。


 さて、ここは何が出るのだろう…


「スライム。アリ。」

「そうだねネネ。相変わらずその2匹はいるね。」


 おかげでアストレアが役に立たないままだ。しかもアリの遭遇率がやばい。そのまましばらく進むとやっと違う魔物に遭遇する。


「うわぁ…」


 このダンジョンはどうやら浅いところは虫系のようだ。目の前にあわられたのは大きく白い蜘蛛だ。アストレアをほうを見る。すでに硬直しているようだ。今にも倒れてしまいそうで危険。


「アストレア、子供達探しにきたんだよ。こんな大きな魔物がいるところにいるかもしれないんだよ?」

「わ、わかってるわ!でも嫌いなものはしかたないじゃないっ」


 白い蜘蛛を『フレイム』で焼きながらもアストレアに現状を理解してもらう。もちろんネネはアイテムが出るのを待っている。


「だからこうして我慢して…ん?」


 キョロキョロとアストレアが周りを見渡す。


「今声がしなかった?」

「もしかして子供達かも…」


 蜘蛛のアイテムは回収していないが2人はすぐに声のしたほうへ走り出した。途中にいたアリはさっさと燃やす。


 その通路の先に人を見つけた。子供達だ。思ったより奥まで流されずにすんだようでほっとする。だが、状況はあまりよろしくない。蜘蛛と1人の男の子が対峙している。その辺で拾ったただの棒切れを構えている。その足元には蜘蛛の糸でぐるぐるにされた男の子が1人、さらにその後ろに小さな女の子が座り込んでいる。


「く、く、くるなーーーっ」」


 目を瞑りむやみやたらに棒切れを降りまわす。あのままでは足元の男の子のようになってしまう。今にも蜘蛛が飛び掛りそうに動いたときアストレアが動いた。あっという間に男の子と蜘蛛の間に滑り込みレイピアで一撃、蜘蛛を切り捨てたのである。


「怪我はないか?」

「うん…おねえさんかっこいいね…」

「ふっふぇ…うわぁ~~~んっ」


 女の子はとうとう泣き出してしまった。余程怖かったのだろうそのあとアストレアに抱きつきしばらく泣きつづけていた。


 蜘蛛の糸で巻かれた子は糸を切ってあげると元気に起き上がった。窮屈だったらしくノビをして体をほぐしている。3人の回収が無事にすみ6人でダンジョンの外へ向かう。


「それにしてもよく1日近くも無事だったね。」

「ん?ああ。あいつらスライムのほうが好物みたいなんだ。だからこうやって…」


 そういうと男の子は近くにいたスライムをアリに向かって投げつけた。すると最初に見かけたときのようにもしゃもしゃとスライムを食べ始めた。


「ね?数匹投げつけておけば逃げれるでしょ。」


 つまりスライムを投げつけづつ逃げていたのだが、体力が持たず蜘蛛に襲われることになったということらしい。

 ダンジョンの外へ出ると真っ先に冒険者ギルドへ顔をだし子供達を引渡し後を任せることにした。


「子供達も見つかったし帰るか。」

「そうね。もう用もないし。」

「ちょ、ちょっとお待ちください~」


 すぐにでも帰ろうと思ったらギルド職員に止められてしまった。


「何かしら?」

「あのギルドのほうからお礼を申し上げます。」


 断ろうと思った直人だったが、アストレアが言うにはもらわないほうが後で面倒になるというので、お礼を受け取ることにした。ネネは現金で受け取り、アストレアは今日来たことを内緒にしてくれるだけで他は断った。そして直人だが少しのお金とギルドランクをEからDに上げてもらえることになった。


「ギルドランクなんてすっかり忘れてったな…」

「報酬の、多い依頼、受けれる、ように、なる。」


 いずれ帰ってしまう直人にとっては生きていける最低限で十分なのだが、まあお金はあって困るものでもないしおとなしく受け取ることにしたのだ。


 帰りは楽なものでネネは『ディメンションウォール』でイレーネの元へ。直人とアストレアは魔道具でクラスタのところへ飛んだ。3人がそれぞれ帰るころには日も落ちていてアストレアがものすごくしかられたのは言うまでもない。今にも捜索隊がだされる寸前であったのだから…

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