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たとえばこんな異世界ライフ  作者: れのひと
第4章 異世界を楽しむ
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36話 山間町テレノ

「ふぉー、すごい、なに、これ?」


 うさ野郎のブランコのようなものに乗り、ルージェ王都の北にある山の山頂付近を飛んでいる。どうなっているのかわからないが風の影響はほとんど受けていない。ちなみに進行方向に向いて座り前にネネ、後ろに直人が座っている。


「ネネさんや、立ち上がるのは危ないから座らないかい?」


 興奮のあまり立ち上がって前方をみていたネネはしぶしぶ座った。いくらネネが小さいからといえ立たれるとさすがの直人も前の状況がつかめず不安になる。


「初心者、の、けち。」


 頬を膨らませブスッしているがまあ問題ないだろう。後でダンジョンのアイテムでもあげれば機嫌も直るというものだ。


「御主人、町が見えてきましたけど、あそこでいいのかな?」


 うさ野郎が言う方向を見るとたしかに町がある。どうだろうヴィータと同じぐらいの大きさだろうか。1つ違うところといえば山間にあって閉鎖的はところだろうか。


「ちょっとまって確認してみる。」

《アストレア聞こえる?》

《聞こえてるよーそろそろつくころかしら?》

《山間に町があるのだけどここでいいのかな。》

《うん、そこでおけー》

《ありがとう。》


 アストレアにお礼を言うとうさ野郎にその町でいい事をつたえ、ほんの少しだけ町から離れた場所に下ろしてもらうことにした。


「さて…」


 町の門の外から中の様子を見る。一応衛兵が立っているようだ。流石にたくさんのスライムが流れてきただけあって多少は建物が壊れたりしているようだ。入り口のところに人が少し並んでいるのが見える。町に入るために並んでいるのだろう。

 「おい、冒険者は今入れないんだって。」「何でだ?」「なんかあったみたいだぜ。」「商人とか町の住人は入れるみたいだが。」すれちがって帰っていく人の声だ。


「初心者、どうするの…入れないって。」

「ふむ…」


 たしか商人と住人は入れるって今いってたよな…


「ネネ、これから僕が相手と会話するから、とりあえず黙って頷いてくれ。」

「何か、考え、あるの?わかった。」


 しばらく待つと直人達の番になったようだ。


「次の人。」


 すっと直人とネネはそろって前へでた。


「ん?冒険者は今入れないぞ。また今度出直してきてくれ。」


 どうやら衛兵は2人の服装を見てそう判断したようだ。実際間違っていないのでたいしたものである。だが今回はそれで引き下がるわけにはいかない。直人は懐からギルドカードを取りだした。もちろん出したのは商人のギルドカードだ。


「おや商人でしたか。して、荷物はどちらに?」

「『ディメンションウォール』の中だ。重い荷物を持ち歩くのはきつそうな山だったんでな。」

「なるほど。で、そちらのお嬢さんは?」

「ああ、こっちは護衛にやとった冒険者だ。こう見えて結構腕がたつ。」


 ネネは言われたとおり大人しく頷いている。同じようにギルドカードを見せた。こちらは冒険者ギルドのものだ。


「え…Aランクなるほどこれなら頷けます。」


 どうやらこれで通れそうだ。確認を終えた衛兵は軽くお辞儀をし、「ようこそテレノへ。」と言うと門の中へ通してくれた。それから人目を避け、建物の影にいったん入る。


「これから、どうする?」

「ここまで来てしまえばアストレアも呼べるんじゃないか?」

《おーいテレノの町に入ったぞ。》

《ん、少し待て…》


 ほんとに少しの間だった。気がついたときには横にアストレアが立っている。


「おまたせ。状況はどう?」

「あんまよくなさそうかな。」


 町にすら簡単に入れなかったことを説明する。


「よく入れたわね…」

「これですよこれ。」


 ひらひらと商人のギルドカードを見せる。


「あら、いつの間に登録したの。まあその話しは今度聞かせて。」

「で、イレーネが言うにはダンジョンにいるんじゃないかって話なんだが…」

「たしかに、私も流されたことありますし。」

「で、だ。アストレアはここのダンジョンがどこにあるか知ってるか?」

「…知らないわ。」

「仕方ないひとまず冒険者ギルドに行ってみるか。」


 それから冒険者ギルドの前に来ると扉を開き中へと3人は入っていった。中はとても静かで人がいなかった。こんなことがあったからみんな忙しく出払ってしまっているのだろうか。


「人、いない。」

「あらほんとね…」


 入ってすぐ入り口のところでどうしたものかと足をとめ、中の様子をぐるっと見回した。普段賑わっているはずなのに誰もいない。


「あら、冒険者さん?」


 奥の扉から女の人が出てきた。


「今町の復興以外の依頼は出ていませんよー?」


 顔を出した女の人はめがねを掛けて両サイドに三つ編みで髪の毛を束ねた文系少女のような見た目をしている。


「あの、お聞きしたいのですが、ここのダンジョンはどこにあるのでしょう?」

「ダンジョンですか?…あなた達もしかしなくても外から来たのですか?」


 ギルド職員の女の人はにらむようにこちらを見ている。


「ちょっとアストレア様に似てるからってなんでも話しが通ると思わないでくださいね?」

「え、私アストレアです。」

「まあ~よくそんなうそをつけるものですね。王女様がろくに護衛をつけず、連絡もなしにこんなとこに来るはずがないでしょうがっ」


 うん、普通はそうだよね…


「もうーほんとうなんですけどっ」


 と言いながらアストレアはギルドカードと王族の証明として腰の剣の装飾を見せた。そこにあるのは王族の紋章のようなものだそうだ。手渡された女性はまじまじとカードと剣を見つめる。


「ほ。ほほほ本物ですかぁ~!」


 本物だと確認すると女の人はあわててその場で地面に頭をこすりつけた。


「すすすすいませんでしたーーーっ」

 



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