表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
たとえばこんな異世界ライフ  作者: れのひと
第3章 勇者修行開始?
30/75

28話 宝箱

 実際水があるわけではないが水の中にいる錯覚を覚える、ここ『サラキア』ダンジョン地下2F。直人とアストレア、ネネの3人は卵を狩りに来ていた。ネネの目的は卵ではなく直人のドロップだ。アストレアも転生者ということで同じようなドロップをするがまだネネは知らない。前回1Fで狩りをしたとき『シザークラブ』はすべて直人の『ファイアーウォール』で首だけが残るという酷い狩り方になってしまったわけだが、今回は比較的落ち着いて『ファイアーボール』でしとめ進んできた。火魔法のレベルが上がったときにいつの間にか覚えていたものだ。だがその威力はやはり魔力が多いためおかしく一般的な頭サイズではなく、通路半分のサイズもあり、上半身だけ消滅するというまあ頭だけよりはまし程度。


「なあ、ここは何が出るんだ?」

「んと、1Fと、変わらない。むしろ、シザークラブ、多め。」

「………」


 ネネの言葉を聴き直人は固まった。その後すべてを『ファイアーウォール』でなぎ払ったのは言うまでもない。

 3Fに降りる階段を見つけるころには流石に直人は疲れ切っていた。


「一掃する必要ないでしょう?」

「私は、缶詰、いっぱい、嬉しい。」


 呆れ顔のアストレアと違いネネはホクホク顔だ。直人はついていくのに精一杯なようなのでしばらく後ろに待機する形で後をついていった。

 階段を降り3Fに到着目的地まであと2つだ。


「3Fはもう違うのだよね…?」


 半ば懇願するかのように直人はネネに確認する。


「うん。スライムは、いる。シザークラブは、いない。」

「ん?じゃあ他に何がいるの??」


 疑問に思ったアストレアがたずねた。


「ボックスベイ、がいる。」

「「?」」


 なんだそれは。


 直人とアストレアは顔を見合わせる。わからないのだ。


「すぐ、わかる。運いいと、武器、防具、出る。」


 出る…。ボックス言うくらいだし宝箱みたいなものか?


 よくわからないが何か箱っぽいものが出るようだ。2人の後ろをついていく。そういえば2人の狩りをするとこを見たことが無い。ネネはアイテムを拾ってばかりだったし、アストレアはスライムを眺めてばかりだった。2人をよく見てみる。ネネは武器をもっていない。どうやって普段狩っているのだろうか?アストレアは腰に細身の長剣を装備している。レイピアというやつだろうか?

 しばらく歩いていると目の前に大きないわゆる二枚貝というやつがいた。貝の種類はよくわからない。するとネネが突然何も持たず弓を引くような動きをした。すこしづづ光が増し、よくみると光でできた弓に光の矢を番えていた。

 

「ふっ」


 まっすぐ貝に向かって光の先が走る。矢は貝に刺さるとそのまま消えた。さされたほうの貝を眺めてみる。ガタガタとゆれ口を開き消えた。


「ん~はずれ。何も、でなかた。」


 しょぼ~んと効果音が聞こえてきそうなほどネネはがっかりしていた。


「今のがボックスベイ?」

「ん。そう。動かない、から、初心者とか、装備、集める、チャンス。」


 貝の形をした宝箱ってことでいいのかな?


 「わー次私倒したい!」


 次見かけたらアストレアが運試しをするようだ。ダンジョンをそのまま進みネネが欲しがるのでスライムは撲殺。角を曲がったところで『ボックスベイ』に遭遇した。

 スラリと剣を鞘から抜きアストレアがペロリと唇をなめた。


「何がでるのかなっと!」


 軽やかな動きで剣を2回ほど振った。動きが早くいまいち見えなかったが貝が十字に切れ込みがあるところを見ると十字に切ったということはわかる。貝が消えた。


 ガラガラガシャーンッ


 大きな音を立て金色な金属らしきもがいくつか落ちた。


「「「………」」」


 腕や足の形をしたものや兜だろうか?そんなパーツが混ざっている。拾い上げてみるとぼちぼち重たい。腕のパーツらしきものを鑑定してみる。


 黄金の鎧の右腕

────────────────

 純金で出来た黄金の鎧の腕パーツのひとつ。重いだけで防御力は低い。

────────────────


「これすごいね…装備というか換金アイテムじゃないか?」

「「!?」」


 二人もあわてて鑑定をしているようだ。


「これは…どうみても売り物だわ。」

「ふおおおぉ。金持ち、食べ放題。」


 その後2人の目の色が変わり狩りまくったのは言うまでもない。どうやらアストレアは防具系ばかり出ているようだほとんど重装備が多く使えないのだが、たまに程よいのが出る感じだ。現に皮でできた軽装備を直人が装備している。少しだけ冒険者っぽい見た目になった。ずっと学生服でいたが上着はすでに着ておらず白いシャツとズボンだけだったのだが、そこに急所を守るための防具がついた。

 ネネはドロップはたまにしかないがどうやらアクセサリーが出ているようだ。簡易シールドがでる腕輪とか、魔法攻撃力の上がるイヤリングとか、脚力増強アンクレットとかだ。すべてネネが装備している。

 そんな感じで3Fを探索し終わり4Fの階段を下りることになった。直人の疲れも落ち着いてきたので4Fからまた直人も参戦する。


「4Fも同じなのかな3Fと。」


 ネネにこの階層のことをたずねる。


「少しだけ、ちがう。」

「どう違うのかしら?」

「スライム、ボックスベイ、シザークラブ…」


 これはまた階層丸ごと一掃コースですかね?


 目的の階層の手前でまた直人は疲れることになりそうだと遠い目をした。その後しばらく魔物がいなくなっていたのは言うまでもない。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ