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たとえばこんな異世界ライフ  作者: れのひと
第3章 勇者修行開始?
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24話 帰る方法

「ちなみに母は私がアイドルしてるの知っているわよ。だってここの建設とかは母のつてだもの。さらに衣装は母の手作りよ?」


 そう言うとアストレアは衣装の裾を持ってくるくる回り出した。微笑ましい光景を見ているとつい顔も緩んでしまう。


「……なんだちゃんと笑えるじゃない。ずっとつまらなそうな顔してたから、笑えないのかと思ったわ。」


 どうやらずっと笑っていなかったようだ。


「そんなに笑えてなかったですかね…?」

「ずっと困った顔ばかりしていたわよ。」

「アストレアもその喋り方のほうが無理なくていい感じだよ?」

「「…ぷっ」」


 2人は顔を見合わせ笑い出した。


「なに、どうした、の?」

「さあ〜なんなのかしら〜」

「私も、まぜてー」

「じゃあ〜私も〜?」


 よくわからないまま姉妹も一緒に笑い出した。1人テンタチィオネはその様子を眺めている。ひとしきり笑いあった後楽屋を後にし、ダンジョン『フラカン』に戻って来た。途中まだライブの名残か人々が沢山うろついていた。アストレアのグッズとかもっている人もいたくらいだ。

 ダンジョンに戻って来た頃にはもう日はすでに落ちていてアストレアの護衛完了報告を済ませ、アストレアは城へ帰り、姉妹も家に帰ることになった。


「私、カイナさんと2人残されて会話も出来ないし凄く気まずかったんですが……」


 そういえばクラスタのことをすっかり忘れていた。合流するととても困った顔をしていた。ちなみに今はルージェ王都の宿に戻って来ている。


「地下都市でしたっけ?私も一度行ってみたいですねー」


 宿で食事をとりつつこれからのことを考えてみる。アストレアと別れる前の会話を思い出してみた。


「ほんとうに勇者として行動を取るつもり?魔王を倒せるレベルになるまでどれだけ時間がいると思う?代替わりさせるにしてもきっと同じくらいかかるんじゃないかしら。召喚術のことは詳しく知らないけども、ほんとうに他に方法はないの?」

「他の方法か……」

「たとえば召喚術を習ってみたらまた違ってきたりしない?」


 そんなことを言っていた気がする。

 召喚術は気軽に習えるものなのかどうか…


「父さん。召喚術って誰でも使えるものなの?」

「召喚術?まあ、素質とかもあるかもしれないが教えてもらえれば使えるんじゃないかな?」


 まずは教えてもらって見ないとわからないと言うことかな?


「父さんが僕に教えることは可能?」

「可能かどうかで言えば可能。だが、許可がないと教えられないのが現実。まあ、目的は果たしたし宮廷魔術士首でも構わないんだが、直人を帰す前に辞めてしまうと帰せなくなるかな。」


 なるほど。それは困る。


 少し考えてみる。召喚術も色々手段があったりしないだろうか。


「それって父さんがやらないと僕は帰れないってことになるよね?もし…父さんが僕を帰す前に死んでしまったらどうなるのかな……」

「ん?ああ。色々出来るんだが今回は帰還の魔法陣を使わない限り帰れないようにしたんだ。召喚の魔法陣に情報を書き込んで使うのだが、術者が死んだら強制帰還とかもあるな。」


 つまり今回は術者が魔法陣発動しないと帰れない。


 食事が終わり各自部屋に戻った。ひとまず明日はまたダンジョンに行く予定になっている。テンタチィオネは明日はサラキアのとこに行くから不在らしい。


 魔王を倒すつもりもないのにレベル強化は意味がないよなー。


 ベッドに寝転び考える。


 確か帰るためには魔王討伐という条件がある。討伐じゃなく魔王の交代でも多分大丈夫かもしれない。もしくは自分で召喚術を覚えて見れば何かがわかるかもしれない。

 つまり、魔王をなんとかするか召喚術を覚えてみるか。今出来そうなことはこの2つになるわけだ。


 明日、まずは王城に行ってみるかな。


 アストレアと王にあって見よう。召喚に関しては何か理由があれば教えてもらえるかもしれない。


 魔王討伐のための仲間の召喚とか?自分を鍛えるための人物の召喚とか?あーむしろ魔王を召喚して従えてしまえれば解決とか?流石にこれはないか。


 考え事をしていたらいつのまにか意識は夢の中へと落ちていった。


 気がついたら朝になっていた。窓からさす光が眩しくて目が覚めた。クラスタの部屋に顔を出してみる。クラスタは部屋で多少物音がするところをみると、まだ寝ているようだ。テンタチィオネはすてに部屋にいなかった。サラキアの所に行っているのだろう。

 一階に降り食事を済ますことにする。まだ早すぎたのか食事に来ている人は少なかった。


『ディメンションウォール』にしまってあるもので食事済ませればいいか……


 二階に戻り『ディメンションウォール』の中に入った。食料をしまってある棚からすぐ食べられる物をだし、食事を始めた。ハムとサイダーを今日は食べる事にした。

 今日のこれからのことを考えつつハムをかじる。


 バターンッ


 大きな音がして扉が開いた。


「あら、いたの?」


 アストレアだ。もともと会うつもりであったがいきなりの訪問に流石に驚いた。食べていたハムを落としそうになる。


「おっと。今日何かあったかな?」

「ん?またダンジョンにでも行くならついて行こうかと思ってね。まあ、気にせず食べてよ。」

「ああ。」


 ひとまず食事を済ませてしまおうと食べ進める。その時視界の端に何か動くものを見つけた。


「……ん?」


 それは何やら布をかぶっていた。


「あーーそういえばパッセロだかコロンバだかの卵放題してたっけ……」


 近づいて鑑定してみた。



???

―――――――――――――――――――――――――

飛行型召喚獣。契約をすることによって能力や姿、名前が変わる。主に偵察や飛行移動用に使われる。偵察は小型、飛行は大型な生き物に変化する。

―――――――――――――――――――――――――



 これ召喚術覚える理由に出来るんじゃないかな?


 そんなことが頭に浮かんだ。

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