1話 初めまして夢の国
「うわっ!」
驚いて飛び起きた。
ベッドに寝ていた所を見ると、どうやら夢だったようだ。
「あー驚いた〜」
「どうかされましたか?」
「いやね、もう死んだかとおも…」
「ご無事でなによりです。」
「……」
……だれ?
というか自分の部屋じゃないし‼︎
辺りを見回して見ると、全く知らない部屋だった。目の前には長い金髪を一つの三つ編みで束ねた、青い目の少女が心配そうに覗きこんでいる。
あれ…?
今言葉が通じていたような……
あー…まだ夢の中っていうことかっ
「あのー…」
一人で納得していると、再び少女が話しかけてきた。
「わたくしは、クラスタ。この町で冒険者をしております。」
冒険者?ずいぶん楽しそうな夢だな!
でも…夢ならもうちょっと状況がわかりそうなものなんだけど、まったくわからん。なんでだ?
そうだ!
「直人、白石直人。」
「しろ…?」
「あー、ナオト・シライシ。名前が直人だよ。」
「ナオトさんですか。」
「ところで…ここはどこ?どうやら名前以外何もわからないかもしれない…」
記憶喪失のふりをすることにした。まあ、知らないのは嘘だじゃないし?いいよね?
食事しなが話そうということで、移動することになった。後について階段を降りていくと、食堂のような所にでた。どうやらここは宿のようだ。
テーブルにつき注文をすると、
・ここは港町『ヴィータ』
・生命の守護神に守られている
・冒険者ギルドなど、色々ギルドがある
と、ザックリと説明してくれた。
せっかくだから冒険者とかやってみたいよなー
「そのギルド?に行けば冒険者になれるのか?」
「ギルドで登録すれば誰でもなれます。でも…」
クラスタは少し困った顔をしていた。
「ナオトさんは浜辺で倒れていたんですよ?」
「ん?そうなんだ⁇」
「町周辺の魔物は弱いのに…」
あーなるほど。心配されてるわけね。
「あ、そうでした。これを…」
クラスタは小さめな麻袋を渡してきた。
受け取るとそれは程々にずっしりとしている。
「倒れていた周辺に落ちていましたのでナオトさんの持ち物かと。」
「どうも?」
身に覚えはないがとりあえず受け取ると、
「そうだ、ステータスを見ましょう。」
「ステータス?」
ステータスがあるのか…
ステータスはギルドであればどこでもみることができるそうな。
「冒険者を勧めていいのかの判断材料にしましょう。」
と言うので、二人で冒険者ギルドに向かうことになった。