表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
たとえばこんな異世界ライフ  作者: れのひと
第1章 白石 直人
10/75

9話 働いた後のご飯が目にしみる

「そろそろ、終わりにしよう。ちょっと疲れて来たし。」

「あ、魔力がだいぶ減ってしまったのかもですね。」

「シザークラブ、素手で、やれる、レベル。魔法が、いけない。」

「素手は勘弁。」


 残っているアイテムを拾い、ダンジョンの外へ向った。外に出ると日が傾き始めていた。


「君達も引き上げるところかい?」


 ダンジョンの入り口であった少年だ。


「ああ、そうだよ。」

「お互い無事でなにより。それではまたどこかで。」


 少年は目の前から消えた。


 前クラスタが消えたのと同じだな…魔法?スキル?


「さて、どこで食事にしましょうか。」

「あーそうだな。ネネ、おねーさんはどこにいるんだい?」

「『ディメンションウォール』の、中。」


 それならすぐ合流できるな。


「じゃあ一度僕の『ディメンションウォール』の中行っていいかな?放り込んだ荷物が散乱してるんだ…」

「そうですね。整理しておきましょうか。」


 ネネも頷いたので、三人で『ディメンションウォール』の中へ入って行った。

 中は酷い惨状だった。沢山のペットボトル、石、メロン、桃、アボカドにハム。缶詰や魚が足場のないくらい広がっていた。おまけに魚とハムのせいで匂いが気になる。


「これはやばいな……」

「宝の、宝庫?」


 絶対違う。


 ネネは目を輝かせている。


「まずは何からやりましょうか。」

「そうだな、魚とハムをそれぞれ収納棚に入れよう。」


 三人で手分けして棚にしまった。次に残りの物を種類別に小山にした。


「少し…狩りすぎたかもしれませんね。」

「片付いたけど、まだ匂いが残ってるなー」


『クリーニング』


 クラスタが唱えた。


「どうですか?匂いだけならとれたはずです。」

「ああぁーそれっ部屋を綺麗にする魔法だったのかっ」


 もっとちゃんとステータスをみておこうと思った。


「もう、おねーちゃん、呼んで、いい?」

「あーいいよ。」


 返事を返すとネネは出入り口の隣で『ディメンションウォール』と唱えた。


「初心者も、一緒、きて?一人じゃ、運べない。」


 …運ぶ?


「わかった。クラスタちょっと行ってくるね。」

「私はここにいますね。」


 二人で『ディメンションウォール』の中へ入って行った。

 中に入るとまずは全体を見回してみた。思ったよりも広くはなさそうだ。


 6畳くらいか?


「ネネ、『ディメンションウォール』のレベルは?」

「8、だよ。」


 8だとこの広さなのが。


「ふむ。ところでおねーさんは?」

「こっち」


 ネネが指したほうを見ると扉があった。扉の前に立つとノックした。


「おねーちゃん、入る、よ?」


 扉を開けて中に入って行った。一人で残るわけにもいかず、後をついて入った。

 部屋の中央に床につきそうな緑の髪を垂らした女性が座っていた。ネネはその女性の膝に座り込んだ。


「お帰りなさい〜。ネネ。」

「おねーちゃん、仕事、おわり?」

「うん。もう終わったよ〜。ところでそちらはどなた〜?」


 女性は振り返りもせず言葉を投げてきた。


「白石 直人。ナオトといいます。」


 女性の前にまわり、軽くお辞儀をした。相手の顔が見える…柔らかく微笑んでいた。


 やばい。笑顔が眩しすぎる!


「じゃあナオちゃんね〜?私はネネの姉でイレーネ。よろしくね〜。」


 ますます眩しく感じた。


 いやほんと、光ってるんじゃっ


 『ビシッ』『ビシッ』、ネネが二人の頭にチョップを入れる。


「おねーちゃん、悩殺スマイル、やめる。初心者は、負けたら、だめ。」


 特技が悩殺スマイルなようだ。


「え〜。ナオちゃんかわいいからかまいた〜い。」

「ぜひお願いし…」


 『ビシッ』『ビシッ』再びチョップされる。


「お、し、ま、い。」


 ネネの迫力に負けてしまった。


「初心者、おねーちゃん、歩けない、から、運ぶ。ちなみに、目も見えない。」

「え、でもさっきちゃんと視線があった気がしたんだけど。」

「見えないけど見えるのよ〜」

「どゆこと?」


 イレーネが説明を始めた。

 目は生まれつきみえなかったこと。それを補おうと努力した結果まわりの様子がわかるようになり、さらに見えないものまで見えるようになったこと。


「見えないもの?」

「未来よ〜。正確には少し違うのだけれど、未来って色んな選択肢の先にあるものでしょ〜?その先にある未来が少し見えるの〜。」

「おねーちゃんは、これで、仕事、してる。」

「未来予知か。凄い。」

「でもね〜見えた未来の内容は教えないの〜。知ってしまったら面白くないでしょ〜?だから私は先に危険があるかないかだけ、教えてあげるの〜。」


 と言ったとこで、少し曇った顔をした。


「自分の危険がわかれば…こんなことにはならなかったんだけどな〜」


 イレーネはスカートをギリギリなラインまで持ち上げた。綺麗な脚があるのかと見ていたら、それは足の先から膝の上まで石になった脚だった。


「目が見えない上に自分のことは見えないから〜50年ほど前に魔物がダンジョンから溢れて〜逃げれなくて、石化魔法かけられちゃったの〜あと100年もしたら心臓に届いちゃうかな〜?」


 言葉が出なかった。自分の死期を知りつつこんなにも明るく出来るなんて。


「直す事は出来ないのか?」

「出来ないこともないよ〜?ただ難しいの〜。」

「どうすればいいんだ?」


 イレーネは少し考えたあとこういった。


 高位の回復魔法を高魔力で使用する。もしくは、石化をかけた者が死ぬ(倒す)。それか、石化をかけた本人に解除してもらう。


「今のところは〜無理かな〜と〜?」


 だからネネはダンジョンに行くのか。どの魔物かわからないが可能性にかけて…


「だから、今は、ご飯だよ?おねーちゃん、運んで?」

「ああ、わかった。」


 イレーネに手を伸ばし抱きかかえた。いわゆるお姫様抱っこである。


「ナオちゃんが連れて行ってくれるのね〜ここらが出るの凄い久しぶり〜お礼しないとね〜」

「未来予知、する?」

「じゃあそうしようかな〜」


 そういうとイレーネは僕の頬を両手で包んだ。少しすると包んでいた手が震えだした。


「イレーネ?」


 次の瞬間、イレーネは自分の口を押さえて泣き出した。


「そ、そんなに悪い未来だったのかっ⁉︎」

「違い…ます〜」

「……?」

「ナオちゃんの未来で私、自分で歩いてた…っ」


 それは同時にナオトがイレーネのために行動を起こした証明であった。二人はイレーネが落ち着くまで待つことにした。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ