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さんじゅうななこめ。
目の前に佇むは
自分の背丈の何倍もある
真っ白なキャンバス
私の手には
筆はない
絵の具のセットやペンキの缶が
床にいくつも転がっている
わたしは
その中から
好きな色を拾っては
手で塗っていく
ペタペタ
ペタペタペタペタ
塗っていく
何度も塗っているのに
キャンバスは真っ白なまま
頭に疑問符が浮かぶ
ふと上を見ると
そこには
たくさんの蝶々が
ああ
絵の具じゃなかったんだ
ごめんね
蝶々さんたち
勝手に起こして
でも寂しいから
もうちょっとだけ
一緒に居ようよ




