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にじゅうはっこめ。
息ができない
けど
苦しくは無い
不思議な感覚が
脳を麻痺させる
ふわふわ
ゆらゆら
麻痺していく
手が動かない
草原なのかな?
そういうところで仰向けになって
寝ている
「好きだよ」
隣から声が聞こえる
「結構君の事好きだよ」
隣の少年がリュックを背負って私に言う
「私も好きですよ」
微笑んで私は答える
頭に花の髪飾りをつけて
また眠りにつく
空が藍色になっていく
少年が静かに透けていく
草原の感覚が無くなっていく
こうして
二度目の夜を
迎えて眠る