27/44
にじゅうななこめ。
ぽたりぽたり
涙が落ちてくる
これは誰の涙？
これはお母さんの涙
空から雨のように降ってくる涙で
私は溺れそうになる
揺れる水面が肩ほどまで来たときに
空に向かって呟いた
「そんなに泣かないで」
すると更に涙の雨は増えていき
涙の海は水面が上がっていった
空から声が降ってくる
「私は居ないほうがよかったのよ」
・・・・・・。
・・・・・・。
ぽたりぽたり
涙が流れてくる
これは誰の涙？
これは私の涙
やめてやめて
お母さん
私はお母さんが居ないと
生きられないの
どこかで
水の音がした
