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にじゅうごこめ。
海の中
ふわふわ
海の中
マンボウと踊る
月夜の中
月明かりのライトを浴びて
サンゴのステージの上で
覚束ない足取りで
マンボウと踊る
楽しい楽しいと笑いながら踊っていると
不注意で
手が離れてしまった
少し離れただけなのに
マンボウは融けて消えてしまった
くじらがそっと背を撫でなだめてくれた
涙がこぼれる
ぽろぽろ
零れる
なだめてくれたくじらが
私の手を取って再びステージへ
「彼はもう寿命だったんだよ」
「最後の相手が君で嬉しかっただろう」
そう言うくじらと踊って
さようなら
また
踊りに来ます