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にこめ。

ゆらゆらと煙が空に向かって上っていく

紫色の煙がゆらゆらと

まるで意志を持つかのように揺らめき漂うその煙は

真っ白な部屋の中で酷く色を帯びているように思えた


ぐるぐる

ぐるぐる


私の周りに懐くように絡みつく煙の帯

少しだけ煙たいけれど

別に平気

少し時間をおいて現れたのは


口紅のような鮮やかな朱色の蝶


ゆらゆら

ふわふわ


私の周りを周りながら言葉を放つ


「もう帰らなきゃいけないの?」


と、蝶々が言葉を放つ

その瞬間ぶわりと蝶の群れにより視界が狭められ覆われ見えなくなった

次に見たのは細やかな銀の装飾が施された大きな扉

蝶々達が口々に私に向かって帰るかどうかを聞く中

私は言葉を射った


「もう帰らなきゃいけないのよ」


射った言葉は蝶を押しのけ扉の中央

鍵穴に吸い込まれては反響した


さよなら、ばいばい

紫の煙と朱色の蝶

私はそのまま扉をくぐった

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