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じゅうさんこめ。
やぁこんにちは王子様
君のお姫様はどちらにいるの?
「何処にも居ない。捜してくれないか?」
そんなお願いをされても
君のお姫様は
僕の指輪の中
返せと言われても
嫌だよ
彼女は僕のものだよ?
にやりと笑って王子を見ると
短剣持って泣いていた
それは彼女のお姉さんの物だろう?
返しておいで
さもないと
僕が君を刺しちゃうよ?
王子は言うことを聞かない
聞けない
聞けない
髪と引き換えの剣は
王子の胸に入っていった
するりと
ゆっくりと
入っていった
嗚呼、
これで彼女は助かるんだね
良かったね
僕だけのお姫様
これからはずっと一緒だよ
御伽噺は
破られ消えて
僕の元へ