二つ目の七不思議「音楽室のピアノ」
今度の七不思議は有名なもの。
誰もが一度は聞いたことがあるのではないだろうか?
音楽室
音楽の授業で使用したり、吹奏楽部や音楽部などの部活動の部室として使用したりと小学校からある特別教室。
樺沢高校も例外ではなく、吹奏楽部が部室として使っており、普通に打楽器や管楽器のケースが置いてある。
その音楽室の七不思議…それは、「音楽室のピアノが勝手に鳴る」というものだ。
◇◆◇◆◇◆◇
零時二十二分。
その時間ピッタリに音楽室を訪れるとピアノの鍵盤が勝手に動き、音を奏でる。
見る者によっては、そのピアノは青白く光を纏うように見えるとかなんとか。
実際には、ピアノだけではないらしく打楽器や現在は使用されていない管楽器など色々な物が演奏されているのだが、ピアノの音がよく聞かれているというので「音楽室のピアノ」という名前が付けられた。
二人だけというレアケースではあるが、全ての楽器で演奏されていたことがあったらしい。
曲は、最近流行りのJPOPから音楽といえばというようなオーケストラまで様々。
しかし、流行りのJPOPを弾いていても、誰もいない状態のため、恐ろしいのだが。
そして、そんな音楽室を訪れる者が一人。
「こんばんはー、ロロたん起きてる?」
眩しいくらいの笑顔で音楽室に入ってきた人物、それは_______一つ目の七不思議の犯人 柴崎生だった。
◇◆◇◆◇◆◇
柴崎生の正体、それは七不思議の犯人というのもあるが、この樺沢高校に取り付く「地縛霊」である。
元々はこの学校の生徒であり、普通に平均的な人間で、異常なところといえば友人が少なく、愛しているのは二次元の嫁たち、という他人から見ると少し寂しいようなものくらいだ。
それでも、本人は幸せそうなので良しとしよう。
地縛霊になった理由は置いておくとして、二つ目の七不思議の犯人を紹介しよう。
「……ぅにゅぅ」
ぷっくりとした幼い子特有の頬をぷにぷにと生がつつく。
ゲームの中の嫁の一人「リイ」という少年を見ている時のように頬を紅潮させていた。
つつかれているのは、齢5歳から7歳くらいの小さな少年。
黒い猫耳パーカーから見える白い髪に白い肌。
フードさえ取れたら真っ白と形容するくらいだ。
生は未だにぷにぷにとその少年の頬をつつき続けている。
すると、突然少年の黄色と青色のぱっちりとした猫目が開く。
少年は生の姿を見ると、むくりと頬を膨らませる。
「なんで起こすのら〜!」
舌足らずな可愛らしい口調で生を怒る。
それを見て今と言わんばかりスマホのカメラ機能で連写する。
未だに、頬は紅潮状態である。
「も〜、らからとりゅにゃあ〜!」
連写されて、さらに怒る少年____ロロ。
全く悪気がない様で、まだ連写をしている生。
余談だが、生は幼い子供…俗に言うロリショタコンというものだ。
ゲームの嫁も大体小さい子である。
「天使がいるよ、ここに天使様がいるよ…!」
はああ、とさらに嬉しそうにしている。
どう見ても、ただの変態であるが、残念ながら今はこの子を止められる人物はいない。
彼に早く来て欲しいという助けを乞う気持ちでいっぱいになるロロ。
その彼は、ものすごく夢中になってあることをしているためここには来ることが出来ない
それを思い出した瞬間、目から涙が出てきたようで、うぅ…と泣き声をあげるロロ。
流石に、まずいと思ったのか慌て始める生。
「ごごごごめん!ごめんって!
ほら、猫缶!」
「猫缶は好きじゃにゃいにゃ!あいしゅ!」
「ええ!?職員室にないよ、そんなもの!」
猫缶を差し出したが、残念なことに断られた。
ロロのいう「あいしゅ」とは「アイス」である。
その中でもロロのお気に入りの「パチパチするアイス」をお望みのようだ。
が、猫缶も生の持っていたスポーツドリンクなどもすべて購買部から物色したものであり、七月中旬頃にアイスか販売するのだが、残念ながらパチパチするものは八月から。
今の時期ではパチパチするもの以前にアイスがない。
結局、ある人物に頼みに行くこととなった。
◇◆◇◆◇◆◇
ロロは人間ではなく、「猫叉」という妖怪だ。
高校なんかに妖怪が…と思うかもしれないが、実際には学校をすみかとする妖怪は数多くいる。
ロロは昼間は公園などで人間に化けて生活しているが、夜になると自分の家である樺沢高校の音楽室に戻ってくる。
音楽室のピアノがとてもお気に入りらしく、その近くで丸まって寝ている。
そして、親から受け継いでしまった「寝ている時に勝手にモノを動かしてしまう」という謎の体質を持っている。
そのため、音楽室のものが勝手に動いて演奏を始める。ということが起きてしまうのだ。
これが、二つ目の七不思議「音楽室のピアノ」の正体だ。




