7話
「ここも片付けたし、後は……体育館だけか……」
気絶しているテロリストの持っている武器を取り出す。それからあいつらの計画の情報がない。持っている身分証明書など確認した。適当な名前が多いな。
「星は様々だけど……本物を似せて偽造でもしているな」
偽造パスポートをポイっと投げ捨てて、テロリストを逃がさないように教材のロープでキツく縛る。
「あいつらの持っている銃器……殆ど何年前にソレール条約で廃止された銃器ばかりじゃないか？」
焼死体になるレーザー銃、徹夜固いものなど貫通する機関銃、その他の危険な武器は、製造禁止にされた物が多い。
昔はお師匠様と旅をしていた時、ヴィーナス星の戦争博物館を見に行った事がある。この武器と同じ展示品を見た記憶がある。
「攻撃に使用されたら……大変な事態が起きるな……」
このままだと誰かが勝手に振れたら死人が出そう。こうなったら使われなくすればいい。
レーザーのバッテリー切れにしない充電器のコードをナイフで切る。ネジなどの部品などの慎重に分解して、予備の弾をゴミ箱に捨てた。
「これで武器は使えません。ついでに護身用のナイフの棍棒でも持って行きますか」
ナイフを上着のポケットに入れて、棍棒はズボンのポケットに仕舞う。
「さてと、体育館に向かいますか……」
校舎から出て歩くと、体育館に着いた。しかし入り口付近にはテロリストの姿がいた。
「体育館の入り口には見張りがいたとは……こうなったら、裏口から……」
ところが裏口にも見張りがいた。これじゃあ中に入れそうにない。
相手は銃を持っていて、ナイフと棍棒では手も足もでない。窓に侵入して割れたら破片が落ちて気付かれる。
「どうすれば……」
思い悩むところに。
「排気口？」
体育館の壁にあるのは屋外に設置している排気口。トイレから繋がっている。
「決めた！ あそこで侵入！」
排気口の鉄柵を取り外し、ゆっくりと台に上って、体育館のにつながるダクトの中へ侵入する。
「中は相当異臭の匂いがするな……服が汚れてとても辛い……」
ダクト内からゆっくりと進んだ。まるで某アクション映画風のように伏せした状態だ。辺りは汚れていて、制服は薄汚れてボロボロになる。
（光の照らしているところまで行けば……）
壁を当てず物音をしないように慎重して道を進む。
「あれは……光……出口を見つけた……」
ようやく辿り着いて覗くと、体育館の外にある男子トイレだった。
「男子トイレか……もしも女子トイレと更衣室だったら……イカンイカン、これはれっきとした犯罪だ！」
悩むところに突然、男子トイレのドアが開いた。
機関銃を満ったテロリストの二人だ。用を足しにきたのか。
小便器近くでおしっこをしながら彼らは何かを話しをし始めた。
「おいおい……訳のわからないガキにやられたら……どうする」
「人質もろとも蜂の巣にしてやるさ！」
あいつら、まさか僕を殺す気満々だ、正面から侵入しなくてよかった。
「でも……俺達が脱走させてくれた誰かが知らないけど、まさか立てこもり計画の場所が奴の学び舎だったとは……」
「生徒と教師を人質にするとは……笑えるぜ……」
テロリストの脱走の手助け、一体誰なんだ。まさか不良グループのリーダー格が学校への逆恨みか。まさか……僕に復讐……まさか。
「解放しないで始末するにはもったいないだろう」
「そうだぜ！ 可愛い女の子もたくさんいたじゃん。人質の盾にしながら拉致すればいいんじゃねえ」
「うひょー！ それいいぜ……後でたっぷり楽しめば……」
「そりゃいい……ウヒヒヒヒ！」
学校の女子を勝手に誘拐するつもりなのか、あいつらの嘲笑う顔を見ていると、あの頃の親戚……ケンカした馬鹿どもを思い出す。
「お前、どの女の子にする！」
「ああっ……右手だけ手袋を嵌めている３年生の女の子だ……」
「それって……眼鏡を掛けているツインテール女子なのか？」
「よくわかった！ 何かしら右手の火傷の痣が残っていて、学級委員みたいけど……って誰かいるの！」
「ここだ！」
僕は排気口から勢い良く飛び出る。
「ギャア！？」
「ブビョン！？」
両足で二人の顔面に命中、転がるようにトイレの個室を突き破り、便器のまでゴルフのようにホームインワンしてしまう。
「ちょっと……やり過ぎたかな……」
「ぶごごご……」
テロリストの顔は完全に便器の中に挟まれている。足をバタバタと震えるように暴れていた。
「２年の頃を思い出すな……」
一年前、授業をサボって小便をしようとトイレに行ったら、便器の水を無理矢理飲ませているいじめっ子集団に出くわして、いきなり殴られる。
僕はムカついて殴ったいじめっ子を制裁した。そいつらを蹴りを入れて、便器の中を放り込むようにトドメを指した。騒ぎに駆けつけた教師に見つかってしまい、反省文を書かされる始末を送った。
「いじめた奴らはトラウマになるだろうな……」
昔の事は放っておいて、倒れているタロリスとイ近づき、武器と身分証明書などの所持品を確認する。
「この星間パスポート……よく出来ているな……」
名前と生年月日は全くゴチャゴチャなやり方だ、それに持っている武器は電気拳銃とレーザー銃を持っていた。部品を外して分解し、予備のバッテリーを取り出す。
「これでもう使えないな……そろそろ行きますか」
トイレから出ようとした途端……。
『貴様ー！ 抵抗したら即刻撃ち殺すぞ！』
『助けてくれー！』
「なんだ！」
トイレの外から悲鳴が聞こえた。ゆっくりドアを開けるとそこには……テロリスト2人と怯える生徒の姿がいた。
「我々に逆らった以上……生かしちゃおけんな。ここで死んでもらうぞ……」
「助けてくれ……」
一人が銃を頭の近くに突きつけている。その生徒に見覚えがある。
昨日……僕をスマイルな説教をしたイケメン眼鏡男子風紀委員だ。
「すまなかった。君たちにはまだ人生をやり直せるはずだから……銃をしまってくれ！」
「やり直すだ……ふん、俺達はな……何十人の人間を殺したんだ！」
「テメーラみたいな平和ボケしたへなちょこ共にはわからねえだろう！」
ギャハハハと大爆笑するテロリストは、イケメン風紀委員を銃口を頭の近く、本気で発砲するつもりだ。
（どうすれば……）
助けないと殺される。そうだ……予備の鉛弾が残っている。それを使おう。
僕は鉛弾の一つを取り出す。トイレのドアの外からテロリストと殺されそうになるイケメン風紀委員の法へ鉛弾を投げた。
カランカラン……。
「ん？ なんだこれ」
テロリストの一人は投げて転がった鉛弾を拾った。
「鉛弾じゃないか？ どうして……？」
「今だ！」
テロリストの二人は目を離したスキに、僕はトイレのドアから出て、テロリストに飛びかかる。
まずは見張っている男から。
「ゲハッ！？」
見張りの男の腰を蹴って、次に顔面を殴って倒す。
「な……貴様！」
イケメン風紀委員を銃で殺そうとするテロリストの男は、今度は僕の方へ銃を向けてきた。
バキューン。
撃ってくる弾をすぐに交した。何せ……お師匠様に避ける練習を苦労した事……それはいいから。
「甘いね！」
「何……交した……ブへッ！？」
銃を持った男の顔の頬を拳で殴る。地面に倒れて白目を向いて失神する。
「おい……大丈夫か……風紀委員様よ……」
「オオウチ君……まさか君に助けられるとは……」
すすり泣きをした顔をする風紀委員イケメン眼鏡男子は、ガクガクとしながら立ち上がる。
「こんな状況で風紀活動はよしな……殺されたらどうする！」
「ごめんごめん……風紀を乱れるとつい……」
顔を赤く染めながら苦笑いするイケメン。
「相手はテロリストだぞ！ 生徒でもないだろう！」
「部外者も注意するけど、ついでに不審者も……」
大丈夫なのか風紀委員、もしも相手が武器と凶器を持っていたらどうする。
「他の奴らも大丈夫なのか！」
「大丈夫……体育館のホールで大人しくしてるよ……」
「よし！ 今すぐーグアッ！？」
後頭部から固い物で殴られた。一体誰が……テロリストじゃない。スローモーションで僕は倒れた。
「ごめんね……ヨシノ・オオウチ君、邪魔しないでくれたまえ」
「お前……」
殺されかけたイケメン眼鏡男子の右手には棍棒を握りしめ、僕は唐突もなく気を失った。
「さて……みなさんのところに戻りますか……」
引きずり込まれるように人質のいるホールまで連れていかれる。
「先輩……大丈夫ですか？」
「うう……昨日は散々でした。尾行任務失敗に続いて……おまけに先輩にお仕置きされるなんて……」
今日こそヨシノ・オオウチを捜索するどころが、今度はサリアとアンジロウの任務にかり出されるとは、昨日から手配中のテロリストらしい連中が現れて、即刻……現場へ急行した。
周囲は何十台のパトカーと消防車、サイレンが鳴りつつ、警察官が道を封鎖、大勢の野次馬が携帯端末で写真撮影をしている。なんて不感心な人達ですわ。
ところが意外な展開に、占領されたのは……中高一貫学園と確認を取る、書類が送られた生と名簿からは、ヨシノ・オオウチの名前が載っていた。
目的の人物の通っている場所を見つかる。こんな展開になるとは思いもよらなかった。
「エリス先輩……無理はしないでください……」
「そうですよ、私たちだけで十分ですから……それにヨシノ・オオウチの通っている学校を見つけた事は、運がいいだが……悪いか……」
アンジロウとサリアが満身創痍状態の私に心配してくれるとは、昨日私だけ一人で押し付けた馬鹿会長ときたら……今度は逃亡中のテロリストの捕獲の任務ですか。
「わかっています。これも任務ですわ。あのうつけ会長に見返して……ギャフンと言わせますわ！」
「イヤ……ギャフンと言われても……」
「エリス先輩はドジ踏んでも……またドジるんですって……」
「なんですってー！」
「あの……ソーラー・学園の生徒のみなさん？」
「あ……はい！ なんでしょうか？」
声を掛けてきたのは、地元の若い女性警察官が敬礼をしながら言いかけた。
「報告致します。大変な事態が起こりました」
「まさか……人質が殺されたのですか！」
「いいえ。特殊部隊のスナイパー隊からの連絡がありました。手配中のテロリスト集団が縄で拘束されたとの報告が……」
「なんですって！」
「それだけではありません。テロリストの所持していた武器がバラバラに分解されていたと！」
汗を流しながら驚愕し、武装集団を壊滅、まさか……仲間同士の裏切り、もしくは反対派に恨んでいる誰かがやったとても。
「拘束したテロリストの発言によりますと……この学園に通う生徒にやられたと口調しました」
「学園の生徒！？」
テロリストの言葉を思いつく、心辺りがあるような……まさか……。
「容姿はアリス星人とプルート星人のハーフ、中等部の男子生徒、三学年だと判断……」
やはり“彼”しかいない。
「先輩？」
「あ……」
「あ？」
「あんの……オタクめーーーーー！」
「「「！？」」」
そんな事をしでがす輩は彼だけだ。昨日……私をコケにしたターゲットの少年……ヨシノ・オオウチしかいない。
「ヨシノ・オオウチです！ 間違いなく彼しかいません！」
「あのヨシノ・オオウチですか？」
オドオドしながらビックリした表情で声を掛けるアンジロウ。
「昨日、私をコケにしたり……ドジッ娘呼ばわりされたり……その……なんか……」
アレ……急にドキドキを感じる。ヨシノ・オオウチが頭がクラクラするように私を可愛いと言ってくれた気がする。
「どうして突入出来ないんだ！」
「なんですの！」
急に怒号の声が聞こえた。
「あの人……またですか……」
「彼女はいつも正義感ですね……」
「昨日……私にお尻ペンペンくらいしか見ていませんわ！」
本部から、男性警察官と私たちと同じ制服を着たプリーツスカートと鉢巻きを巻いた赤髪ポニーテール女子生徒がもめていた。
「この風紀委員であるイリス・ゼニガタがどうしてもテロリストを御用する許可が出来ないのはどういうことですか！」
「今おっしゃる通り……署長の命令がなければ……」
「体育館には人質全員がテロの残党に捕われているだろう！」
イリス・ゼニガタはソーラー・学園の風紀委員長を務める部長、生徒からは正義感に溢れる熱血女として恐れられている。
彼女の掛けているティアドロップセルゴールドサングラスもソーラー・グラスで、彼女の愛用フレームである。
ゼニガタ先輩に怒らせると、とんでもないお仕置きされる生徒も苦手な人もいる。私を含めて……。
「人質が収容されている場所は……」
「学園の生徒と教師を人質が捕われている場所は、さっきの聞いた通り……体育館です！」
アンジロウが赤い屋根のある大きな体育館を指を指し、残党はまだこの中にいる。
「まさか……彼もいるかもしれません……」
私はいいアイデアを思いつく。
「エリス先輩……何処に行くんですか？」
「ちょっと……お手洗いに」
私は一旦現場から離れる。これはチャンスかもしれない。私一人だけ突撃すればいい事を。
ヨシノ・オオウチを保護し、ついでにテロリストの一掃すれば、全て大手柄……間違いなし。
「どこかに入れる場所を探しませんと……」
私は体育館に侵入出来る場所を探した。すると……芝生の倉庫近くの広場から近づくと。
「これはなんですの？」
大きな風呂敷を被せた物を発見する。札らしい物が『危険物』と書かれていた。
「この中にはなにかありますか……一応確認してみませんと……」
風呂敷の中へ覗こうとした。その時突然。
ガシッ！？
「え……？」
何か掴まれるような感覚がする。身体を巻き付くロボットの手みないな物が、風呂敷の中から出てきた。
「なんですの！」
『ロケットノタマヲホジュウシマス……』
「弾ってなんですかー！ ヒャー！」
ロボットの手からするりと風呂敷の中に引きずり込まれて行く。
すると煙突または土管らしい物に入れられてしまう。
「狭いですわ！」
キュイイイイン。
急に向きが変わる。身動きも取れない。
「何！ なんで傾いていますわ！」
『ハッシャジュンビ……カンリョウ……ロケットハッシャ５ビョウマエ……」
「ロケット……」
『５……４……３……２……１……』
「イヤー！ このまま星の彼方まで飛ぶのは……」
『０』
ドーン！
「アーーーーー！」
ロケットのように発射される。なんで私はいつもこんな目に合うの、空中で祈るしかないのですわ。
風呂敷が飛ばされ、大砲が会った。『人間ロケット大砲』と書かれていた。一体誰がこんな物を置いた輩は天罰ですわ。
「おい起きろ！」
「グホッ！？」
誰かが僕の腹を蹴られ、目を覚ます。武装状態のテロリストが立っていた。僕は捕まってしまったのか。
「おいおい……マジでこいつなのか？」
「クッ！？」
太ったテロリストの男が僕の髪を引っ張る。目の前には人質にされた生徒と教師がいた。
「アレ？ 身動きが取れない？」
自分の身体を見ると、気絶している間、両手と両足が太い縄で縛られていた。
「お前の演技力は見事だったな……」
「構わないさ……」
「お前をおびき出す為、罠に引っかかるとは、そうだろう……風紀委員さん」
「イヤ……そうでもない……」
テロリストのリーダー格らしい男が誰かと話しをしていた。学校の生徒であるイケメン眼鏡男子風紀委員だ。
「後ろから殴ってごめんね……問題を起こさないのが風紀活動だけど……」
「風紀活動……ふざけるな！ お前が奴らの仲間だったのか……正直に言え！」
あのイケメンがテロリストの一員？ あいつの掛けているアンダーリムフレームの眼鏡のすじを押しながら、レンズの色鮮やかに輝いていた。まさか。
「ソーラー・グラス……お前……適合者だったのか？」
「答える義務はない……」
「クソ！」
こいつのムカついた態度を取る。今すぐ殴りたい。
「大変です。警察部隊が突入する気です！」
褐色肌のテロリストが警察が動き出したと耳にする。でも喜ぶのはまだ早い。銃撃戦になったら人質も巻き込まれる。
「ようやく僕の出番か……」
スマイルで立ち上がるイケメン風紀委員は眼鏡のすじのボタンを押した。
「武器変換」
光り輝く粒子が集まって、風紀委員は武器を具現化しているのか。
「なんだ……これは……」
昔……ヴィーナス星の中世で使われた太剣。これがあいつのオリジナル武器なのか。
「炎の防御」
太剣から火が勢いで溢れてきた。その火は外へ飛び越えて、地獄のような光景を体育館から誰にも入らせないように炎の壁が出来上がった。
「お前……何をした！」
「誰も入れないようにしただけ……」
「ふざけるな！ アンタ風紀委員のクセになんでそんな事をする！」
「貴様！ 口答えをするな！」
「グッ！？」
後ろにいるテロリストの男に棍棒で殴られた。
「本当に君は……問題児だね……」
「ク……クソ……」
風紀委員は見下した視線で僕を見る。すると人質は騒ぎ始める。
「イ……イヤー！」
「体育館が火の海に！」
「こんなところで焼け死にたくない！」
「熱い……熱いよ……」
生徒達は炎の壁に溢れる熱気で苦しい表情をしながらパニックに陥った。
「安心したまえ……体育館は火災しないから大丈夫」
ニコニコしながら生徒達に話すイケメン風紀委員、もうダメなのか。
「ヨシノ君とみんなを解放して」
誰が交渉の話し始めた生徒がいる。僕にも聞き覚えがある。クラス委員長であるシア・ノグチだった。
「君……人質らしく黙ってもらえないかな……」
「私の名前はシア・ノグチ、ソーラー・グラスの適合者です。昨日……役所と学園側から適合が一致しました。私が目的ですか！ これ以上みんなを苦しめないで！」
テロリストとイケメン眼鏡男子風紀委員に頭を下げるシア。一年の頃の臆病な性格に戻っているな。
苦笑いをするイケメン風紀委員がシアに近づいてきた。
「目的は言えないって聞いたよね……」
「キャア！」
イケメンが平手でシアをビンタ下。アイツ……女の子を殴るなんて。
「お前！」
「おっと……これ以上大人しくしてね……動くとこの少女の命はない」
イケメン風紀委員の持っている刀にシアを向ける。アイツ……シアを盾にするなんて。
「大人しくしててね……彼女が焼かれても」
「クソ……」
刀の先から火を吹き出す。これじゃあ……あの頃と同じだ。
僕の両親と親戚を殺したハルタを思い出す。
「だからねヨシノ・オオウチ……君は学園の問題児だ！」
「ふざけるなー！」
飛びかかろうとした途端。
『イヤー！ 誰か助けてー！』
外から悲鳴を上げる声が聞こえた。窓が割れてガラスの破片が撒き散らすように落ちて行く。飛行機のようにスピードを上げた物体がイケメン風紀委員に直撃した。
「グホッ！？」
「へバッ！？」
イケメン風紀委員は吹き飛ばされ、今度は僕の方に飛んできた。
「ギャアン！？」
「フベッ！？」
「へバッ！？」
直撃したのは僕ではなく、テロリストの二人が壁に激突する。
「ひ〜ん……酷い目に遭いました……」
この声……聞き覚えがあるような。
「お前は……昨日の黒髪ドジッ娘シスター！」
「ああー！ ヨシノ・オオウチ！」
昨日の帰り道に無理矢理しつこく強制的にソーラー・グラスを掛けさせようと、頭のおかしい黒髪美少女シスターエリスと再会してしまう。
